第二話 Free fall in dungeon
今回とても短いです。切る場所がほかに見当たらなかったので・・・
やぁ。俺は霧咲 大和。え、デジャヴ?さあ、なんのことだかわからんな。さて、そんな俺は今肩から膝にかけてロープでぐるぐる巻きにされて馬車に乗せられております。勿論椅子に座ることなんて出来ないから地べたに寝転がされるわけだよね。そうするとね、段差とかあると馬車が一瞬浮くから後頭部を思いっきりぶつけるよね。怒髪天をぶち抜いてるよね。・・・マジでこいつら覚えとけよ、気持ち悪いニヤケ顔引ん剝いてやるからな。
「よし・・・。お・・お前ら・・すぞ」
どうやら着いたらしい。いやあ馬車で1日か、結構来たんじゃないか?勿論食うもんも飲むもんもないし、体も縛られて痛いから碌に寝ることも出来てない。うぅ。急に持ち上げるな・・・視界がだぶる・・・あまりよく音を拾えない・・・
「こ・・・れまい・・・」
「ま・・・んな・・・き方す・・・だ」
目の前に崖肌に開いた大穴のような場所が見えてくる。こんなところにおいて行くぐらいなら何とかすれば生還出来そうじゃん。そうであれば良かったのだが、兵たちは何もない壁の前に立つとなんとそこに何もないかのように壁をすり抜ける。さすがにこれは驚いた・・・でもここで驚くのは癪なので特に反応もしない。まあ、反応する体力もないだけだが。
しばらくうす暗い通路のような場所を歩くと急に開けた。目の前には底が見えない崖が・・・え?マジで?これは死ぬわ。
「じゃあ、お前とはここでお別れだ。恨むならお前のこの運命を呪うんだな。さて、定番だが最後に遺言はないか・・・?」
「・・・・んじゃ、最後に・・・サラダバー!!」
「うおぁ!」
「あいつ自分から落ちやがった!マジかよあいつ!!」
遺言とか定番なことしたくないから、体をくねって無理やり拘束を解いて自由落下する。兵たちが驚愕の表情を浮かべている。へへっ!かましてやったぜ。そのまま体は落ちていき壁から出ていた突起に頭を思い切り打ち付けた。初めから意識を失いかけていた身なので
「(俺もここまで・・・・か、・・・くそ・・悔しい・・・あい・・つ・・ら・・・)」
そこで完全に意識を手放した。