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ボツ  作者: MC:テキtowtaka
第一章 ドン底ってこんなもん?
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第一話 王国からドナドナさせられちゃいました。

光が収まり、目を開けるとそこには、真っ白な壁やら天井やらで囲まれただだっ広い空間があった。思ったが、本の中で見たあの神殿にそっくりだな・・・それはいいとして。周りを見渡すとクラスの人たちもいるようだった。


「なんだここは・・・なぁ大和どう思う?」


後ろからこっそりと近づいてきた大河に膝カックンされながら質問される。まんまと引っ掛かってしまった俺はもちろんイラついたので。


「俺にもわかるかよっ!」


「うおっ!―――ぐべぇ!」


カックンされた勢いでしゃがみ右足を伸ばして勢いよく一回転する。と、もちろん後ろには大河がいるので足を取られた大河はすっ転ぶ。やってやったぜ。あ、大河が立ち上がった。額に青筋を浮かべて。やむを得ず臨戦態勢に入ろうとしたところで。


「よくぞ来てくれた!!我が国の危機を救ってくれる英雄たちよ!!今からこのノーレーン連合王国第三国の王女様が直々に言葉をくださる!無礼のないように!!」


いきなり怒鳴り声に近い声が聞こえたので俺も大河も喧嘩を中断する。王女なんていなくないか?そう思ってあたりを見渡す。するとさっきまで何もなかったはずの場所が発光し、光が収まる頃には一つの人影がそこにはあった。


「妾がノーレーン連合王国第三国第一皇女であり、お主らをこの世界に召還したエリザベスじゃ。お主らを召還したのは他でもない、この世界の危機を救ってもらうためじゃ」


その言葉にクラスの奴らが反応しざわざわしだす。俺はそんな面白くないテンプレなんかしたくないので取り敢えず体育座りして大人しく聞いていよう。


「静まるがよい!!なにも無策で魔王に挑んでもらおうとは思っておらん。転移者のお主らには人並みより抜けたステータスと能力が授けられる。それを駆使し魔王を討伐し、見事この国がノーレーンを統一した暁には富、名声、どんな願いも叶えてやろう」


クラスの奴等からゴクリ、と唾をのむ音がやけに大きく聞こえた。え?俺?俺はとても不機嫌です。


「さあ、こうしている時間ももったいない、まず『ステータス』と唱えて見てくれ、慣れるまでは唱えなければいけないが、慣れたら頭の中で唱えるだけで出来るようになるはずだ。因みに、一般的な人間の初期値はオール50程度じゃ」


「「「「『ステータス』」」」」


全員で唱える。これには俺もどうしようもないのでイラつきを抑えて唱える



―――――――――――――――


名前 霧咲 大和

種族 人間

適正職業 無職

lv1


体力 20

筋力 20

俊敏 20

魔力 20

物防 20

魔防 20

精神 20


スキル

『鑑定lv1』『奪取lv1』


―――――――――――――


・・・ん?さっき王女さ、一般的なステータスはオール50くらいって言ってたよね?おかしいな?俺オール20なんですけども・・・自分訴訟いいですか?っていうか無職が適正職業ってなんだよ・・・ニートかよ俺・・・


「おお!!大河殿は勇者か!これは素晴らしい!100年に一度の逸材ではないか!」


大河が勇者・・・だと・・・ちょっと『鑑定』で覗いてみよう。


――――――――――――――


名前 太刀嶺 大河

種族 人間

適正職業 勇者

lv1


体力 200

筋力 200

俊敏 200

魔力 200

物防 200

魔防 200

精神 200


スキル

『鑑定lv1』『聖剣適正』『物魔威力半減』『身体強化lv1』


―――――――――――――


え・・・マジで?チートやん!ちょっと腹が立ち申したので王女に物申したいと思います。まぁ、どうなるかは目に見えてるけどね。それでも、こんな理不尽は堪忍袋の尾が爆発四散した!


「すんませーん、俺のこのステータスひどいんですけど、特にすごいスキルも持ってないっすし」


「なっ!貴様!王女様になんて口の利き方を!!」


「まぁ待て・・・ほほう、これは百万年に一人の人材じゃな」


「え・・・どこら辺が?・・・まさか隠された最強要素が・・・?」


「こんな弱いやつ見たことがない」


「うん、そっすよねー」


「よし、この者を王城から追い出せ。こんな役立たずには飯も訓練も勿体ない」


「「「はっ!!」」」


うん、やっぱりこうなるよね。ああ、クラスの男子がニヤニヤしてやがる・・・この野郎ども・・・!!女子も・・・いや、女子は心配そうな顔してるな・・・何故に?両脇から抱えられ連れ出されるというところを


「待ってください!それは流石にあんまりです!霧咲君だって訓練すれば必ず強くなります!」


朔良が止めに入るか・・・なんで?それを見ていた周りの男子の顔が醜く歪む。王女も一瞬顔をしかめたが、兵たちに頷くと、朔良を無視し再び兵たちが歩き出す。


「ちょっ!ちょっと!!霧咲君もなんで大人しくしているの!?」


「乃蒼やめなさい。あいつが抵抗してないってことは受け入れてるってことよ」


「なっ!離して玲ちゃん!このままじゃ霧咲君が・・・・!!」


「いいんだ朔良・・・お前らは気づいてないかもだが、そこの私利私欲だけで生きてる王女みたいなやつの下につく気なんてこれっぽっちもない」


「なっ!貴様!王女様になんてことを!!」


「どういうこと?霧咲君」


「そのまんまさ、最初にこの国は第三国だと言っていた。そのあとに魔王を倒してノーレーンを統一するとも言っていた。つまり魔王を倒して危機を脱するなんてのは口実で、魔王を倒したという功績と武力で高い地位を目指しているだけなんだ、そいつは」


「貴様ぁぁ!!!その首!今ここで叩き切ってくれる!!」


「よせ!良いのじゃ、どうせ其奴の命も王国を出るまでじゃ。・・・そうじゃ、ここらで一番レベルの高いダンジョンの『大穴のダンジョン』にでも放り込んでおけ」


「「はっ!!」」


こうして俺は王国からドナドナさせられた。王女にかませてせいせいしたぜ、あんのクソ野郎ども・・・いつか復讐してやる・・・



この先降りかかる災厄をまだ大和は知る由もない――――――



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