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ボツ  作者: MC:テキtowtaka
第一章 ドン底ってこんなもん?
10/10

第十話 人間っていいな

遅れてしまってすみません。サブタイトルに深い意味はありません。


ゴーレムがこちらに歩を進めてくる。ニーナが何やら叫んでいるが聞こえないふりをする。とてもうるさくて耳障りに思った。


ゴーレムの剛腕が振り下ろされる。


「『弾衂パリィ』」


小さく呟き、左手の甲でゴーレムの腕を軽く払いのけると、ものすごい衝撃で足元が放射状にひび割れ、土煙が立つ。ゴーレムは尻もちを付きこちらを見ているのみだった。


「『鑑定』」


ぼそりと一言。


―――――――――――


『ストーン・ゴーレム』


ゴーレムの上位種。とても固く物理防御力に長けているが、その反面、魔法防御力が乏しい。



体力 720

筋力 900

俊敏 300

魔力 10

物防 800

魔防 200

精神 400


スキル

『身体強化lv3』『鋼の身体lv1』『破砕lv5』


―――――――――――


今見てもらった通り、大和は『鑑定』のレベルが上がったおかげで、スキルも見通せるようになっていたので、スキルも奪えるようになっていた。


「ほうほう、いい防御力だ。貰うぜ」


ゴーレムに手を触れ、先にスキルを吸ってから、物防を吸い取る。当然時間がかかるわけで、ゴーレムが吸っている途中で動き始める。


「『破砕』!」


先ほど盗んだスキルの試し打ちとして、大きく振りかぶった右手をゴーレムの胴体のド真ん中に振り下ろす。圧倒的破壊が巻き起こる。ヒビがさらに大きくなり、物防が少なくなったゴーレムには十分すぎたらしく、一撃で沈んだ。


「『ステータス』」


今奪ったスキルを確認すべくステータスを表示させる。



―――――――――――


名前 霧咲 大和

種族 人間

適正職業 無職

lv43


体力 1323

筋力 1210

俊敏 980

魔力 830

物防 1084

魔防 795

精神 839


スキル

『鑑定lv6』『自然治癒力上昇lv6』『運気上昇lv5』『気配遮断lv2』『跳躍lv4』『夜目lv4』『胃酸強化lv11』『空歩lv4』『破砕lv1』『身体強化lv12』『遠目lv5』『鋼の身体lv2』


特殊スキル

弾衂パリィlv4』『強欲スティールlv6』


―――――――――――



「ヤマトぉ!」


ふと情けない声が耳に入ってくる。


「うるさいなぁ」


「・・・・へ?」


「よし・・・魔石の回収も終了、と」


そう呟き、土煙から出ていく。


―――――――――――


ゴーレムとの戦いの後、拠点に戻って来た大和たち。


「今日からここがお前らの家だぞー!」


「「ワン!」」


もともと怪我も無かったし、ご飯も上げたので母子?共に健康だ。


「でも、魔物だよね?ペットにしちゃっていいの?」


「もともと、襲ってくるから殺してただけだ。それに、こいつらは剝ぎ取れる部位が魔石くらいしかない。あんまりおいしい獲物じゃないんだ。」


「なっ!魔石だけですごく高価なのに・・・」


「何言ってるんだ。ここで生きていくのに金なんて何の役にも立たないだろ」


「確かに・・・そうだね」


こうしてウルフの二匹を飼うことに決めた。座ると子狼が膝に乗ってきてゴロン、とお腹を向けてこっちを見ている。


「可愛い・・・こいつぅ・・・!!」


もこもこの毛並みのお腹をめいいっぱい撫でてやる。子狼気持ちいいのか、目を細めてハァハァしている。抱き枕にしよう。


「ふふっ・・・」


それを見ていたらしく、ニーナが笑う。すぐさまそれに噛みつく。


「なに笑ってんだよ・・・あぁん?」


「なんでもないよ」


そういうがとてもニコニコしている。なんだこいつ、はっきりいって気持ち悪い。


「それよりもお腹減ったんだけど」


「えっ!今から刀を取りに行くんじゃないの!?」


「なに言ってるんだよ。さっきのは偵察のつもりだったんだ、どうせ今日はいかないんだ。早くして」


「でも、やっと刀の場所が分かったのに・・・」


「どうせ刀をとるためには何かしら試練的なものが必要なんだろ?準備していくに越したことはないだろ」


「・・・ヤマトって意外と考えてるんだね」


「屋上」


そんな他愛ない会話をしながら夕飯の準備をするニーナ。その足元をうろうろする母狼。膝の上でもっと構って欲しそうにしている子狼。それを眺めていて、なぜかまぶしく思えてそっと目を細める。いつかの日に憧れた日常がそこにはあった。それを思いながら、子狼を優しく撫でた。


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