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ボツ  作者: MC:テキtowtaka
第一章 ドン底ってこんなもん?
1/10

プロローグ 俺という人間。

やぁ。俺の名前は霧咲 大和、一応高校生をやっている者です。え、何故“一応”かって?もう半分くらいやめてるからね。


まぁ、細かいところは追々説明していくとして、俺は周りの人達からよく捻くれてる言われる。主な理由としては、他人がしないような言動を取りたがるかららしい。それもそうだ、なんせ俺が最も嫌いとするのは“他人の好き勝手に思い通りになること”だしな。


いや、正確には思い通りになることが当たり前かのように成り立っているこの世の中の仕組みが大っ嫌いだ。


そこでどのようにひねくれているか具体的な例を挙げよう。これは今朝、学校とかいう如何にも俺が嫌いそうなモノに遅刻したときの話だ。学校に着きいつもの様に下駄箱を過ぎ、教室までの廊下を歩いていると・・・。


「寝坊しましたー」


「だらしねえなぁ!!」


「いてぇ!」


そこには冬場ということを感じさせない半ズボンに一目で熱血教師とわかる袖まくりした白のTシャツの教師がガラの悪い生徒を足掛けで転ばせている光景が目に入ってくる。見て見ぬふりで横を素通りしようとするも・・・


「よぉ、霧咲・・・随分と遅い登校じゃないか・・・えぇ?なんか言い訳でもあるのか?」


「・・・おはようございます、汗水先生。いや、今日の朝に祖父が倒れてしまって・・・それで病院まで

見舞いに行ってたんすよ。」


勿論嘘である。だが教師というものはこれを聞くとあまり深入りしてこない。特にこの脳みそまで筋肉で出来てそうな熱血教師は引っ掛かりやすい。俺にとっては最高の言い訳だ。


「そうか・・・それはそれは大変だな・・・」


ほらな、やっぱりこいつは脳みそまで筋に―――――


「なんせ倒れるのは今月で12回目だもんな、なぁ・・・霧咲?」


「あはは・・・そりゃもう大変ですよ」


「「あはははははははは」」


「霧咲ィ!!」


「ぐべぇッ!!」


バレバレだった・・・!クソッ!やばいヘッドロックが案外キマッてる・・・

そこで汗水が足掛けで転ばせようとする、普通の人ならここはわざとでも転んでさっさと話を終わらせるのだが、大和の矜持がそれを許さない。大和は前々から汗水が生徒に絡むときはいつも足掛けだとわかっているので、前から掛けられた足に対して、重心を後ろに移動することで何とか耐える。


「!!」


汗水としても足掛けを耐えるのは想定外だったらしい、困惑と焦燥といった表情が窺える。一方、大和の顔は相手の思い通りにならなかったということで完全に勝ち誇った満面の笑みといったところだろうか。ただ、それが体育教師に火をつける結果となった。前がだめなら後ろ、と。


「ぐあッ!」


それも根性で耐える。それから前、後ろ、と何セットか繰り返している内に汗水も諦めたのか解放となった。今度こそ勝ったと、教室に向かう。頬を真っ赤に腫らした勝者の笑みで。そう、何を隠そう足掛けではダメだと悟った汗水が開放する直前に大和の右頬を思いっきり平手打ちしたのだ。


ここまでが今朝の回想。俺の性格の悪さと、周りの悪環境が分かっていただけただろうか。ここまで読んで無理だと思う者はブラウザバックを推奨するよ!ここからは、俺がとてつもなく大きい厄介ごとに巻き込まれる所までのお話。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


ジンジンと痛む頬を抑えながら教室に入ると、授業は終わっていたらしく教師はおらず生徒だけの休み時間になっていた。他生徒の視線を集めながら大和が席に着くと二人の女子が近づいてくる。


「おはよー霧咲君。・・・ほっぺどうしたの?」


「なんだ、朔良さくらか・・・別になんでもねぇよ・・・」


「おい!折角毎日乃蒼が話しかけてるのにたまにはちゃんとした返事しろよ」


「いいんだよ、玲ちゃん。私が好きで話しかけてるだけで・・・あっ!今の好きはそうゆう好きじゃなくて・・・!」


「落ち着いて乃蒼誰も聞いてないから・・・」


「全く、毎日毎日、朔良も石塚も飽きねぇな」


「なっ!あんたが友達いないのわかってるから態々話しかけてあげてるのに、乃蒼はそうじゃないっぽいけど・・・


後半がうまく聞き取れなかったが、今話しかけてきた二人は朔良さくら 乃蒼のあ石塚いしづか れいだ。毎日俺に話しかけてくる数少ない人の中の二人だ。今の会話で分かった人もいるかもしれないが、おれは基本的に他人に興味を持っていないし、粗雑に扱ったり、はっきりと自分の主張を言ったりするので、クラスの中には何かと敵が多い、特に男子。


何故か女子は積極的に話しかけてきたりする・・・なんでだ?まぁそれはいいとし・・・ん?そういえば話しかけてくる数少ない中の“悪友”がいないな。今日も遅刻か・・・だらしねえなぁ・・・え?ブーメラン?・・・ちょっと何言ってるかわかんない。


そんなこと考えてる間に例の数少ないの中で、最も会いたくない奴等が席に近寄ってくる。


「よぉ霧咲、どーしたんだよその頬はー?w」


「なんか汗水にやられたらしいぜーw」


「えーwwなんだそれw、ダッサww」

 

乃蒼の事を気持ち悪い目でチラチラ見ながら、聞いてるだけでイラつく、纏わりつくような声音で喋ってくるのは、進藤しんどう 真人まさとと周りの取り巻き達。正直いってこの学校でこいつよりトサカにくるヤツはいない。・・・といいなぁ。そんな願望は置いておくとして、どう返答するか。


【一般人の解答例】


1,「うるせぇよ」と反抗する。


2,敢えて返答せず無視する。


3,取り敢えず殺っちゃう、現実は非常なり。


そんなことしても面白くないので、俺はとりあえず・・・・


「やぁ。これはこれは今でも寝るときにぬいぐるみが手放せない進藤くんじゃないかね」


「なっ!?なんでそれを・・・」



煽ってみた。


「へぇー進藤君って寝るときにぬいぐるみと一緒なんだー」


「なっ!朔良!今のは誤解で・・・」


「ふふっ、進藤君ってかわいいところあるんだね」


「あ、あぁぁ・・・」


乃蒼が悪気なくそんなことを言うが、進藤には相当ダメージがデカかったらしい。勝ったな。(確信)


「霧咲ぃぃ・・・お前のせいだぞ!!」


しばらくして復活するとまた俺に突っかかってくる。今度はどうしようと悩んでいると。


「おはぁーー!寝坊したぁーー!!・・・・ん?おいおい、また進藤は大和に絡んでるのか・・・」


「なんだ太刀嶺たちみねか・・・センコーかと思ったぜ・・・」


今入ってきたのが、幼稚園から高校までずっと一緒の“悪友”太刀嶺たちみね 大河たいがだ。何故悪友かは後々話す機会があればその時に。


「おう、大和。いつも通りの不愛想な顔だな」


「よう、大河。いつも通り髪が寝ぐせでひどいな」


これが毎日の日課であった。なんとくだらない日課だろうか・・・


「そんなことより、歯ぁ食いしばれ霧咲ィ!!」


空気を読まずに真人が拳を握りしめ走ってきた。どうするかと悩んでいたとき。



教室の中心に突如光の粒が出現したかと思うと一気に収束し――――――




――――教室を飲み込むほどの光が爆ぜた。




そう、ここから俺の“厄介事”が始まる―――




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