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若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!  作者: 森田季節
フランツ、実家に帰省編

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90 夏休みの成果

「ちょうど、フランツ君の領地の近くで荷物を降ろしておしまいになる仕事があったから、その仕事のあとにオフになるように休暇を取ったの。それで、せっかくだしこの子も連れて、こっちにやってきたの」


 トトト先輩がここにいる理由を教えてくれた。けど、俺がここにいることは言ってないから、社長が一枚噛んでるんだろう。それと、トトト先輩、あの……水着着てるのはわかるんですけど、それ、露出度高すぎますよね。どこで売ってるんですか、そういうの?


「沼トロールもこれからはけんぶん広めたい、がうがう」

 ホワホワにとっては楽しい経験になったんじゃないだろうか。それなら基本的にいいことだ。


「フランツさん、とてもかっこよかったですよ。私、感動しちゃいました。フランツさんを雇ってよかったです」

「ですよね。ボクも小説の主人公みたいだと思っちゃいました」

「ぱちぱち」


 社長とサンソンスー・ファーフィスターニャの先輩二人にも褒められた。これだけの数に見られていると気恥ずかしいな。


「みんな大切な人でみんな幸せにしたいなんてほぼ言えませんよ。五世紀生きてきましたけど、ここまでおっしゃる方は初めてです」

 そりゃ、こんな場面に出くわすこと、まずないもんな。


「つまり、お一人で全員と結婚して全員の面倒見る的な意味ですよね」

「…………ん? 大きな誤解があるような……」


 た、たしかに「俺がお前を幸せにする!」と男が女性に花束でも持って発言したらプロポーズという意味になるよな。そういう意味だと認識されたのか……?


「これって、法的に結婚となるのかわからないけど、ボクはそれでもうれしいかな……」

「サンソンスー先輩、何を言ってるんですか!? 誤解ですからね!」


「歳の差あるけど、後輩君、いいの?」

「ファーフィスターニャ先輩、いいとか悪いとかじゃなくて関係ないですから!」


 社長、笑ってるし、今のわざとだな……。純真な先輩の一部がその気になりかけてるじゃないか……。


 誤解を解いた後、俺たちはまた海で日光浴をした。

 海でできることって意外と少ないのだ。


 ちなみに初日に海に来た時よりじろじろ見られた。

「あの男は何者なんだ……?」「ただれた生活してるんだろうな……」「爆発しろ」


 いろいろ言われてるけど、社員の男女比が極端なだけでとくに問題はない。


「さっきは茶化してしまいましたけど、フランツさんは立派な黒魔法使いになったと思いますよ。この数日でもさらに成長したような気がします」

「成長したかはわかりませんけど、放置できないことがあったんで……」


「すぐれた社会人は、完全にオフな時期でもそこで課題を見つけて成長しちゃうんです。フランツさんはそうだったと思いますよ」

 ケルケル社長お得意の褒め殺しだな。三割減ぐらいで聞いておこう。


「周りにこれだけ見習わないといけない先輩がいたらそうなっちゃいますよ。皆さんのおかげです」

 後ろからファーフィスターニャ先輩の手が伸びて、頭を撫でられた。これは不意打ちだった。


「こっちを褒めても何も出ない。よしよし」

 先輩のデレが出てると言えなくもないけど。


「研修も終わりましたし、夏休み明けはもうちょっと活躍できればと思ってます」


「いい心がけですねえ。あっ、研修と言えば――ええと、どなたでしたっけ」

 なにか社長が思案したような顔になる。


「ああ、そうです、そうです。アリエノールという方が九月にうちに少しの間、来るらしいですので、お相手してあげてくださいね」

「ええっ? なんで、また……」


「黒魔法業界の制度で、ミニ留学というものですねえ。とくにほぼ自営業の方は技術を学ぶのも大変ですからね。王都の会社にやってくることは珍しくはないんですよ」

 サバトのことを思い出して、顔が熱くなった。


「そうですか……。彼女に抜かれないように俺も努力します……」

「はい。フランツさんなら、きっと大丈夫ですよ。これからも仕事を覚えていってくださいね」


 これは九月からもまた面倒なことが起きそうだ。


 ちょうどお昼の時間で、水着じゃない人間も砂浜に増えてきた。

 この近所で働いてる人間は食事を海を見ながらとることも多いのだ。

 そして、その中に親父の姿があった。


 げっ……。また嫌な予感しかしない……。


 親父は俺を見つけると、目ざとくこちらにダッシュしてきた。

「フランツ、お前というやつは! どこまでもうらやましいんだ!」

 その反応を見て、先祖と血がつながってるなと思った。


「会社で知り合った人たちだからな。やましい部分はないからな」

 なぜか、その場で親父が頭を砂につけて、亀みたいにひざまずいた。


「おい、何をしてる……?」

「銀貨二十枚枚出す。いや、三十枚出す」

「その銀貨は何を意味してるんだ! バカか!」

「バカでもハーレムは男の本懐である!」

「黙れよ! あと、その姿勢やめろよ!」

「せめて、バカにして踏みつけてくれ!」


 そのあと、社長に「面白いお父さんですねえ」と言われました。

 会社の人たちに実家の恥ずかしい一面を思いきり見せつけることになった夏休みでした……。


次回から新展開入ります。よろしくお願いします! 現在、6月発売の書籍化作業で忙しく動いております! すごくいいものになると思いますので是非ともよろしくお願いします!

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