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若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です!  作者: 森田季節
黒魔法業界の新人研修編

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63/337

63 業界の合同新人研修

今回から、新展開です! よろしくお願いします!

「あの、夏休みなんですけど、少しあとに取得してもらっていいですかね?」

 会社に行くと、ケルケル社長に申し訳なさそうに言われた。


「ああ、はい。別にいいですけど」

 むしろ、夏休みのことなんてまったく考えてなかった。そりゃ、あるよな。学生ほど長くはないだろうけど。

「ありがとうございます! 大好きです!」

 唐突な大好きにびくっとした! 絶対恋愛感情からのものじゃないってわかるけど。


「社長、そういう言い方は語弊があるんでやめてくださいよ……。夏休み取得する人の時期がかぶったとか、そういうことですか?」

「いえ、黒魔法業界の合同新人研修の時期とかぶってるんですよね」


「黒魔法業界の合同新人研修!? すいません、インパクトを感じて聞いたことそのままオウム返しにしちゃいました……」

 そういえば、黒魔法業界が斜陽だろうと、全国規模で見ればたくさん新人はいるよな。


「まあ、新人研修は半分遊びみたいなものというか、目的の一つに同期の友達を見つけようみたいな部分もあるぐらいなので、気楽に行ってきてもらえればと思います。野外で焼肉大会とかするみたいですし」

「あぁ……そういうリア充的なイベントかぁ……」


 魔法学校でも修学旅行などはあったのだが、どうも俺は非リアだったので浮いていたんだよな……。

 社会人の研修でも合同とか連帯とかいろいろ言われて、自分の空気には合わないのではないか。


 だからって、それを理由に断れるかというと無理だよな。俺から見ても協調性ない奴だと思ってしまう。


「わかりました。じゃあ、参加します」

「なんだか乗り気じゃないようにも見えますけど、フランツさんなら大丈夫ですよ! 乗り越えられます!」

「いや、自信がないとかではなくてコミュニケーションとれるかなあと……」

「それならもっと大丈夫ですよ。とらなくてもいいです」


 えっ!? 社長の立場でそういうこと言っていいのか……?


「ちなみにメアリさんも新人は新人なので参加の可否を聞いておいてもらえますか? まあ、フランツさんが参加するなら行くと言うと思いますけど」

 あっ、そうか、じゃあ最初からぼっちではない。話す相手いないという事態は防げる。


「行くと言うと思います。それと使い魔のセルリアも連れていけますか?」

「はい、どうぞ」

 じゃあ、不安はほぼ解消された。



 二週間後、俺たちは目的地である山岳地帯まで馬車を乗り継いで行った。

 平日に移動するので、トトト先輩の天翔号にも乗れない。


 馬車を降りて、さらに三十分以上、山へのぼる道を歩くと、やがて

 道はけっこう薄暗くて、不気味だ……。


「いや~、薄暗くていい道だね~」

「気持ちが落ち着きますわ」

 魔族的にはむしろプラスなのか! たしかに魔界行った時、全体に薄暗かったな……。


 やがて道の先に古ぼけた巨大な洋館が目に入った。

 三階建てで、おそらくこのあたりの土地を支配する領主のものだったんだろう。

 周囲は濠で覆われているし、館というか城の役目を果たしていたのだと思う。


「なんか、幽霊とか出そうだな……」

「スペクター系の何かはいるかもしれませんわね。わたくしが仲介役に立ちますから大丈夫ですわ」

「ああ、そうか、セルリアからすれば、それも恐怖の対象じゃないか」


 屋敷に入ると、まず正面に「事務局」と書いたプレートのある窓口があった。

 年老いたおばあさんが、そこに座っている。


「すいません、新人研修で来ましたネクログラント黒魔法社の者です」


「ああ、フランツとメアリじゃな。それと使い魔のセルリア。では、これを配布する。開会式の時はかぶっていくようにな」


 渡されたのは黒いとがった帽子というか、マスクだった。

 いかにも秘密結社的なやつだな……。


「人間の黒魔法使いってこういうつまんないことするよね」

 芸歴? の長いメアリはよく知っているらしい。その他、部屋のカギを渡されて、生活棟のほうに行く。ちなみに俺の部屋は666-23でメアリの部屋は666-24。全部、666を冒頭につける風習らしい。


 じゃあ、あとで合流しようと言って、メアリとは別れて、セルリアと同じ部屋に入る。殺風景というか、机とベッドと窓ぐらいしかない。それと上手いのか下手なのかよくわからない風景画が張ってある。


「いえ、そういうわけでもありませんわよ。たとえば、ほら」


 セルリアは掛かっている絵画を外した。

 その後ろに謎の呪符みたいなものが貼ってあった。


「げっ! 思い切りなんか貼ってある!」

「それだけではありませんわ。だいたい、ベッドの下にも。ちょっと、見てきますわね」


 そう言うと、ベッドの下にセルリアは顔を突っ込んだ。

 しばらく動きがないけど、二分ぐらいして戻ってきた。


「斧を持って潜んでいるスペクターがいましたわ」

「こわっ! 無茶苦茶怖いって!」

「ああ、スペクターは潜んでるだけで危害は加えませんわよ。でも、寝る時に気になるからほかの部屋に移動してほしいと言って去っていただきましたわ」


 ヤバい。

 黒魔法業界の研修所、明らかにいろいろとおかしい……。


 ガタガタガタガタッ!

 今度は窓がいきなり音を立てて揺れはじめた。


「わっ、今度はなんだよ!」


「ああ、あれはポルターガイストというものですわね。とくに害はありませんからご安心ください。夜寝てる時は空気を読んで静かにしてますから」

「えっ、そういう問題なのか……? 安眠を妨げないならそれでいいのか……?」


 この研修、本当にやっていけるのかな……。

しばらく変な研修が続きます。新キャラも出す予定です!

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