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暗殺者(アサシン)の少女

思いつきで息抜きにサラサラと書き上げました。

続きものにしてますがどうなることやら…

真夜中に街中をフードを深く被った人物が駆け抜ける。

町の中でもひときわ目立つ大きな屋敷まで来ると、あらかじめ用意しておいた場所から敷地へと侵入すると、乱れた呼吸を整うまで一息つく。


“随分手薄だ。入ってくださいと言ってるようなものだな”


呼吸が整うと屋敷へと足を運ぶ。

手慣れた手つきで裏口のドアの鍵をピッキングして開けると素早く入り込み、偵察しておいた標的の寝室を目指した。


寝室の扉をそっと開け中に入り込むと、のうのうと大の字になって、いびきをかいて寝ている人物の顔を確認する。何度も確認してあったのだろう、間違いないのを確認すると布を取り出し、口元を塞ぎ首を素早く横に倒す。それと同時に即死させる為に、首の頚椎を黒塗りのダガーを突き刺した。


グッと言う声を上げると暴れることなく事切れる。

再度標的の顔を確認し、ダガーに着いた血をシーツで拭うと何事も無かったように部屋を後にした。


“後は抜け出せば終わりだ”


入ってきた時と同じように屋敷から、そして敷地を抜け出た。




寝泊まりしている宿屋に戻るとフードを脱ぎ去り、無造作にベッドに放り投げると素顔が露わになった。


背丈は160㎝ほどで年齢は18歳ぐらいの少女で、ショートに切り揃えられたブラウンヘアに整った顔立ちをした美人だった。

ただそれを台無しにするニコリともしない無表情で、鋭い目をした見る者に冷たい印象を与える顔立ちをしていた。


武装を丁寧にテーブルに置き揃えると、服を全て脱ぎ捨て裸体となるとベッドに寝転び、手に持ったダガーを枕に入れると眠りについた。





翌日、朝から町は騒がしかった。何者かに領主が暗殺され、兵士達が痕跡すら残されていない誰とも分からない人物を探し出そうと躍起になっていたからだ。


ドンドンドン!


部屋の扉が激しく叩かれた。


「開けろ!」


少女は慌てることなくベッドから立ち上がる。


「今服を着ます。少しお待ちください」


そう少女は言ったのだが、ドアの外にいる人物は聞く耳を持つことはなかった。


「怪しいぞ!ドアを蹴破れ!」


ドカンっという音と同時に部屋のドアが開いた。


「きゃあ!」


少女は身体を折り曲げ裸体を隠すような姿勢をとった。


「む、こ、これは失礼した」


そうは言ったが、ドアを蹴破って入ってきた3人の兵士は、少女の裸体をジロジロと見つめている。


「領主が暗殺された。その捜査に協力して貰う。何か持っていないか確認するから手は頭の上に乗せて立て!」


少女は兵士の指示に従い、裸体のまま手を頭に上げ直立する。


2人の兵士が部屋を物色し、3人の中でも先ほどから命令してくる兵士は、少女の間近に来るとジロジロと見てくる。


「おい!何か隠していない調べるから足を開け!」


少女は抵抗するだけ無駄なのを理解しているのか、大人しく足を開くと兵士は裸体を凝視し、こともあろうか触れてきた。


「あ・・・」


慌てて足を閉じようとするが、手で抑えられてしまう。


「ふむ、隠しているものは無さそうだな。

おい!そっちは何か見つかったか!」


2人の兵士にそう言いながらも、ニヤニヤしながらなおも身体のあちこちを撫で回している。


当然少女の使っている武器や防具は既にテーブルに置いてあるためそれには触れられず、ベッドの枕に隠してあったダガーを見つけ出すと声を上げる。


「枕に武器がありました」


それを聞くとダガーを受け取り、分かりきっているにも関わらず、少女にワザと聞いてくる。


「これは一体何かな?」


兵士は立ち上がると少女にダガーを見せる。


「護身用に置いておいたものです。お願いです。もう調べ終わったのでしたら服を着させてください」


少女はドアに向こうに他の宿泊客が数名見ているのに気がついていたため、その機会を逃さずに懇願してみせた。


「む、うおっほん。よかろう。捜査の協力、感謝する」


兵士も野次馬に気がつき、それだけ言うと名残惜しそうに少女の裸体をもう一度舐めるように見ると2人の兵士を連れて部屋を出て行った。


ドアは蹴破られていたため、部屋の外にいる野次馬達が少女をチラチラ見つつも、蹴破られたドアを立てかけて見えなくした。


少女は下着を身につけ、服を着ると全ての武器を身につけていく。最後に上に羽織るフード付きローブを着ると蹴破られたドアを退けて部屋を出た。


「酷い目にあったね。大丈夫だったかい?」


部屋を出ると宿屋の女将が優しく声をかけてきた。

少女はポロポロと涙を流し、コクコクと何度か頷いた。


「大丈夫、です」


そしてそれだけ言うと宿屋を出た。

宿屋から少し離れると袖口で涙を拭い取ると、まるでなんでもなかったように伸びをしようとした時、背後に近づく者の気配を感じて振り返る。


「うわ!あ、あの大丈夫だった?あいつら酷いよね。捜査とか理由つけて君に、その・・・」


そこには珍しい黒髪に黒目の20歳ぐらいの男がいた。背丈は少女よりもはるかに大きく、180㎝ぐらいはあるだろうか。

いかにも冒険者風な格好をしているが、様になっていない所からなりたてなのだろう。


少女は一瞬考える。自分の後をついてきたこの男にどう返そうかと。


「ありがとうございます。もう大丈夫です・・・」


珍しい黒髪黒目のこの男に何となく興味が勝り、少女は話が続くようにしてみた。


「そっか、よかった・・・あ、えっと、もし迷惑じゃなかったら少し聞きたいことがあるんだけど・・・駄目かな?・・・」


少女は迷った。最初はただのナンパだったかと思い話しかけたことを後悔したが、何やら難しい顔をしていて、悩んだ挙句少女を誘ったように見えたからだった。


「私で答えられる事なら構いませんよ」

「やった!ありがとう!えっと、立ち話もなんだし、どこか食事するところってこの辺あるのかな?」


少女の返事に男は本当に嬉しそうな顔をしたが、同時に信じられない事も言ってきた。

この町に来たばかりなのだろうかとも思ったが、小綺麗な様になっていない装備を見るに、買い揃えたばかりのようにしか見えない。という事はこの町の出身者ではないのだろうか?にも関わらず、土地勘がない。

少女はこの男の素性が気になった。


「この先に食事をする場所があるので、そこに行きましょうか?」

「うん、実はお腹ぺこぺこだったんだ」


少女は愛想笑いをしてみせると、黒目黒髪の男を誘うようにお店へ向かった。



注文を終え料理が届くのを待つ間に黒目黒髪の男が、意を決したように少女に話しかけてきた。


「まだお互い自己紹介してなかったね。僕は鈴木裕斗(すずきゆうと)。信じてもらえないかもしれないけど、異世界に転移してここに来たんだ」



読んでくれてありがとうございます。

人気ありそうなら頑張るかもです。

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