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美しいからこそ運命は残酷なのか

5.美しいからこそ運命は残酷なのか


 夕子は、自分の手を握りしめている雅俊の手を見た。

男性らしい大きな手。

その瞬間、雅俊は手を離して立ち止った。

「ごめん、つい興奮してしまって…」

「いいえ、素敵な手。」

「えっ?」

「幸村さんの手。とても素敵。」

雅俊は自分の手をひっくり返し、手のひらと甲を交互に眺めた。

「そうですか?」

「ええ、父と同じ手をしているわ。」

「お父さんですか?えーと、その…浅井さんの?」

「あら?どうして私の名前を?」

「いや、その…ネームプレート。昼間、本社でお会いした時にネームプレートをしてらっしゃった。」

「ああ!そう言えば自己紹介もまだでしたね。私、浅井夕子。夕方の夕です。」

「ボクは…」

「幸村雅俊さん!」

「どうして?」

「うちの部長がよく幸村さんの話をしていますから、お名前だけは知っていましたよ。お顔を拝見したのは今日が初めてでしたけど。」


 時刻は6時近かったが、蒸し暑く、汗がとめどなく噴出してくる。

雅俊は、どこでもいいから早く冷房の効いた店に入りたかった。

ちょうど、おあつらえむきにビアレストランを見つけた。

そこでいいか夕子に確認して店に入った。

自動ドアが開くと、店の中の冷気が二人を迎えてくれた。

「おお!涼しいな。生き返った気がする。」

店に入ると、制服を着た女性店員が二人を奥のテーブル席に案内してくれた。

店内は、レンガタイルを張った壁に重厚なフローリング、南国ムード漂う観葉植物がいたるところに飾られており、天井には大きなファンがいくつもぶらげられていた。

テーブルは樽を半分に切ったようなデザインになっている。

雅俊は、とりあえず、生ビールを2杯とソーセージの盛り合わせにフライドポテト、ホウレン草とベーコンのサラダを頼んだ。

すぐに男性のウエイターが生ビールとお通しのピーナッツを持ってきた。

雅俊と夕子はジョッキを持ち、軽く合わせた。

「カンパーイ!」

雅俊は一気に半分のビールを飲み干した。

「ウワ―!最高だなあ。」

夕子も1/4ほどを一気に飲んだ。

「冷たくておいしい!」

「浅井さん、ひげが生えてるよ。」

「あら、幸村さんもよ。」

二人は笑いながらおしぼりで口をぬぐった。

 雅俊は、改めて夕子を見た。

昼間見た時とは多少印象が違った。

たぶん、それは今がプライベートだからなのだろうと、雅俊は思った。

歳は、自分とそうはかわらないかもしれない。

「幸村さんが考えていること当てて見せましょうか?」

夕子は、自信ありげな笑みを浮かべて雅俊を見た。

「私がいくつなのか考えていたんじゃないですか?」

「よくわかったなあ。そんなに顔に出ていたかなあ。」

「そうじゃないんですよ。だいたい、いつも男性の方と食事をしたりお酒を飲んだりするときは必ず聞かれるから。若い子ならともかく、私みたいなおばさんに歳なんか聞いても仕方ないのにね。」

「おばさんだなんて、とんでもないですよ。たぶんボクと同じくらいだと思うから、30歳くらいでしょう?だとしたら、女性としてはいちばん魅力的な年齢じゃないですか。」

「まあ、正解!正確には今年31歳になったところだけれど。」

「本当ですか?じゃあ、1970年生まれですか?」

「ええ、4月22日生まれよ。」

「偶然だなあ。ボクも1970年生まれなんですよ。」

「あら、幸村さんのお誕生日はいつかしら。」

「8月8日です。だからボクはまだ30歳です。今のところは浅井さんの方がお姉さんですね。」

「8月8日じゃあ、もうすぐじゃないですか?」

ウエイターが料理を運んできた。

「浅井さん、何は欲しいものがあったら遠慮しないで頼んでくださいね。」

「大丈夫ですよ。幸村さんの方こそ何か欲しいものはないのかしら。」

「ボクは、ビールをもう1杯もらおうか。」

雅俊はウエイターにビールを1杯頼んだ。

「そうじゃなくて、お誕生日のプレゼントに何か欲しいものはないのかお聞きしたんですよ。」

「えっ?ボクにですか?今日初めて会ったばかりなのに?」

「そうね、だけど、とても今日初めて会ったばかりのようには思えないんです。なんだか、ずっと前から知っていたような気がして。」

「実はボクもそうなんですよ。昼間会った時からずっと気になっていたんです。だから、ネームプレートに書いてあった文字を意識して覚えていたんです。」

雅俊は2杯目のビールを口にし、ソーセージをつまんだ。

夕子はサラダをひとくち、ふたくち口にした。

「とりあえず、一つだけいいですか?」

雅俊は、少し考えてから夕子に聞いてみた。

「何かしら?」

「浅井さんって、携帯電話はお持ちですか?」

「はい、持ってますよ。」

夕子はそう言って、バッグから携帯電話を出して見せた。

淡いブルーのシンプルなデザインのものだった。

「番号を教えてもらってもいいですか?」

「お安い御用ですよ。」

夕子は雅俊に番号を告げた。

雅俊は自分の携帯電話に番号を打ち込み、コールボタンを押した。

夕子の電話が鳴った。

着信音はミッキーマウスのテーマだった。

「それがボクの番号です。」


 イチゴのデコレーションケーキには“ヒデちゃんおたんじょうびおめでとう”と書かれたプレートが乗せられ、大きいロウソクが2本と、小さいロウソクが5本立てられていた。

恭子が店の照明を落とし、立花がロウソクに火を付けた。

カラオケから“ハッピバースデートゥーユー”と曲が流れ始めた。

店の女の子全員が歌って祝福した。

曲が終わると、秀彦が一気にロウソクの火をを吹き消した。

みんな一斉に拍手し、恭子は照明の明かりを戻した。

絵理が花束を渡し、ママの陽子がプレゼントが入った紙袋を差し出した。

「ありがとうございます。開けてみてもいいですか?」

「どうぞ!」

秀彦は紙袋から赤いリボンで飾られた箱を取り出し、包み紙を丁寧に開いた。

白いポロシャツだった。

タツノオトシゴのワンポイントが入っていた。

「“FUKUZO”か!もしかして、これって…」

「そうよ、私とお揃いね!感謝しなさい。欲しかったんでしょう?」

「なんだかんだ言ったって、絵理も俺のこと気にしてくれているんだな。」

「仕方ないでしょう?同級生で腐れ縁なんだから。だけど勘違いしないでね!それだけなんだから。」

「ああ、分ってるって!3高でなきゃダメなんだろう。だけど、今時そんなことにこだわってるヤツなんてまだいたんだな。」

「余計なお世話です。悔しかったら、あなたもそういう人になってみなさい。」

「俺だって、あと5年もすれば、出世して…って、何で、俺が絵理の理想にならなきゃいけないんだ?」

「まあ、いいじゃないか。なんだかんだ言ってもお前たちけっこうお似合いだぞ。」

宮田が言うと、ママの陽子も二人をからかった。

「あなた達も幸村さんたちみたいに結婚しちゃったらどう?」

「冗談はよしてください。」

「冗談はやめてください。」

秀彦と絵理は同時に叫んで、そのことに驚いて、お互いに顔を見合わせた。

「やっぱり、二人は気が合うみたいね。」

香織が言うと、みんなは声をあげて大笑いした。

しかし、みゆきだけはなんだかおもしろくなさそうにしていた。


 陽子が店の時計の針が8時を指していた。

「さあ、そろそろお開きにしましょうか?」

ママの陽子が切り出した。

「そうね。みんな明日からまたお仕事ですものね。」

恭子も同意して、ほかのみんなを促した。

「女の子たちはここで着替えて帰るけど、みんなはどうする?宮田さんと立花さんは、私が送っていくわね。」

ママの陽子が言った。

「俺らはまた、ジャージ着て帰りますから。」

杉浦たちはそう言って、ジャージを着始めた。

「俺は百合子を呼ぶよ。」

「マジっすか?じゃあ、俺、幸村さんの奥さんを一目拝ませてもらっていいっすか?」

「ああ、構わないけど、がっかりするかもよ。」

「そんなことはないわよ。とても素敵な人よ。」

「香織ちゃんのお墨付きなら間違いないや。」

「じゃあ、絵理ちゃんとヒデは俺が送っていくよ。香織ちゃんも。」

「本当?助かるわ。さすが、幸村さんね。どっかの誰かさんとは大違いだわ。」

「お前、いちいち人の気を逆立てるようなこことを…」

雅俊は百合子に事情を話し、迎えに来てくれるように電話で伝えた。

百合子は快く引き受け、すぐに車を出すと言ってくれた。


 百合子はすぐにやってきた。

車の窓から顔を出して陽子に挨拶をした。

「ママ、お久しぶりです。」

「ユリちゃんも幸せそうね。じゃあ、私は宮田さんたちを送って行くから。」

宮田と立花は、百合子に会釈をして、雅俊の肩をポンと叩いて、「じゃあな。」そう言って店を出た。

恭子とみゆきも着替えて出てきた。

二人は、駅前でラーメンを食べて帰ると言って、店を出た。

杉浦たち独身トリオも合流することにして一緒に歩いていった。

絵理と香織も着替えて出てきた。

秀彦は、既に、車の中にいた。

香織は店のドアに鍵をかけ、シャッターを下ろした。

雅俊が、この格好で助手席は目立つからと言って、香織が助手席に乗った。

秀彦は、ワンボックスカーの一番後ろの座席で楓と喋っていた。

雅俊は二列目の座席に絵理と一緒に座った。

「はじめまして絵理です。」

「いつもうちのがお世話になってます。」

百合子はミラー越しに絵理を見て微笑んだ。

「若い子はいいわね。」

絵理は謙遜して百合子に返した。

「奥さんも素敵ですよ。」

「ありがとう。じゃあ、行くわよ。」

百合子は先に、絵理と秀彦を送ることにした。

秀彦は絵理に制服を返さなければならないので、絵理のマンションの前で、絵理と一緒に降りた。

香織は借りた衣装を返すために幸村家に寄ることにした。

雅俊たちが家に戻ったのは、9時少し前だった。

雅俊はドレスを脱ぐと、そのまま娘の楓と一緒に風呂に入った。

百合子は香織をダイニングに通し、コーヒーを入れた。

「今日は本当にお疲れ様。」

「いいえ、私の方こそありがとうございました。」

百合子はコーヒーを持って、香織の向い側の席に着いた。

「香織ちゃんいくつになる?」

「28です。」

「そう?ところで、いい人はいるの?」

「いいえ、今はお店の仕事が楽しいし、お客さんもみんないい人ばかりで、特定の人とお付き合いするのはなんだか気が引けるんですよね。」

「私は24で幸村と一緒になって、26で楓を生んだのよ。当時はちょっと早いかなとも思ったけれど、今は良かったと思っているわ。香織ちゃんもそろそろ考えた方がいいわよ。」

「そうですか?でも、私なんか真剣に相手してくれる人いるかしら?」

そう言って香織はコーヒーをすすった。

百合子はしばらくの間、自分の手の指先を無言まま見つめていた。

浴室の方からは、楓のはしゃぐ声が聞こえる。

「楓ちゃんはお父さん大好きですよね。」

百合子にはそう言った香織の声は耳に入っていないようだった。

何か、深刻そうな表情でうつむいている。

香織が心配そうに百合子の名を呼ぶと、百合子は何か吹っ切れたようなさわやかな笑顔で香織に告げた。

「ねえ、香織ちゃん?私、いい人を紹介してあげるからその人とお付き合いしなさいな。」

さっきまでとは打って変わった顔で、そんなことを言い出した百合子に疑いのまなざしを向ける香織に、百合子はかまわず話を続けた。

「とてもいい人よ。きっとあなたにピッタリだと思うわ。あなたのことを幸せにしてあげられるのは、彼しかいないわ。そして、彼を幸せにしてあげられるのも、あなたしかいないわ。」

香織は話を聞いているふりをして百合子を観察した。

さほどいつもと変わった様子は見受けられなかった。

さっきの思いつめたような表情は気のせいだったのだろうか?ならばいいのだが…

香織はなんだか得体のしれない胸騒ぎを覚えた。

「ねえ、聞いてる?」

百合子の声に香織はふと我に返った。

「えっ?ああ、ごめんなさい。ちょっと疲れてるんで。」

「そうね、また今度お話しするわね。きっとお似合いのカップルになるわ。」

百合子は満足したような表情を浮かべ、雅俊たちの着替えを持って浴室の方へ行った。

雅俊は風呂からあがると、冷蔵庫からビールを出して栓を抜こうとしたが、百合子はそれを制止した。

「飲む前に香織ちゃんを送ってあげてちょうだい。」

「えーっ?」

雅俊は風呂上がりの1杯を楽しみにしていたので反論した。

「店でさんざん飲んでるんだから、1杯くらい構わないだろう?」

香織は、一人で帰るから送る必要はないと言ったが、百合子はそんな香織を穏やかに見つめて雅俊から栓抜きを取り上げた。

「いいえ、お店ではほとんど飲んでいないでしょう?何年あなたのホステスをやっていると思っているの?」

「ちぇっ、みんなお見通しか!そりゃあ、あんなドレスを着ていたら、気になって気になって酒どころじゃなかったよ。」

雅俊は、車のキーを手に取ると、玄関に向かった。

「私も行きたい。」

楓がせがんだが、雅俊は学校があるから早く寝るように言った。

すると、百合子と楓は声を揃えて、雅俊に反論した。

「ブー!もう夏休みです。」

香織は、思わず吹き出してしまいながらももうそんな季節なんだと思った。

百合子は、今日は大目に見て一緒に連れて行ってあげてと雅俊に頼んだ。

「仕方ない。まあ、帰り一人じゃつまらないから連れて行ってやるか!」

雅俊は二人を乗せて車を出した。

楓は香織と一緒に二列目の座席に乗っていた。

香織のアパートに着いたとき、帰りの話相手は眠ってしまっていた。

雅俊は、そのまま座席に横してバスタオルをかけた。

香織は雅俊に手を振ってアパートの階段を上がって行った。

香織の部屋に明かりがついたのを見届けて雅俊は車を出した。

すぐに香織からメールが入った。

〜ありがとう!ユリさんによろしく伝えてください。おやすみなさい。〜

 雅俊が二人を連れて家を出ると、そこには百合子だけが残された。

百合子はバッグから1枚の名刺を取り出した。

“聖都大学付属病院 今泉潤之助”と書かれていた。


 三日後、埼玉の雅俊の実家から、両親が遊びにやってきた。

二泊してから、金曜日の朝には楓を連れて埼玉に帰ることになった。

楓は、小さいころから一人で雅俊の実家によく泊っていたので、夏休みに泊まりに行くのは恒例になっていた。

日曜日に雅俊が迎えに行くことになった。

 金曜日、百合子は雅俊の両親と楓を駅で見送ると、そのまま向かい側のホームに回り、反対方向へ行く電車に乗った。

 ひと月程前だった。

体調に異変を感じた百合子は、楓のかかりつけの病院で診察を受けた。

医師は、神妙な顔で、大きな病院で検査してもらった方がいいと聖都大学付属病院を紹介してくれた。

雅俊には、父親の具合が悪くなったから二〜三日実家に帰るとうそをついて、三日ほどこっそり検査入院をした。

その結果を今日は聞きに来たのだ。

 最初にここを紹介された時点で、百合子はただ事ではないと覚悟していた。

しかし、いざ検査が終わって日常に戻ると、万が一のことなど考える余裕はなかったし、考えたくもなかった。

検査結果はとっくに出ていた。

医師の今泉からは、詳しく話したいからと何度も病院に来るよう電話があった。

でも、病院を訪ねる勇気がなかった。

結果を聞けば、意外となんでもないかもしれない。

昼間、家に一人でいる時は悪い方にしか考えることが出来なかった。

楓が夏休みに入ると、いくらか気がまぎれるようになった。

もし、自分に何かあったら、いちばんに気がかりは楓であり雅俊のことだった。

自分の両親も年老いて病気がちだ。

幸い、雅俊の両親は二人とも健康で元気にしているので、しばらくは二人の面倒を見てくれるかもしれない。

いずれにしても、今、雅俊は仕事でも大事な時期だ。

もし自分に万が一のことがあれば、雅俊のことだ、仕事よりも家族を選ぶに違いない。

 百合子は神妙な面持ちで、今泉の部屋を訪れた。

「今日はご主人は?おひとりでいらっしゃったのですか?」

「主人にはまだ話していないんです。」

「そうですか…まあ、かけてください。」

今泉は、百合子にリラックスするように促し、数枚のX線写真を照らした。

「若いということは素晴らしい。強い生命力に満ち溢れている。しかし、時としてその若さがアダになることもある。この写真は一か月前のものですが、既にかなり転移が進んでいます。」

百合子は落ち着いて今泉の話を聞いた。

自分でも、こんなに落ち付いていられるのが不思議なほどだった。

今泉はさらに話を続けた。

「この時点で最善を尽くしていれば、どうこうというレベルではありませんでした。」

今泉はため息をついて百合子を見た。

「あなたのように若くてきれいな人が…運命とは何て残酷な…」

「先生、お医者様でもそんな風にお世辞を言うんですね。」

百合子は笑みさえ浮かべて今泉を見た。

「あとどれくらい私は私でいられますか?」

「今すぐ入院すれば1年。その代わり、苦しい治療に耐えなければなりません。私は一人の男として、あなたのようなきれいな女性が苦しむ姿を見たくはないです。しかし、治療を受けなければ、あと…あと一か月…夏が終わる前にはもうたぶん…」

「充分だわ。それだけあれば何とか間に合う…」

百合子は今泉に礼を言うと、立ち上がった。

「ボクは医者としては失格かもしれません。だけど、あなたには今の美しいあなたのままでいてほしい。何かあったらすぐに連絡をください。できれば、あまり疲れが残るようなことはしない方がいい。」

今泉は名刺の裏に、携帯電話の電話番号からメールアドレス、自宅の電話番号まで自分に通じるあらゆる情報を書いて百合子に渡した。

「まあ、先生は私をナンパしようとしているのかしら?」

「そうですね。出来れば、あなたの残りの時間はすべてボクのものにしたいと思っていますよ。」

百合子は明るく微笑んで部屋を出た。

部屋を出たとたんに、目頭が熱くなり、涙があふれ出した。

百合子は走って病院を出ると、タクシーに駆け込んだ。


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