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朱き帝國  作者: reden
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第50話 突入

1941年9月17日

モラヴィア王国 王都キュリロス 東部城壁




 

 モラヴィア王都キュリロス。

 その東側城壁を守備していたのは、叛乱軍側に寝返った王都守備軍の大隊に軽武装の衛視隊を加えた2000名程度の混成部隊だった。

 小規模の砦や城塞都市の警備ならば問題のない兵数と言えるが、人口90万、城壁の直径70平方kmに達する大都市の側面防御を担うには到底足りぬ。

 もとより、叛乱軍が城壁を占拠した目的は、王都全域に張り巡らされた結界とともに王国政府と外部の通信・伝令を物理的に遮断するためであり、それ以上のものではなかった。

 モラヴィア魔道軍の主力は対ソ国境付近に張り付けられており、王都近辺に残された僅かな予備戦力を決起部隊によって撃破してしまえば、叛乱軍側にとって目的の妨げとなるような障害はなくなる。

 言ってみれば、王都の内側に向けて監視の目を光らせるのが目的であり、王都の外から―――しかも空挺降下によって、万単位の大軍が目と鼻の先に突如送り込まれてくるなど想像の埒外であった。

 只でさえ数の少ない兵力は、王都からの脱出を図る講和派を警戒して小部隊ごとに城壁上の望楼へと散っており、敵機襲来を受けて彼らが防御施設へと配置に着く前に、ソ連側の攻撃が始まってしまった。

 

 ソ連赤軍のうち、真っ先に戦闘を開始したのは都市外に降り立った主力ではなく、城址内へ降下した中隊規模の先遣部隊だった。

 防禦結界が展開される暇もなく、城門の内側に降下した落下傘兵によって迫撃砲が門扉へ、衛視隊屯所へと撃ち込まれ、たちまちのうちに城門周辺は混戦状態となる。

 城門の内側に降下したソ連兵は少数であり、兵数的にはモラヴィア側が勝っていたが、その半ばは剣や槍で武装しただけの衛視隊であり、しかも広域に分散していた。

 慌てて駆けつけてきた少数の魔術師たちが火炎弾、魔力弾で応戦し、数人を吹き飛ばしたが、たちまち短機関銃の掃射を受けて薙ぎ倒されてしまった。


「ええい、狼狽えるな!侵入した敵は寡兵だ、四方から押し包んで塵殺せよ!」


 叛乱軍指揮官の怒声に近い命令が飛び、守備兵たちは数の優位を頼みに四方から侵入者たちを取り囲むように動くと、槍の穂先をそろえて一斉に突きかかり、城壁の上からは配置についた弓箭兵の矢が降り注ぐ。

 不意を打たれたとはいえ、見通しの良い城壁上に陣取った弓兵たちからは地上の落下傘兵を好きなように狙い撃ちにできるうえ、準備さえ整えば防御塔の魔道槍をはじめとした対軍用の魔道兵器による援護も期待できる。

 たちまち数人が矢衾に射抜かれて地に倒れる。

 一方の赤軍も負けておらず、地上からの応射を加える一方で、事前情報をもとに城門の防御施設を制圧すべく一斉に動き出した。

 使用する武器の威力において、ソ連兵のそれは守備軍を圧倒しており、寡兵にもかかわらず優位に戦闘を進めていくが、モラヴィア側もただやられているばかりではない。

 城門の防御施設という強固な【トーチカ】を有し、弓兵にしても見晴らしの良い城壁上から矢を撃ち下せば脅威となる。

 ましてや、赤軍将兵が身に着けている軍服は、防御力という点でこの世界の甲冑より遥かに劣るのだ。

 自軍に数倍する損害を敵に与えながらも城門上からの矢衾と魔術師による攻撃でだんだんと討ち減らされていく赤軍だったが、それも迫撃砲の榴弾によって門扉が破壊されたことで形勢逆転した。

 十分な数の結界魔術師を配し、結界防御が万全に行われていたならば重砲の破甲榴弾すら防いでのけるモラヴィア式城塞も、肝心の結界がなくては本来の防御力を発揮することはできない。

 防禦結界の展開も成されていなかった門扉は完全に破壊され、そこから城外の空挺軍主力が雪崩れ込むと、形勢は一気にソ連側に傾いた。

 破られた城門から城址へと乱入したソ連空挺部隊は、小隊ごとに素早く分かれると、この世界の歩兵の基準からすれば異常というしかない手際の良さで次々と防御施設を無力化していく。




 

 このとき、城門周辺の守備隊を城壁上から指揮していたのは王都守備軍に所属するマリオン・グライフス准男爵という魔道兵少佐だったが、突然現れた敵によって瞬く間に自分の部下たちが駆逐されていく光景に顔面蒼白となっていた。


 ―――――なんだ、これは。


 空から地上に降り立つや、忽ちのうちに小部隊ごとの集結を済ませ、まるで何処に何があるかを把握しているかのような手際の良さで守備隊の屯所を叩いていく異界軍。

 こちらが城壁上から矢を射かけようとすれば、素早く遮蔽物に身を隠し、場合によっては―――俄かに信じ難いが、地面を這いながら進んでいく。それも集団ごとの統制を崩さずにだ!

 この世界の歩兵が一般的に取るであろう横隊陣形とはまるで違う。

 秩序だった隊列も、指揮官の喇叭ラッパや号令による統制もないそれは、戦の知識を持たぬものが見れば一見して無秩序にさえ見えるかもしれない。

 だが、仮にも王都守備軍の魔道兵―――つまりは常備軍有数の精鋭であるグライフス准男爵には、それが恐ろしいまでに統制された戦術行動であることが直観的に理解できた。

 事実、敵の降下地点付近からバラバラに駆けつけようとした衛視隊の兵は、まともな損害を敵に与えることもできずに次々と異界軍の鉄礫によって撃ち倒され、いまやその敵は城門近辺にまで進出しつつあった。


「馬鹿な……これが只の歩兵の戦い方か!?いったい異界人は―――」


 異界軍のそら恐ろしいまでの練度を前に、愕然と呻くグライフス。

 その胸中に、得体のしれないモノに対する恐怖の感情が急速に広がっていく。

 これほどの統制がとれた戦術行動。

 同じことをモラヴィア魔道軍の歩兵が行おうとして、果たして出来るだろうか?

 理屈の上では、できるだろう。

 数人単位の小班にまで魔道兵を配し、そのうえで上位部隊が各小部隊を統制できるだけの強力な指揮通信機能を持てば――――馬鹿馬鹿しい。

 そんな無茶苦茶な編成をやろうと思えば、どれほど金と魔術師があっても足りるものではない。

 小部隊を有機的に機動させ、上位部隊が魔力波通信によって統制する。

 陣形に頼ることなく幅広い戦術を可能とするその発想自体は、この世界にもないわけではない。

 しかしそれは、実験的な試みの域を脱するものではない。

 いま、異界軍がやっているような戦術をこの世界で実現しようと思えば、通信手段である魔力波通信技術を有した魔術師を歩兵隊に大量配備し、そのうえで兵自体も十分な訓練を受けた精鋭で固めなくてはならない。

 それらのうち後者を実現するだけでも膨大な資金が必要となるであろうし、ましてや貴重な魔術師を、大量消耗を覚悟しなくてはならない歩兵部隊に多数配備するなどできるわけもない。

 魔法王国と呼ばれるモラヴィアであっても、それは同じことだ。

 

「くっ、弓箭兵は城門に近づく侵入者を狙い撃て!防御塔は結界を魔力遮断から物質遮断に切り替えろ。通信は決起軍本営に増援の要請を――!」


 陣頭に立って声を張り上げるモラヴィア貴族将校。

 さらに言葉を続けようとしたところで、足元を揺るがす轟音が轟き、グライフスは体勢を崩して前につんのめった。

 壁に手をついてどうにか転倒を免れた准男爵の目に映ったのは、魔道槍の直撃でも食らったように、無残に吹き飛ばされた城門の門扉だった。


(ま、ずい…!)

 

 崩れた体勢から身を起こし、旗下の守備兵たちに迎撃を命じようと口を開きかけるグライフス。

 しかし、その言葉が口をついて出ることはなかった。

 胸に何かが当たる衝撃。

 視線を落とせば、自身の軍衣――その胸元に赤い点が穿たれていた。

 傍らで控えている自らの従卒。その、まだ少年と言ってよい年頃の顔には信じられないといった表情が浮かんでいた。

 何かを言おうとして、言葉が出ない。

 代わりに喉を突いて出てきたのはごぽり、というくぐもった音と、大量の鮮血だった。

 四肢の力が抜け、地に崩れる准男爵が最後に目にしたのは、手にした異様な武器で駆けつけてくる守備兵たちを殺戮しつつ城址内へと雪崩れ込んでいく異界軍の姿だった。










 ■ ■ ■










 同刻

 王都キュリロス 国防庁舎




「莫迦な」


 口をついて出た第一声は、呻きにも似たそれだった。

 王立魔道院議長として、魔法王国モラヴィアの頭脳たる高位魔導師たちを束ねる大魔術師―――ヴェンツェル・エッカート子爵は愕然とした面持ちで、その報告を受け止めた。


「す、既に異界軍の一部は城市内への降下侵入を果たし、外門は内と外より挟撃されつつあります」


「―――――!!」


 叛乱軍将校の報告。その極めつけの凶報を前に、ヴェンツェルは眩暈すら覚えながらも司令部の机に広げられた王都全域の地図に視線を落とした。

 王都の外縁をぐるりと囲む長大な城壁。ヴェンツェル達の決起と共に、彼らに内応した王都守備軍の決起部隊によって奪取された城門周辺が、突如出現した異界の軍勢によって瞬く間に攻めとられようとしている。


「何故だ?」


 なぜ異界軍がここにいる?どうして?―――どうして!?

 空中から続々と降り立つ異界の軍勢。

 その様相は市街の中心部に近い国防庁舎からも見て取ることができた。

 異界軍は既に、クラナ大河以西に広大な縦深を確保しつつあり、すでに本国中央領の都市がいくつも失陥の憂き目にあっている。

 だが、一時的な停戦状態にある現在の勢力境界は王都より700kmは離れており、そこから歩兵を空中輸送によって送り込んでくるなど全く想像の埒外というしかない。

 いくら勢力を減じたとはいえ、道中には飛竜騎士隊による防空戦力が配備されていたはずだし、前線で異界軍と対峙する魔道軍主力があんなものを見落としたとは思えない。

 そこまで思考が進んだところで、ヴェンツェルは悟った。


 ――――つまりは、異界軍の侵犯を故意に見逃したということではないか?


(……内通!)


 その考えが閃くや、凄まじい怒りの衝動がヴェンツェルの心中を貫いた。


「おのれ売国奴ども!!異界人を王都に招き入れおったな!!」


 異界人との講和そのものですらモラヴィアの誇りを汚す行為であるというのに、よりにもよって自国の内紛に際して異界人相手に助勢を求めるなど到底許されるものではない。

 激昂し、椅子を蹴って立ち上がったヴェンツェルはひとしきり講和派への罵声と呪いの言葉を吐き散らすと、叛乱軍の指揮官たちを睨み付けて命じた。


「宮城の攻略部隊からキメラ隊を引き抜いて異界軍にあてよ。かなうならば宮城は無傷で手に入れたかったが……やむを得ぬ。攻城用の魔道槍を使用して売国奴どもを焼き払え!」


 ヴェンツェルの命令に、指揮官たちは顔色を変えた。


「危険すぎる!王城に対して魔道兵器を撃ち込むなど…下手をすれば陛下の御身にも危険が及ぶぞ」


 守るべき王家にまで危害を及ぼしかねない命令に、強硬派の将校たちも拒絶反応をしめすが、ヴェンツェルは取り合わなかった。


「このまま我らが敗れれば、王国の未来そのものが閉ざされるのだ。もはや、手段を選んでいられる状況ではない」

 

 【継戦】という共通の目的を掲げる叛乱軍だったが、その集団を構成する魔道院と軍部主戦派のあいだには、微妙な温度差が存在した。

 軍部にとって、何をおいてもまず守るべきは国王であり、王家であった。

 対ソ講和派に対して軍部主戦派が反対する最大の要因は、どういう形であれ、追い詰められた戦況での講和は、国王がスケープゴートとして異界人に首を差し出さねば事が収まらぬためであった。

 各属州や地方に地盤を有する地方軍の将兵と異なり、常備軍である魔道軍の中堅将校たちは、その大半が王家の禄を食む魔術師―――ネウストリアなどでいう騎士階級の者たちだ。

 とりわけ、国王の膝元を守護する王都守備軍は王家への忠誠心が高いことで知られており、今回の叛乱もそこからくる講和派に対しての若手将校たちの反発心を魔道院に利用された部分が大きい。 

 

 一方で、魔道院にとって守らねばならないのは、何者にも干渉されない自立した魔法王国としてのモラヴィアの存続だった。

 そこには、異界人という己の手で召喚した所有物に対して、上位者である己が膝を屈してなるものかというプライドも多分に関わってくるし、保身の問題もある。

 今次戦役の発端となった異界召喚―――すなわち救世計画は、魔道院議長であるヴェンツェルによって立案され、魔道院が全面的に主導した計画なのだ。

 仮にソ連優位の講和が成ったとき、一切合財の罪を背負わされるのが自分たちであろうことを、魔道院導師たちは自覚していた。

 王国最高の頭脳集団、そして政策集団として縦横に権勢をふるってきた高位魔導師達にとって、それは二重の意味で屈辱だった。

 自らの召喚した奴隷を前に跪き、あまつさえ、これまで自らの叡智によって導いてきた祖国から罪の象徴として糾弾され、切り捨てられる。

 どちらも耐えられるものではなかった。

 魔道院の高位導師たちにとって、この戦争は完全な勝利か、最悪の場合でも対等の講和によって終えなければ意味がない。

 自分たちの手で導いてきた魔法王国モラヴィア。

 その存続こそが魔道院の命題であり、国王の生命は守られるべきものではあるものの、究極的な目標を前にしては切り捨てもやむを得ないと考えていた。


(万一…不測の事態がおき、陛下が身罷られるようなことがあれば……そのときはクリストフ殿下に立っていただくよりあるまい)


 これまで魔道院を長らく重用し、多くの支援を与えてくれたマティアス王は魔道院にとっても得難い君主ではあったが、こと此処に至っては切り捨てもやむを得ないとヴェンツェルは考えた。

 畏れ多くも国王の生命を天秤にかけるなど、臣下として不敬極まりないことは理解していたが、その罪はこの戦いを終えたのちに購うよりない。

 先年、病によって落命したデトレフ王太子の忘れ形見、王孫クリストフは未だ4歳。

 政務など執り行えるような歳ではないが、そこは魔道院が後ろ盾となって支えてやれば良い。

 いま何よりも優先すべきは、売国奴から王家を奪還し、そのうえで異界人を王都より叩き出すことだった。

 ゆえに、ヴェンツェルは叛乱軍将校たちに重ねて命じた。


「陛下の身にもしものことがあれば、その時にはクリストフ殿下に立っていただく。今は何より、異界軍撃退を優先すべきなのだ」


「なっ―――」


 ヴェンツェルの言葉に絶句したのもつかの間。

 叛乱軍将校たちはたちまち殺気立ってヴェンツェルを睨み付けた。

 王家を至上と考える叛乱将校たちにとって、国王を代えの利く道具のように評し、切り捨てようとするヴェンツェルの物言いは失言で済ませられるものではない。


「貴様、陛下のお命を何と心得るか!」


 ある者は佩剣の柄に手をかけ、ある者は短杖ワンドを握り、殺気立つ将校たちとヴェンツェルはしばしの間睨み合った。

 室内を張りつめた空気が満ちる。

 ややあって、最初に視線を逸らしたのはヴェンツェルだった。


「……まぁ、よい。ようは現状の戦力で異界軍を撃退できれば問題ないのだからな」


 こちらの案を蹴る以上、当然できるのだろうな?と言外に問うヴェンツェルに、叛乱軍将校は胸を聳やかして答えた。


「当然だ。王家の藩屏として任を果たすまでのことよ」


 しばらくの間、大言を吐いた将校をじっと見つめていたヴェンツェルは、ややあって嘆息とともに首肯した。


「ならば、やってみるがいい」


 その一言を切欠に、ピリピリと張りつめていた空気が少しばかり弛緩した。

 魔道院の導師たちが無表情に見守る中。

 ヴェンツェルは好きにしろとでも言うように、大げさに肩を竦めた。

 それを見た将校たちは己の杖や剣から手を放し、臨戦態勢を解くと、小さく鼻を鳴らして踵を返す。

 そのまま部屋を後にしようとする将校たちの背に、ふと、声がかかった。


「この部屋を出たら、な」


 感情の籠らない呟きと、閃光が奔ったのは同時だった

 音ひとつ立てることなく、一条の光の線が部屋を退室しようとする将校たちの胴を横一線に薙いだ。


「――――――ぁ?」


 間の抜けた、呟きとさえ言えないような声が、一人の将校の口から零れる。

 自分たちの身に何が起きたのかすら認識できぬまま。


 ずるり。


 将校たちの上半身と下半身がずれる。

 呆気にとられたような表情のまま、将校の一人は瞳をしばたたかせた。


 直後。


 断ち切られた上半身と下半身。

 そこから溢れ出る臓物と血液が生々しい音とともに床に撒き散らされ、叛乱軍将校たちは【ただ一人を除いて】全員が物言わぬ肉塊となって大臣公室の床に散乱した。


「………」


 ただ一人生き残った将校。

 その男は暫くの間思考停止したかのように凍り付いていたが、起こった事態を脳が認識するとともに、徐々にその顔色を土気色に染めていく。


「貴官らに、勝手に動かれては困るのだ」


 何事もなかったように、ヴェンツェルは硬直している将校の背に語りかける。


「我らの志に賛同し、ここまで付いてきてくれたことには礼を言おう。だが、まだ君らに抜けられては困る」


 そういうと、ヴェンツェルは部屋の隅に控える導師の一人に目配せした。

 その導師―――従属魔術の最高導師である老魔術師マンフレート・シャイベは、好々爺然とした笑みを表情に張り付かせて固まる将校に歩み寄り、その瞳を見つめた。

 違えようもない恐怖の表情を浮かべながらも、身じろぎ一つできない将校を前に、シャイベは優しく将校の肩を叩くと、その眼前に己の長杖スタッフを翳した。


「心配せずとも、痛みなどはない…すぐに終わる。おわったら、部屋を出て行動に移りたまえ。君の思うように、な」


 俗人を諭す隠者のように穏やかな面持ちで、老魔導師シャイベは将校に語りかけた。


「こ、の…狂人どもめ…!」


 絶望に精神を飲まれつつ、叛乱軍将校はその呪詛を最期に意識を断絶させた。







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