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手紙

作者: 未光
掲載日:2026/04/13

手紙を書こう。貴方に向けて。

ペンと紙を用意して、もう準備は万端だ。だけども、ペンは進まない。スタートと言われなくても進んで良いけれども進まない。手元のペン。

沢山貴方に伝えたいことがあるのに……。

貴方へと書いた。一度走ると案外止まらないもので。続いて、大好きと書いた。愛してると書いた。やっぱり……。大嫌いと書き直した。続いて貴方への愚痴を沢山沢山書き始めた。当初の予定とは違うがもう立ち止まらない。立ち止まれない。

沢山沢山沢山沢山書いたよ。貴方への愚痴。でもね、まだ書き足りないの貴方への愚痴は。でも、それなのにね。貴方の事が恋しくて堪らないの。

「……ねぇ、どうしてかな?」

その声は途切れ途切れで上手く聞き取るのが難しい。

ペンをまた走らせた。

貴方の事こんなに嫌いなのに、なんか今だに愛しちゃってるんだけど。どうしてくれんだよ、バーカ。

手紙を持って、貴方の元に向かった。貴方に送る事は出来ないから、せめて読み聞かせてやろうと思って。スマホを片手に歩いた。

手紙だけだと寂しいと思って花束を買った。

「……久しぶり……元気にしてた?」

返事は返ってこなかった。だから私は乱暴に花束の包み紙を割いて渡した。包み紙はクチャクチャにしてポッケにしまった。

「あんたに手紙を書いて来たんだよ」

不機嫌に言った。

貴方は何も変わらず無言のまま聞いてくれる。

「貴方へ

私は、貴方が大っ嫌いです。

私との約束は守らないし、

家事はやってくれないし、

やってくれても下手くそで、

私が話してても”うんうん”って言うだけで私の話をまともに聞いてくれないし、

それなのに自分の話は聞いてって理不尽な事言うし、

遅刻ばっかして来て、

いつも私を待たせてるし、

それにそれに……

私より先に行っちゃったし……

私の事残してくし、

いっぱいいっぱいまだまだ沢山貴方の嫌いな所があるのに……

貴方が居なくて、

寂しくて、

恋しくて、

もっと一緒に居たい」

一息つき、大きく息を吸った。

「貴方の事こんなに嫌いなのに、なんか今だに愛しちゃってるんだけど。どうしてくれんだよ、バーカ。」

ヤケクソ気味に言ってやった。

手紙の文字が滲んでいた。

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