悲しみの幸せ
べつになにも
推し活動をしているわけではない
べつになにも
早逝への憧憬をしているわけでもない
不可思議wonder boyって
ラッパーが
かつて居て
いまはもう
居ないというはなし
べつに
だれだって
一生に一度くらい
すっぱらしい歌を
歌えたりするよねぇ
それは、ね
だれってことなく
みんな、
そうだね
でもね、
それ以上の歌を
不可思議wonder boyって
ヤツが歌ってて、さ
『Pellicule』
って歌を
その詩を
聴いて、さ
ああ、正直に云うよ
かつて
べっつにだれの迷惑を想ったわけでもなく
もう、
ただ
もう、
詩を書くのを
ちょっと、心地よくないから
やめようかと想ったことがあって
そのとき
ウッソみたいに
不可思議wonder boyって
ヤツの
『Pellicule』
を
聴いて、
さ。
なんていうかな
中学一年のとき
生まれて初めて
詩を書きたい、と、想った
そのままの
新しくも懐かしい気持ちに
攫っていってもらえた
あのとき
攫ってくれたのも
早逝の天才の
詩
だったけど
生き延びたわたしは
ただ
そのひとたちに
祈りにも似た最後の感謝を
届けたいと想う
そして
そのとき流れる永遠の風が
少し寂しげにみえるのは
少し幸せに悲しみを感じてしまっているから
なぁんてことに、
してさ




