騎士団長の初恋ー前半
(アシュリー目線なのでレイ以外はみんな性別通りの話し方です。)
俺はアシュリー・ベル。第2騎士団の団長を務めている。この北の国境の砦に団長として来るのは初めてだ。
数日前に到着して、荷物の搬入も無事に終わり、やっと落ち着いて演習ができると思った矢先に、突然異国人が現れたという報告を受けた。
隣国のスパイかもしれないが、気を失っているので、他に怪我がないか念の為医務室に連れて行ったとのこと。
副団長のアランがいるので、きちんと処理してくれるだろう。
アランはとても優秀な男だが、姉4人に育てられたせいか、誰にでも丁寧な敬語を使うため、上司から無骨な騎士団員を束ねる、団長には向かないのではと言われている。第2騎士団はフィル&ビルの双子を筆頭に口の悪い奴だらけだ、敬語が悪いわけではないが、臨機応変に使い分けれるようにここで少しは揉まれて欲しい。
そんな事を考えていると、そのアランが足早にやってきた。
「何か問題があったか?」
「団長、先ほど医務室に運んだ者ですが、今目を覚ましまして、流暢なサザランド語を話したのですが、記憶がないのかやや不自然な話し方をします。言葉と顔つきが合ってないと言いますか?うまく説明できないのですが。一緒に医務室まで来ていただいてもよろしいでしょうか?」
医務室に着くと、フィルとビルが大騒ぎをしている。
あいつらが男に対してあんなにちょっかい出すのは珍しい。
「こら、静かにしろ!怪我人の前だぞ」と中に入ると、黒髪の華奢な男がベットにいた。いや。。男なのか?
入って来た俺を見た瞬間、安心したように笑った顔を見てついドキッとしてしまった。
彼の名前はレイというらしい、そして聞いたことがない異国の国の名前を言った。
やはりスパイかと思い、話を進めようとするとアンナが入ってきた。
アンナはアランの嫁で、アランと離れるのが嫌だと王宮の医師としてのポジションを蹴ってまでここにやってきた。口は男っぽいが心底アランに惚れていて、見ていてとても羨ましい。
親に結婚しろと顔を合わせる度に言われるが、俺は見合いではなく、本当に好きな人と結婚したい。思ったよりロマンチストだったみたいだ。女性は俺の顔に釣られて寄って来るが、自分から好きになった人は今までいない。
アンナはフィル達を追い出したが、俺はもう少しこの人と話さないと行けない気がする。彼はスパイには見えなかったが、確かにアランの言っていた意味がわかった。言葉は男の子っぽいのに、仕草が女性っぽいのだ。
アンナも同じような話し方をするが、動きも男っぽいのであまり違和感がない。
俺がここにアンナの護衛としてここに残ると言った時も、
「わかったよ、僕の素性がわからないと心配だろうし、でもな同性だろうと、医者以外に、それもほとんど知らない野郎に見られるのは気持ち悪いから、カーテンの向こう側にいてくれないか?」
確かにそれは嫌かもなと了承した。
「レイさんだっけ?大丈夫と思うけどな。こいつヒョロヒョロで私を襲うとか出来ないだろうし、まあでも好きにしな」とアンナがいう。
その時、ドアがノックされアランがやってきた。
俺はアランと話している時に、アンナは診察を始めるのか上着を脱ぐように言っているのが聞こえた。
もしかしたら、上着の下に武器を隠してあるかもしれんと慌ててアンナとレイの方を向く。
レイは自分で言っておいて、カーテンを引くのを忘れていた。そして振り向いた瞬間見えたのは、ピンクの短いナイトウエアのようなシャツを着た男。。では絶対ない。男にはない、いや女でも滅多に持っていない大きさのものが見えた。
女じゃねえか!!!!!!!
俺は慌ててアランを押し出すように、医務室から飛び出した。
「団長、どうしました?顔が真っ赤ですよ」とアランが聞くが、俺は今見た光景が頭から離れない。
そして数分後、アンナが出てきた。
「おい、アシュリー、あいつ女だぞ」
俺はわかっているというのが精一杯だった。
とりあえずこの男だらけの砦に未婚の女性がいるとわかったら、団員達が何するかわからないとこの3人以外でレイはが女性である事は秘密にする事にした。
服もあれを隠すためにアンナの服もあったのに、ワザとブカブカな制服を渡した。これは彼女を守るためで他意はない。
アンナ曰く、とりあえず今は彼女は混乱しているのでそっとしておく事、怪我は幸い背中の打ち身だけだが、1週間は毎日湿布を取り替える必要があるとの事。
打ち身の箇所は自分では届かない場所らしく、一度アンナがいない時に、フィルに湿布を貼るの頼もうとしていたので、慌てて俺が手伝ったかあまりの艶めかしい首筋に目が離せなくなった。それにしてもあんな女好きのフィルに頼もうとするとは危機意識がないのか?
元気になったレイは仕事が欲しいと言ってきた。砦に働きに来たがる人は団員以外ほぼいないので、いつもここは人手不足だ。だから仕事ならいくらでもある。ただレイを他の男と一緒に働かせると女とバレるかもしれないので、アランと食事の準備をしてもらうにした。
これが大正解だった。
料理上手のアランが大絶賛するほど、レイの料理は美味かった。元シェフだったのかと聞いてみても、そうでもないらしい。
この前作ってくれたエールに合うおつまみは本当に美味しかった。つい飲みすぎて、ついレイにくっついたり、膝に乗せたりしてしまった。レイは恥ずかしそうにしているが、嫌がる様子もない。
そして酔っ払った俺をフィルとビルに頼んで部屋に連れてきてくれたのは有難いが、俺をソファーに寝かせたあとなかなか出ていかない。フィル達もニヤニヤしながら、あいつを置いて出ていくし。酔っ払った頭で、男の部屋にノコノコやってるとは危機感がないのかと寝室に毛布を探しにいくレイを見ていた。
誘っているのか?それとも俺に興味ないのか?
そう思うとなんかイラッとして、いつのまにかベットメイキングをしているレイの真後ろに立っていた。つい押し倒しそうになるのを我慢して、ベットに転がって、自分を布団で拘束して、レイを見ないようにした。
「眠いんだ、出てってくれ」というとレイは素直に出て行った。でも酔いもすっかり覚めて俺は眠れなかった。
もう認めよう、俺はレイの事が好きだ。でもレイは俺のことは恋愛対象としてみていない、兄妹の様に俺に接している。
団員達は俺が最近レイに構いすぎているのに気がついている。男色の噂も出てきているようだ。
でももういい、俺はこの砦にいる間にレイを振り向かせて見せる、そして王都に帰る時は結婚を前提に両親に紹介するんだ。
団長は女言葉だと世話好きぽかったのですが、実は煩悩の塊でした。
無理やり前半後半にまとめたので、ちょっと文字数多めです。




