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大いなる勘違い

しばらくすると、男達が目を覚ました。


いや、私は男達と思っていたが、よく見たら女性だった。


どうやら、隣国の山岳部の住人で子供の熱が3日も下がらず、薬も尽きてしまい、雪に閉ざされて隣の町にも行けず、決死の覚悟で薬を分けて貰おうと国境を超えてやってきて、砦に忍び込んだら、思ったより大事になってしまい、医務室に駆け込んだと言うことだ。


2人は薬と共に他の団員により、隣国の国境まで連れて行かれた。


今は私とアンナ先生、アランさんとアシュリー団長でアシュリー団長の執務室にいる。


アンナ先生が「明らかに隣国の言葉なのに、レイがドアを開けようとするんだもの。焦ったわ」と言うと団長はジロリとこっちを見た。


「でも普通に話している言葉に聞こえたんです」と必死に説明する。


団長は少し考えて、

「レイは私達の言葉も母国語に聞こえると言っていたわね、レイあなたは何処から来たの?」


「私もわかりません。この世界が私のいた世界かもわからないです。文明も容姿も明らかに違うのに、言葉は通じるし」と私がここに来た日の直前の事を話した。


「じゃあどうやって来たのか、どうやって戻れるかもわからないのね?」とアシュリー団長が聞く。


「わからないです。物語でこう言う事はあると聞いていたのですが、所詮物語だと思ってましたし、大抵そう言う場合は亡くなったとかがきっかけなので、私はドリンクを飲もうとしたところまでしか覚えてないんです」


「だから、そんな格好だったのね」とアシュリー団長がつぶやく。


「ここに来てからは色々驚く事がありましたけど、まあ異世界だからしょうがないですよね。隣国でさえ、あんなに容姿が違うなんて。さっき話をするまで、女性とは思いませんでしたもの」と言った瞬間、全員がこっちを見た。


「い。。今、なんて言った?」


「え?やっぱり色々違うんだなって」


「いや、その後、隣国の」


「あ、あの2人ですか?髪型は角刈りだし、言葉も乱暴なので男と思っていました」


団長さんはちょっと顔が青ざめている。

「レイ、あなたの国の男ってどんな感じなの?」


「え?ここと同じですよ、アランさんタイプも多いですが、もう少し言葉が乱暴ですかね、さっきの隣国の人達みたいに」と私が言うと。団長さんの顔がますます青ざめた。


「では私の事はどう見えるの」と絞り出すような声で言われた。


「へ?アシュリー団長ですか?私の世界では絶世の美女と言ってもいいと思いますよ」と言った瞬間、アシュリー団長が床に崩れ落ちた。


アンナ先生とアランさんが目を丸くしている。


そして大笑いした。


「アシュリーを女だと思っていたのか?」とアランさんが床に転がりそうな勢いで笑ってる。


「え?女だとって。。女じゃないですか??」


団長さんは立ち上がって、シャツを開いたかと思うと、筋肉のついた胸と腹筋で割れた腹を見せて、

「私は男よ!!!下も見せましょうか!!と叫んだ。


今度は私がパニックになる番だった。


そこから、みんなが落ち着くまで多少時間がかかった。


色々な実験をした結果。


文字を読むときは問題はないが、男性が男性らしく話せば話すほど、私には女性が話すように聞こえるらしい。

なのでアランさんは丁寧な女っぽい話し方をしているし、反対にアンナ先生は男っぽい話方なんだそうだ。


私の万能翻訳機能は万能ではなかったのね。


アシュリー団長はそうすると、かなり乱暴な言葉使いって事だな。お顔とのギャップがすごい。


髪の毛はこの国では伝統的に男の方が長く、女性の方が短いらしい。昔は隣国の女性にように角刈りだったが、最近では男でショート、女性でロングなどもよくあると。


そして私がここにきた時も言葉は男っぽいのとロングヘア、レイという名前もレイモンドの略だしとどちらかがわからず、アンナ先生の検診でわかったそうだが、男所帯のこの砦で女性と分かればみんなが群がると思ったらしくて、わざとみんなには男だと思わせていたらしい。


「え?じゃあフィルさん達が言っていた、団長にそっちの気があるって、男性同士の恋愛と思われていたんですか?」


「フィルがそんな事言ってたの!!あとでお仕置きだわ!」とアシュリー団長が顔を真っ赤にさせてる。


アシュリー団長はまだ怒っているのか、

「大体あなたも鈍感すぎるでしょ、あんなにハグしたり、膝に乗せたりして気が付かないなんて!大体名前聞いてわからないの?」


「いや、私は女子校に行っていたので、あれぐらい普通で。アシュリーって私の世界では女の子の名前だったんですが、男の名前なんですか?」


「どっちでもあり得るけど、この国では男名前としてよく使われるんだよ」とアランさんが言った。


「と言うか、団長は私が女だと言う事はアンナ先生に聞いて気がついたんですか?」と私が聞くと。


「。。。。。いや。初めて会った日に、私がまだいるのに、上着を脱いだでしょ。あの時に見えちゃったのよ。あなた着痩せするのね。あのボリュームはなかなかないわ」と団長が言ったら、


「そうよね、私も検診の時に凝視しちゃったわよ」とアンナ先生まで言ってきた。


アランさんは真っ赤になっている。


「ぎゃーー団長のスケベ」と私が叫ぶと。


「私だってどんなに我慢したと思ってるの、酔っ払って部屋にノコノコ来るし、あの時にベットに引きずり込まなかった私の精神力を褒めて欲しいわ」


威張っていう事じゃないですそれ。


「という事で。。。レイは私の事は分かってないようなので、これから()()()()()()()()あげるわ」と私は団長に荷物のように肩に担がれた。


そのまま団長さんの部屋に連れこまれ、十分に団長が男性である事をわからされられたのだが。


次の朝起きたら、緑の目と目が合った。ドアップの美人は心臓に悪いな。本当に男にしておくのは勿体無い。


「レイ、起きたか?俺は気が立ってたから、無理させたかもな。大丈夫か?」


あれ?何でアシュリー団長の声が男の人の声で聞こえるんだろう。


「あれ、団長さんの声が男の人みたいになってる」


「俺にもレイの声が女みたいに聞こえるぞ」


「え?治ったのかな?よかったー」


「どうやら、俺が男ってのは証明できたみたいだな」


ええ、そりゃもう十分に。


団長さんは私を抱きしめて。


「この世界に来てくれてありがとう」って言ってくれた。


私は嬉しくなって、目がウルウルしてしまった。

「私の事を好きになってくれてありがとうございます。。。。が。。」


「が?」


ここは言っておかないと。


「でも、性別とか大事な事は初めから言ってください!!」


団長さんはニヤッとして、次からは必ず言うよって言いながら、私にキスをした。


。。でその後、またベットから出してもらえなかった。


「もう十分にわかりました」と言ってもスルーされた。


だいぶ遅れてキッチンに行くとアランさんに「お疲れ様」ってこっちのエナジードリンクみたいな物を渡された時が1番恥ずかしかった。


春になって、団長さんと王都に行くのが楽しみだな。















レイの話はここで終わりますが、このまま団長目線の話が始まります。

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