19 戦略を立てる5
ドワーフの村から姫軍師フーカとブルーが帰る時がきた。
長老のソタと、フランツ王国への派遣が決まっているエンジンとコンクリが見送った。
「今日は私達ドワーフにとって特別な日になりました。白雪姫様にお会いすることができて、村民みんなが喜んでおります。ありがとうございました。伝説どおり、今後は姫様をしっかりお助けしたいと思います。また後日、この2人の若者を派遣しますのでよろしくお願いします。」
まじめな性格のフーカは、なにかコスプレでドワーフ達をだましたようで大変気がとがめ、とうとうほんとうのことを言ってしまった。
「長老様、ほんとうのことを申し上げると、私はドワーフのみなさんが御存知で、伝説の中に登場する白雪姫ではありません。これから、毒リンゴを食べさせられて眠るわけではありません。」
「毒リンゴを食べさせられて眠る?伝説とは違います。私達の伝説では、自分の国が魔王軍の侵攻を受けることになり、窮地におちいった姫は国王の指示を受けて武具の調達と工事技術の援助をドワーフに頼みに来る。ドワーフは総力をあげてお助けする。」
「今の私の事情にとても似ていますが………」
「それに白雪姫は内面、外面の両方が大変美しい方だとされています。古くから伝わる伝説の書に白雪姫様のお姿が書かれています。見られますか?」
長老は持っていた伝説の書のある頁を、彼女に見せた。
「あっ、私にそっくり!!!」
「私達ドワーフは、窮地におちいった白雪姫様のお力になれるので、大変幸せ、かつ光栄に思っています。」
「あの、今後お会いすることが増えると思いますが、たぶん、今日着ているドレスはもう着ることはあまりないと思いますが問題ありませんか。」
「私達ドワーフはあなた様自身が白雪姫様だと確信しましたので、着られている服がどのようなものであれ問題にはしません。しかし、今のお姿はとても美しく、そのドレス姿は非常に似合っていらっしゃいますよ。」
「ありがとうございます。」
………
ドワーフの村から姫軍師フーカとブルーが帰還して数日後に、エンジンとコンクリの2人の優秀な若者が派遣されてきた。
ドワーフの最高職人エンジンは、フランツ王国に来ると直ぐにフーカに依頼した。
「全ての兵士達の身長と体重を正確に測らせてください。」
その依頼を受けて、全ての兵士の身長と体重が測られた。
測定が完了した後、エンジンが再びフーカに依頼した。
「模擬戦でいいですので、実際に剣、槍、弓矢を使っているところを私に観察させてください。もちらん、甲冑も着けてください。」
エンジンのその依頼を受けて、フランツ王国の軍事演習をじかに見ることが許された。軍事演習の間中、エンジンはさまざまな兵士が動くいろいろな瞬間をスケッチしていた。
数日後、エンジンが作った剣、槍、弓矢それに甲冑の試作品が完成した。
軍事演習で兵士達がそれらを実際に使って見ると、これまでの何倍ものすばやい早さで動くことができ、またわずかな力で、剣、槍、弓矢それぞれの武器が固い岩を粉々に打ち砕いた。
軍事演習が終わりに近づいていた時、雷が発生していた。
そして、雷はやがて近づき広い演習場に落雷した。その場にいた多くの兵士達が巻き込まれた。
「ドドーン」
その場にいた多くの兵士達が巻き込まれたが、雷が去ると甲冑をつけていた全ての兵士が無事に立ち上がった。
「すばらしい!!!」
その様子を視察していたナオト国王から、感嘆の声が上がった。




