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10 獣人族との交渉

(魔王軍はどのように編成されるのだろう。)


 宮殿の大図書館で、姫軍師フーカは過去に魔王軍の侵攻があった時のことを記録した歴史書を読んでいた。

 すると、魔界で上位や中位の魔族は他人の命令に従わないので、大多数の兵士は獣人族、オーク、ゴブリンなどで編成されることがわかった。


(この兵士なら人間の武器である剣や槍、弓矢などで傷つけることができるわ。オークやゴブリンは殺戮だけを好む鬼だから人間の敵だけど、獣人は、動物と人間の魂がはるかな昔に一つになって生まれた種族。人間の味方にできないかしら。)


 彼女は、そばの席に控えていた副官の宮廷魔法師イワンに聞いた。


「大魔法師マーリー様は、この世界のさまざまなことをお知りになられていますね。」

「はい。前に先生から、大魔法師になるためには魔法の勉強も必要だけれど、この世界のさまざまな知識を知っておかなければいけないと言われたことがあります。大魔法師は大賢者であるべきだと。」


「お会いできるでしょうか。」

「お安いご用です。今すぐにお呼びしても良いでしょうか。」

「私にとっては好都合ですが。大魔法師様の御都合は大丈夫でしょうか。」


「前に先生から、姫軍師様からの御要望があった時はすぐに呼び出すよう言われています。それでは。」

 イワンは魔法の杖を取り出し、自分の口にさわった後、耳にさわった。

「大魔法師マーリー、姫軍師フーカのお呼びに答えん。アパレシウム。」


 すると、大図書館の空間の中に魔法の煙のかたまりが現われ、そこにマーリーの顔が浮かんできた。

「姫軍神フーカ様。お呼びに答えて参上しました。ただし、私の本体は遠い所にいるままですが。」


「マーリー様、お忙しいところ申し訳ありません。一つお聞きします。私が転生する前の世界では、人間と獣は完全な敵ではありませんでした。心が通い合い、友達になることも多くありました。今度の魔王軍の侵攻では獣人族が兵士として組み込まれてしまいそうですが、人間との戦いを避けることができますか?」


「姫軍師様。とても良い所にお気づきになられました。現在、獣人族は魔族として魔界の中で暮らしていますが、もともとは人間と一緒のこの世界で同じ光りを浴び、同じ空気を吸っていました。人間がこの世界を独占しようとして彼らを追い出したのです。人間は、獣人族ばかりか動物にも同じ仕打ちをしました。」


「過去の歴史を謝罪して、魔王軍に加わることを止めることはできませんか。」


「光りがまともに届かず空気が汚れている魔界から出て、光があふれ空気が澄んでいるこの世界に暮らすことができるようになるのであれば、十分に彼らを説得できます。一部の獣人族なら魔王軍に入らず、場合によっては人間の味方になってくれる可能性もあると思います。」


「確かにこの世界に転生してから、人間が住む場所で一緒に暮らしている動物を見たことがありませんでした。………悲しいことですね。マーリー様、私は戦いが始まる前に獣人族の代表者とお会いして、獣人と人間、そして動物達が共存して繁栄していくことを提案したいのですが。」


「それでは姫軍師様。私が魔王ザラに見つからない場所で、獣人の代表者とお会いすることができるよう手配致します。」

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