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掌編 光と影の城趾  作者: Elnika Flose


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昼下がりの城趾

とある団地を抜けた先に、城の跡があると聞いた。

足元から視線を滑らせると、思いのほか急な坂だった。

木と土でできた階段には、どんぐりが散らばっている。

踏み外せば、布団の上を歩くように、ふかふかの土が足を呑み込んだ。


登りきった先の展望台で、風が視線を左から右へと導く。

眼下には大きな川が流れ、その周囲に広がる平地を包み込むように、

いくつもの小さな山々が連なっていた。

それは、街の地図が静かに呼吸しているようにも見えた。


現代の街並みのはずなのに、ここでは川のせせらぎが聞こえる。

聴こえるはずのない音が、なぜか確かに耳の奥に届いていた。

車も人も、家々の気配すら遠のいて、

ただ川と畑だけが、時を忘れた絵のように広がっている。


ふと、思った。

いま私の目の前にあるのは、

かつてこの城の見張りが見ていた、平和な昼下がりなのかもしれない。

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