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91話 領域騒動④



「まさか、私とワーレストだとは、な」


「何ですか、不満でも?」


 一言で表すなら、巨乳美人な女性とナイスバディ、どっちかというと貧乳であるが、膨らみは存在する。白を基調とした服をボディラインに密着させ、自身の魅力を最大限に見せるが、印象は仕事が出来る女性という印象を受ける。

 だが、豊満なレジナインと比較すると好み関係なく、小さく見え、見劣りしてしまう。

 領域が展開された後、ワーレストとレジナインは近くにいたようだ。


 あの壁をジュウロウが破壊したことは目視で確認できたようだが、領域の特性上、思う通りに進むことは出来ない。

 そのためあの壁を超えて先へ進み、念のため路地裏に姿を隠した。

 敵襲を受けたとしても上空は鉄壁であり、二つの通路で攻撃を放てばいいだけの話だ。


「全く面倒な領域だな」


「壁を超えたというのに……敵は来ない」


「向こうにもタイミングがあるんだろう。ジュウロウが突っ走っていったということは……レイム様は領域の中心にいるんだろう」


「……見たいですね」


「敵の目的はレイム様で決まりだろう。このメンバーの中で重要なのはレイム様だろう? レオンとの戦いの後で彼女の変化――」


 敵にとっての重要は正確には分からないが、自分達の中で重要存在は簡単に予想ができる。

 その要因はレイム・レギレスが新たに手に入れた能力だ。


「能力を手にしたものであれば、ある程度は理解できるだろう。能力が宿るのは己の魂であり、位置するのは隣。どんな能力を獲得するのかは魂との相性次第だろう」


 これは説明書があるわけではないが、レジナイン自身も能力を有して魂に宿る能力という関係性から確かなものがなくても感覚的に認識できる。


「その魂と能力の関係性がある。能力の数も一つ、関係性繋がりで二つくらいだろう。だが、レイム様は【破壊】とは反対の【再生】が宿った。これは決して主人格とは正反対の二面性であっても魂はそんな要素を含まない。それは精神の領域だ」


「つまりイレギュラーを兼ね備えているからこそ、レイム様を狙っていると?」


「現段階ではそれくらいだ。魂に二面性は存在しない。あのレイネル・レギレスに関しては同一人物で二面性じゃない。そもそもあのようなことが行える時点で自分の魂に触れたのは確かだろう。あれは己の分身だが、新たに獲得した【再生】を依り代として顕現していた」


「確か本人は『補助装置』って述べていましたね」


「あぁ、『補助装置』……例え、分身の能力なら、違うことを言っていたはずだ。分かるだろ? 分身なら、わざわざ『補助装置』なんていう特殊な言い方をせずにただ“本体の分身”ですとでもいえばいいんだ」


「疑い、ですか?」


 彼女の口調、目線で彼女に対してどのような感情を向けているのか、機械であろうと人間であるジュウロウを元に収集した情報と照らし合わせれば、答えはすぐにレジナイン・オーディンが考えていることは分かる。


「何でも疑いにかかるのが、私の癖だ」


「まぁ、納得は出来ます。レイネル様が怪しい、と?」


「いや、それはないな。同じ魂から発生したのだから、レイム様と全く同じと言っていい。だが、気になったのは疑い理由の“言い回し”だ。適当に表すことは誤解を生むし、あの感じから適当なことは言わないだろう。彼女は紛れもないレイム・レギレスの『補助装置』なのだろうが、あれは私達にも実現可能なのか?」


「……それを言われれば、それに発生した原因が能力じゃないなら、魂か、体質ですね」


「まぁ、確定しているのは魂へ干渉したのは確実であり、それであっても私には異質に見えた。敵に対しても希少価値を見出されて狙われているのだろうか……」


 天才と有能の議論はすぐに仮の結論を出して意識は現状に向けられる。


「さて、道なりに……いや、敵の用意した道に従おうか――」


 どっちにしろこの領域にいる限りは敵の思惑に従うしかないため、ワーレストとレジナインは道なりに進み始めた。






「さて、状況を整理しましょう」


「あぁ、そうだな」


「組み合わせは不思議なものですが……」


「それはこっちの台詞だ。男一人っていうのは相変わらずなことで慣れてはいるが……確か、リツリと同じく使用人だったか?」


 リツリの他に六人のメイド服を着た少女達に囲まれている“滅空の魔王”リビル・リグレウスというメンツが集まっている。

 一応、リツリと同じ使用人であるが、最破ではないため、地位で言うなら、リビル・リグレウスより下である。同盟を組んだことで『無限の星』として仲間になり、“主神”をレイムとして“副王”エマとして他の四人はレイムの配下である“最破”と同じ位置である。


「使用人二番、ルカル・リセカンドです。リツリの代わりに施設管理を行っています」


 六人の中では非常に丁寧な性格であるのがルカルである。少し濃い青色の長髪、リツリより数倍大きな胸、そして全員と同じメイド服を着こなしており、リツリの補佐とメンバーの統率を行っている。


「使用人三番、アリア・リサードですッ!! 料理担当で~す!!」


 六人の中では非常に明るい性格をしている。赤いボブヘアであり、胸はルカルと同じくらい、明るく活発な性格からは想像しにくい料理を担当している。


「使用人四番、アザルト・リフォースです。図書管理を行っています。よろしくお願いします」


 六人の中では物静かな性格であり、緑色の長髪を三つ編みにし、胸はリツリと同じくらいの少女。城内の中の自然が広がる空間の高い位置に存在する図書館の管理を行っている。


「使用人五番、フィリア・リフィフス、掃除担当です。よろしくお願いします!」


 六人の中ではルカルに似て真面目であり、水色の長髪をツインテールにし、胸はレイムより大きい少女。一人で城の内外をピカピカに磨いており、主や最破が良く使うスペースを真っ先にやるため、レイムとはあまり対面しない覚えはない。


「使用人六番、シャルレ・リシックス、衣類担当をしています。よろしくお願いしま~す」


 六人の中では生意気な性格であり、金髪のショートであり、胸はレイムと同じか、誤差の範囲の少女。衣類担当であるが、七番と同じく仕事は少ないため、ルカルに命じられて過去に城へと持ち込まれた物品の整理を行っている。


「使用人七番、リリス・リセブンス。雑務担当。よろしく」


 六人の中では軽率な自己紹介だが、主であるレイムには忠誠を持っている。紫色の長髪であり、胸はレイムと同じくらいの少女。雑務を任されているが、それは本当の役目があまりないからである。ぶっちゃけ、リツリより戦闘能力が高い、武力担当である。


「あぁ、俺は最古の魔王、第四位“滅空の魔王”リビル・リグレウスだ。よろしく。で、これからどうする?」


「とりあえず、行きましょう。考えるのは道中で」


 リツリの言葉に全員が同意して領域の中心へと目指して移動する。




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