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50話 降臨したもの①



 エレクシアが攻撃されて三十分も経たずに光の領域エレクシアから風の領域シズゼリア、炎の領域ファイテンラスク、水の領域ソルレンテ、闇の領域ネルトシネアス、破壊の領域レイズレイドの六つの領域全ての上空に黒い柱、いや、塔が天から顕現を確認した。


 あれは地上に降り立つことはなく、それが正解な用途というように上空で固定され、そこから【破壊】【暗黒】などの黒系統の力が伝播となって領域を囲む。

 明らかに世界外からの侵略に見える。

 そしてレオン・レギレス一個人では成し得ない組織的な何かによって生命の生存圏、領域を掌握された。


「領域が圧迫されています!!」


 更なる事態が起き、玉座に『無限の星』は集まる。


「領域防壁の抵抗力は十分、粉砕される可能性は十パーセント未満――」


 統括個体ワーレストが他の個体と伝達し、領域防壁および防衛の情報を玉座の間にて報告している。

 他の領域の観測は妨害工作によって観測は不安定であるが、レイズレイドは今のところ大丈夫のようだ。


「流石は機人種の技術力、そして対応力は凄いものだな!」


 レジナインは純粋に関心を抱いている。

 だが、領域防壁は圧迫され続けており、その内部は微量であるが振動している。


「早速……用意周到。いや、三千年かどうかわからないが、時間さえあれば世界規模もおかしくないだろう。だが、戦闘もいいが、情報収集も重要だ。これは恐らくレオン・レギレス一個人を打倒しても、彼と接触した何かが諦めるのなら、それでいいが……」


 そうじゃなければ、再来する可能性がある。

 レオン・レギレスよりより大いなる存在が……だが今は――


「ああ、かもな。でも今は眼前のことに集中する。その情報収集とやらはお前がやればいい」


 ジュウロウはそう促す。


「ワーレスト、この状況はどうやったらレオンは現れていない?」


 玉座に座るレイム、正確には座る面積の半分をレイムがもう半分をエマが使用している状態だ。

 これはお互いが相棒として認識しているため、主神と副王が玉座に座ることは何も違和感はなく、この関係性なら当然のことである。


「はい、現在は領域防壁の圧迫だけで他の領域の観測を行っていますが、未だに観測不良が続いています。敵兵に関しては観測なしです」


「なら、力技で領域防壁を圧迫しているあの塔もろとも、破壊することは?」


「え~、あ、はい。少しお待ちください。シュミュレーション演算を開始します――」


 機人種の共有の観測および演算装置、フォースキューブを介して即座にレイム・レギレスが力押しで圧迫を突破し、領域上空に出現した塔を破壊できるかどうか……。

 その検証結果はすぐにワーレストへ伝達される。


「申し訳ありません。検証の結果、レイム様の火力であの塔を構成する伝播の力と自己防衛などを考慮して複数のシュミュレーションを行いましたが、レイム様一個人では火力不足と判断しました。未知の部分が大きいですが、もっと安心するような、流石にあの塔に世界に通用する火力を必要とすることはないですが――」


 未知の要素が多すぎるためシュミュレーションによる検証の演算も正しいものとはかけ離れるだろう。


「この状況では対象に接続し、解析すれば、正確なシュミュレーションが可能ですが、領域防壁が展開されているため、それも叶いません」


「ここに来て、自分らの防御が足を引っ張ることとなった、か……まぁ、仕方がない――」


 手段はないのかもしれない。

 だが、そんな時、レイムの真隣にいる存在が立ち上がった。


「――なら、私とレイムでやれば、問題はないな。戦闘補充のために皆の全力の攻撃が失敗することも考えれば、適切なのは神器解放の攻撃でまだ余裕があるのは私とレイムだけ、我々がこの事態を動かすのに適任だ!!」


 皆、前方に対して人差し指を前に出す。

 案外に副王エマ・ラピリオンの文言は正論であり、未知な要素が多いなか、一時的であっても全力の攻撃でもある神器解放を行い、放ったところで防御壁を破壊しただけになってしまえば、失敗だ。

 ならば、彼らを上回る二人しか未知だろうと手段はこれしかない。


「エマの提案はまかり通っている。確かにこの中で火力と魔力で最高峰なのは我らが主神と副王しかいない。レイム様の提案を行うなら、この二人が適任であり、それ以外の手段はない」


 レジナインはレイムの方を向く。

 議論の末、後は最強組織『無限の星』のリーダーである主神に判断を求められる。


「じゃあ、やろう――このまま世界が蝕まれないように、この事態の元凶を倒そう!!」


 レイムも立ち上がり、拳を掲げ、皆の士気を高める。


 そして異変の中で彼らは動き出す。

 可能な限り、踏み留まることはあっても、前へ進み出す。


 ―――――


 ――――


 ―――


 ――


 ―


【……通信、完了。観測良好――】


【これより“悪の大首領”考案による計画、『プロジェクト名:大いなる計画』――メイン・アクシス:《ファイル名:ワールド・レギリオン-first half-》の展開を完了――】


【計画は順調、結果次第でコース変更あり――】


【メッセージ:慎重に……――を観測対象に送信、完了――】


【承認、観測を終了します――】




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