表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

186/190

185話 第五層『終焉渓谷・レベルX』

「はぁ~……無駄だったね」


「すみません。あれはレイム様にとって前座であって……」


「分かっているよ。でも……」


「レイム様の解析系では無駄と判断しても仕方ありませんが、クロノスはレイム様の力を目にする必要があったのでしょう」


 第四層から第五層への円盤エレベーターに乗っているのはレイム、ジュウロウ、クロノスの三人でソージ、ソピア、サリアの三人はさっきの第四層に残っている。

 その理由としてレイムの解析系能力や相手の思考を正確に読み取るジュウロウとは違う三人はジュウロウの提案で既に判明している情報をフォルセス・レガリアから引き出す話術を少しでも身に付けろ、ということで三人は居残っている。


「ジュウロウさんは厳しいですね」


「ふん、誉め言葉として受け取っておくさ」


「まぁ、ジュウロウは厳しいのがいいんだよね。剣は勝てる気がしないよね~」


 レイムはほのぼのとした感じで呟く。


「え、それほど、ですか……」


 クロノスは驚愕の反応をした。

 一人一つの能力を保持するのが、一般的であるが、それを遥かに凌ぐ五つ、更にその全てが神クラスに達した能力を保有している破格の存在であるレイムが希少中の希少な存在である『唯一者』であるジュウロウに対して剣においては勝てる気がしないという言葉はジュウロウの強さが明確でなくとも指標として表れ、驚くはすぐが彼の方も凄いことを再認識する。


 何故なら、何事も謎が多く、その【無】という例外、そして【世界的存在ワールド・クラス】の一角であり、あらゆる能力が数値で表すことが出来ない万物に対しても番外にして最高の切り札的立ち位置である『唯一者』であるジュウロウ・ハリアートなのだから、納得はしてしまうのだ。


「な、なるほど……」


 少しよろけながらも、神という存在であるクロノスでさえまだ高みがあることを認識すると同時にその高みは自分では決して到達することは出来ないだろうと悟る。


 そしてまた少し長くエレベーターに乗り、レイム達は第五層へと辿り着いた。

 そこは黒い岩肌が露出した広い空間だった。


「おぉ……」


 肌に触れる空気の感じで理解する空間の広さとここに充満する魔力濃度の濃さから熱気のような重たさと異様なほどの鳥肌が立つほどの寒気さを感じ、反射的にレイムは反応をする。


「これほど……なるほどな」


「はい。ここが第五層『終焉渓谷・レベルX』です」


 そう、ここは第五層『終焉渓谷・レベルX』――SSSランク惑星級の収監する階層なのだから対象を拘束するためのエネルギーはどの階層より多いだろうし、漏れ出す魔力の濃度も多いことも当然だ。


「で、道は~?」


 またしても空間は暗さを纏っている。

 ここが地形的に地下に作られた施設ということもあるのだろうが、意図的な暗さなのだろうか。


「ねぇ、クロノス。何で暗いのかって聞いていいの?」


「え? はい。監獄に装飾は不必要だから、ということもありますが、この第五層の場合だと魔力濃度の問題で置物による灯は照らす炎や光が膨張するため、来訪者によって明るさは任せられています」


 しかしレイムは気になっただけで、たとえ肉眼で見えなくとも能力で何とかなってしまう。

 そのため、灯なしで三人は目的の場所を目指す。通路となっているものは岩肌からはみ出た大人一人が歩ける幅のものだ。

 クロノスが先頭を歩き、レイムとジュウロウに説明する。


「この第五層に収監されている存在は当然、少ないです。その中でも悪の組織に所属していると判明している人物に事情聴取を行ってもらいます。しかし予め述べておくとその人物にあらゆる解析系能力は通用しませんでした」


「ほぉ、現状の手詰まりをレイム様に打破させようと」


「その通りです。ですが、これは存在ランクの圧倒的高さを物語っている結果だと思われます」


 まぁ、そうゆうことだろう、とジュウロウは納得する。

 いかに解析系だろうと上下関係の力では対象の全てを解析、そもそも解析力を防ぐこともできるのだ。

 この世界、星海の力の法則は至ってシンプルであり、大半の弱者と少数の強者がいる。

 一方は望むものは限定されるが、一方は多くのものを望むことができる。

 それが、自分が生きている世界に満ちているのならば、それが全てだと思うのも無理もないが、無慈悲に述べるなら、全てを織り成す法則の大半があらゆる意味で『力』に支配されているのだ。


 所詮、結局、全ては『力』なのだ、という言葉をジュウロウは否定しない。


「ではここですね」


 クロノスが止まった横には岩肌の壁が掘られ、丸く大きな扉があった。

 その圧巻はジュウロウの二倍以上、特殊な素材でできたSSSランク相当の存在を封印するための入り口、その内側の構造をレイムは理解していないが、その扉の物理的な厚さは表面上の視覚情報でも容易に想像がつくほどだ。


「すごいね」


「圧巻ですね」


「はい。では、早速ですが……ここの囚人はレイルンが投獄した自身を悪の組織の首脳部所属であること、そして星系の西側で暴れ回っていたトレジャーハンター集団『フラッドディメンション』のリーダーであるアステール・フロムウェルです」


「西側……じゃあ、そこに悪の組織が、とはならないわけか」


「はい。星系の西側は我ら『無限組織アンリミデット・カンパニー』と平和連邦『スターテーブル』が位置する東よりの南とは違い、治安の悪さで西と東では比較され、紫の惑星『プルプラ』を拠点として西側は犯罪社会が形成されていますので、その中でも少数精鋭で平和連邦から莫大な懸賞金がかかっていました」


「ほう、そういえば、ここの通貨のことを聞いていなかった」


 とジュウロウはポツンと思い出す。

 通過、お金に関してはあの青い星にいた時は用いていたが、故郷では存在は知っていたが、破壊の領域レイズレイドには通貨など存在していなかったため、自然と気にする概要から外れていた。


「あ、そういえば、そうでした。申し訳ありません」


 通貨なんて気にならなかったレイム側、自分達では当たり前だったクロノス。取り調べを行う囚人の部屋の前だが、クロノスは忘れずにと説明する。


 しかしそれは扉の奥の存在によって防がれた。


「あぁ、それなら事情聴取がてら私が教えてあげてもいいよぉ?」


「……アステール・フロムウェル、口を挟むことは――」


 そのクロノスの注意をレイムが止める。

 分厚い扉の向こうにいる存在、自分に定めて声をかけてきた強者、強さの競い合いをするのならば、レイムは引き下がったりはしない。

 そう、今、レイムは対抗心を燃やしている。


「分かった、じゃあ、教えてよ」


「うん、いいよぉ」


 事情聴取の前の世間話なのか、状況を正確に判断したクロノスによって分厚い扉は十ほどの鍵が、ガチャンガチャンと音を立ててゆっくりと開かれた。


【“面白い”と“先が気になる”と思ったら、『ブックマーク』や『☆☆☆☆☆の評価』や『感想』をしてくれるとモチベーションアップに繋がるので何卒よろしくお願いします!!!】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ