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181話 奈落監獄

 クロノスの案内によってレイムチームは邪悪収容機構『奈落監獄アビス・プリズン』へ訪れた。

 そこは黒くゴツゴツした地面が広がり、その奥に禍々しい城、円球状の黄色に輝く結界の内側にレイム達は立っていた。

 その結界がこの『奈落監獄アビス・プリズン』を成り立たせると言っても過言ではなく、この結界はSSSランクすら封印を施す。仕組みとしては指定した対象を縛ることに特化している、とクロノスが施設に辿り着く道中で結界の概要を説明する。


「なぜ、このような風貌になったのかは『奈落監獄アビス・プリズン』という名前に従った結果のようです。ですが、収容所は地下に広がっているため、あの黒いお城は物理的な蓋の役割があります」


 レイム達は大きな門をくぐり、大通りを進む。近くで見るとやはり自分の家に似ているが、良く見ると色は紫よりの暗色であり、城のみだけがそびえ立っている自分の家とはだいぶ異なるが、建物のデザインについてはレイム的に好印象だ。


 しかしレイム以外の四人は『善』を掲げる組織の収容所として個の風貌はどうなのかという表面的、外観的な印象を疑問視していたが、この風貌が成立理由については悪人が収容されているからだと、各々が現実的な理由を思いつき、口に出すことなかった。


そしてレイム達は黒い城に入る。

 城内は単純に広い空間が広がり、その空間の中心には禍々しい模様が描かれた一段上の円盤の上にレイム達は乗ると下へと地面は移動する。

 目に見える建造物の時代背景とは異なり、レイム達を乗せた円盤は高性能のエレベーターのように駆動する振動や音などは一切聞こえず、石材が積み重なった円柱の空間を下降していき、丁度、六十秒で空間が広がる。


「うわぁ!!」


 円盤が通る円柱の空間が終わり、地下空間に入った。

 一つの惑星を使用しているため、邪悪収容機構は巨大であり、それは人の手で管理することは諦め、あと人員不足で大半が結界システムに依存しているが、それで監獄として成り立っているため、不備はないが、最低限の巡回として『実力部隊』の第七部隊『暗衣交善隊』が定期的に行っている。


 そしてレイム達は表層から第一層へ降下した。

 第一層『一般収容・レベルⅠ』――その風景は他の層と比べると誰もが思うであろう悪人を収容する施設となっている。

 入り口の正面に看守の施設、その奥に囚人の収容施設、その間には自由時間のグラウンド、要求に応じて外に本棚ごとに本が並べられている。グラウンドの周囲は高いフェンスで囲まれていて登ればするが、上方部分が内側へ斜めに傾いているため、相当の体力がないとダメだが、そもそも看守施設側の警備によって麻酔か、殺害される。


「まずはレベルⅠですね。ここは存在ランクAの悪人が収監されています。ここの層の囚人のみが檻から出る時間が設けられています」


 レベルⅠとは神クラス以下の能力保持者か、敵対組織の構成員、存在ランクAに該当する悪人が収容されている。

 この監獄の役割としては悪人の『収容』と悪人の『更生』がある。

 善なる組織の見識ではレベルⅠ以上に該当する存在は更生する可能性が低く、生命が成長するほど自己というものは確固たるものとなるため、外的要因での変化はしづらい。

 しかし可能性は存在し、『善』という概念を知った悪人は更生する余地があり、自分が更生したと判断したならば、看守を呼ぶようにと収監前に全ての囚人に伝えている。

 そのまま外へ釈放するわけではなく、再び悪事を犯すことの責任があるため、首脳部の方々によって判断され、直々に釈放の有無が決まるため、嘘などは無意味であり、その後は連邦の矯正施設に移動し、社会的な研修を受けて復帰することになる。


 そしてそれ以外の悪人はその寿命が尽きるまでこの『奈落監獄アビス・プリズン』から出ることは出来ない。

 光と闇、善と悪――その二極は単純でありながら、その境界線を跨ぐことはどっちからでも厳しく辛く苦しいものなのだ。

 それを理解しているからこそ、対峙する『悪』が全て自分達側の『善』になるとも思っていない。


 この戦いはそんな甘いものじゃない、だから両組織はお互いの組織に対して『殲滅』を掲げているのだ。

 その手前で自分達の行いを正当化するため、人としての礼儀、善人としての振る舞いとして対峙した際の降服することを持ち掛け、戦意喪失した悪人を投獄するのだ。


 これが善なる組織の『悪』に対する向き合い方なのだ。


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