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171話 仲直しの儀式

 とある作戦が開始され、レイムの入浴が終わり、リツリに案内された部屋に入る。


「え……」


 ふと、声が漏れた。

 リツリに案内された部屋に入るとそこにはルエナール、ライト、ソージ、ソピア、サリア、エマの六人がいた。

 まさか、と思った。

 てっきり自分の部屋として用意されたものだと思ったが、まさかこんな集まりがあるだなんて思ってもみなかった。

 しかしすぐにリツリ達が配慮してくれた結果だと分かった。


「さあ、ルエナールさん、ライトさん、奥へ。レイム様が入りますので」


 リツリが戸惑っている二人を奥へ促し、一つの四角いテーブルに座布団が置かれ、長方形の机、横の奥側にソージ、ソピア、サリアが、その対面にルエナールとライト、縦方向にレイム、対面にエマという配置で七人は座る。


「では、ゲームをしましょう。簡単なボードゲームですから」


「ふぅん。このゲームなら、わたしはやり手だ」


 と早速エマが、ボードゲームに手を伸ばそうとするが、リツリが静止する。


「少し待ってください。エマ様。それより前に改めて自己紹介をしてください。内容は名前、肩書、趣味などアドバイスとして表面上と少し深い情報を開示すること、しかし自分の過去、特に知られたくないものは隠すこと、エマ様の場合は魔王と名乗っても、悪印象与えないことですね」


「むむ、なんで、わたしの……」


「まぁ、そうゆうことですので、夜の時間を楽しんでください」


 一応、三時間後にまた来ますという言葉を残してリツリは退室する。


 そして静寂に包まれる。

 一見、意味不明に聞こえるが、全員が察する。

 これは自分達が仲良くなるためのものだと――


「じゃあ、わたしから行こうか」


 この中で一番幼い外見をしていながら、生きて年月は最長のエマが自己紹介を始め、その後、ソージ、ソピア、サリア、レイムと、そしてルエナール、ライトと自己紹介をしていく。


「こうゆう場合、ボードゲームはただの遊びなんだけど、まぁやるぞ!!」


 明らかにエマは真剣ではなく、遊びだ。

 しかし緊張したまま、お互いの仲を深めるなんてことは出来ないことは全員がすぐに理解できるため、エマに流されてゲームを始める。

『創世戦争記』――という名称のボードゲーム。ボードゲームと言っているが、レジナインの製作であるため、ゲームマスター役はホログラムになっている。概要としては創世の名の通り、原初時代から始まり、自分が神として生命の人材をカードで選び、文明を発展させる。ステージ変化として時代が変わり、プレイヤー同士の戦争の他、侵略者が存在し、場を掻きまわし、更に時間旅行が可能であり、過去干渉で相手の陣営を崩すなど相手の文明の衰退から自分の文明発展方法は様々であるというやり込みのあるゲームだ。


「まずは引きの良さだ――」


 全員がまずゲームに集中する。エマの呟きの通り、まず自分の駒となる生命をカードとして引いていく。

 このボードゲームは遊び、本題は『会話』であることをエマは行動で示す。


「善なる組織って大変じゃない?」


 きゅ、急に――とライト・ロウハートとルエナール・ルクスフォルマーナは同時に内心で動揺する。


 確かにこの七人では圧倒的年上であるエマ・ラピリオンだが、人間関係のスペシャリストなんてことはない。レイムと同じく良い意味で我が強く、自分の主張を真っ先に示すという自己が強い性格だ。

 しかし、決して馬鹿というわけではない。

 最古の魔王の内で外見と同じく一番の未熟であるが、彼女にはこの七人の中で何千年も生きたという人生や視点を持っている。

 それは少なからず人間関係に優位に働き、視点の違いから良くも悪くも別の角度、やり方が問題の壁を突破することもある。

 その一つとしてレイム達との同盟のきっかけとなった何千年も振舞ってきた『魔王』という在り方に疑問を持ったことだろう。


「よし、リードッ!! ふぅ、わたしは余裕だから何でも質問してよ?」


 考えていないように見えて良く考える――或いは言動に等しく何も考えていない、言葉通り、自分の方が優勢という慢心からの、ノリで突き進んでいるだけなのかもしれない。

 外見年齢は十歳、レイムと同じくお風呂上りだからか、上下白の少々フリフリなキャミソールとドロワーズ姿でこの場を仕切り、儀式のような仲直りが始まる。


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