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168話 理解の時間①

 レイムはその『奥の手』を使用して対抗策を実行した。出力を最大の手前まで上げ、力を拡散させず、対象の一点に集中させたことで全てがレイルンに叩きこまれた。


「……ッ!?」


 だが、レイルン・レギスレータは立っていた。

 しかしそのダメージは半壊、『万象神冠コスモス』の解析でレイムの作戦によって命中すると同時に能力を再発動したが、間に合わず、周りの五人とクロノスによって力を分散された。


「はぁ、はぁ……」


 一瞬の強い緊張が弱まる。

 自分が集めた情報とレイルン・レギスレータの意見、それにズレがあった。

 たしかにレイルン・レギスレータは自分が受け継ぎ、レオンにも所縁のあった【破壊】を宿していたというのにレオンすら知らないなんて意味が分からない。


マスター――レイルン・レギスレータは嘘をついていません。再思考を』


「……嘘、じゃあ何で」


『不明――しかし継承された【破壊】、それに関係していることは間違いないです』


「癇癪……まだまだ子供ということか。すまない、いつもの感じで意思疎通を行ってしまった。君からしたら、私はまだ信用できないかもしれないが、今はここに来てくれてありがとうと賛美を送る」


 そう言い、一方的だったが、会話は終了した。

 何も反論がないと言われたら、嘘になるが、その声から確かに嘘をついていないことをレイムは理解し、ソージが傍に寄り添う。


「レイム、大丈夫か」


「うん……みんな、ごめん。ビックリしたよね。ケイソツだった」


「いつものことですが、その心配は受け取っておきます」


 ジュウロウが優しく答える。

 軽率、可愛く言うならおてんばな所は承知の上、だから即座に仲間の身を護ることに専念し、レイムにも悪気がないことは全員が理解している。


 しかし自分でもさっきの行動は軽率だった、とレイムは本当に反省する。

 ここに来た理由はクロノスの勧誘、ここは自分たちと同じ立場である『善』あるにも関わらず、すぐに武力に訴えるのは不適切だったことを反省する。

 しかしこれが癖、というか、危険や疑問を感じたら、声より有効的な力を見せてしまう。

 それは直していかなければ、火種の下となり、仲間になれるはずだった存在が敵に回ってしまうことも十分にあり得てしまう。


「落ち着きましたか、レイム様」


「うん。ごめん、迷惑かけた」


「いいえ。レイルンも、反省しておりますので。では、この組織について案内いたしますが、まだレイム様、『無限の星』の方々を公に晒すことは出来ませんので、この場でこの組織の事をご説明いたします」


 少し前にこの組織の起源を説明したため、今回はこの組織の役割、関連する組織、場所についての概要を説明する。


「まず、この組織、いやここは宇宙が発生した今や宇宙の中心とされる星系です」


 ちなみにその根拠は“真善の管理者”からである。

 この宇宙の発生源、今や宇宙の中心となった星系、そこから誕生し、星という揺り篭から離れ、この星海の中の生命の代表となる。

 宇宙の始まり、その時期に生まれた惑星を原初惑星と呼ぶ。

 善なる組織『無限組織アンリミテット・カンパニー』は南に位置し、その隣となる南東方面に原初惑星の一つ、白の惑星『アルブーム』が存在する。

 その白の惑星『アルブーム』を起源として善なる組織と同じ時期に善なる組織と同じ時期に平和連邦『スターテーブル』として平和を掲げた国家運営を行う。

 宇宙の悪と戦い、宇宙の治安維持を行う善なる組織『無限組織アンリミテット・カンパニー』とは協力関係にあり、今では『無限組織アンリミテット・カンパニー』を超える規模で活動している連邦国家である。


 他に宇宙研究組織『ジーニアライネンス』は北西に位置し、その隣、北方面に緑の惑星『ヴィリディ』が存在し、生命力に恵まれた獣人によって繁栄を象徴する文明を築いている。


「原初惑星に関しては北東に位置する青の惑星『カエルラ』に東に位置する既に滅んでしまった黒の惑星『ニーゲル』、悪に歯向かったことで滅ぼされた赤の惑星『ルベール』、そして星系下部の南東方面に位置する『心星結社』様方の故郷である橙の惑星『ヒロース』などがあります」


 そしてクロノスは続けて指摘されるであろう箇所を深堀していく。


「惑星の中で明確に悪に歯向かったことで滅ぼされた赤の惑星『ルベール』についてですが、当時存在した勢力の中で連邦と同等の規模を誇っていました。しかし連邦の平和の声を拒絶し、ただ自分達の繁栄という意見を掲げ、文明を革新させ、当時の文明の中で一番の勢いがあったと言っていいものでしたが、悪に歯向かったことで大帝国は一夜にして滅びを迎えました」


 今では惑星自体も消滅しており、完全に消されてしまった。

 そんな力を見せつけられても当時は“真善の管理者”ミレイヴァム・レギスレータがゾ存命だったことで士気は低下せずに今までやってこられた、とクロノスは語った。


 そして次に組織の役割について話す。


「この組織の目的は邪悪の殲滅、そのためにこの星系に存在する世界から世界線を認識し、悪が異様に溢れた世界を対象として部隊を派遣する体制を取っていますが、我々の目的はあくまで悪の組織の殲滅であるため、その世界内で存在した悪はその世界の人々が対処するということにしています」


 一見、役割を果たしていないようだが、その全てを救うことが出来ないことを理解しての方針だろうと皆が納得する。

 その最中にクロノスは“この宇宙はまだ幼い”と口にした。

 その理由については宇宙歴という歴史が記され、空間に映し出された宇宙歴に全員が注目する。


「うちゅうれき……」


 レイムが呟く。


「はい。これは我々が記したものではなく『宇宙最古の無機物』が記録したものをミレイヴァム様が発見した暦です」


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