161話 星海の善人
この宇宙にあるルールの一つ『善』を掲げる組織が存在した。
その『宇宙の善』を目指すことを目的としている組織、その構成員の一人が自分たちに接触し、ジュウロウとレジナイン、その人物によって突如として勃発したレイムとルエナールとの戦闘は仲裁という形で終了した。
「と、いうわけで、早とちりでしたね。ルエナール」
水色の長髪を靡かせ、絶対に色素の薄い神様はそう下っ端、いや教え子に接するように優しく今回のことを注意した。
「ご、ごめんなさい!! わ、私、悪だと思って――」
この神様が言うように戦いの勃発はただの早とちりだったようだ。
先に刃を見せ、戦闘態勢に移ったのはルエナールであるため、レイムには当然、非がないため、その光景を気が抜けたような感じで眺めている。
そんなレイムに対して降臨した一人の女性――空色のような、氷のような色を身体に満ちた存在が優しくレイム・レギレスに近づく。
その眼は尊く、憧れを抱くような、そして信じられないものを見るような瞳でレイムに近づき、彼女と同じ目線になるように膝をついた。
「レイム・レギレス様――もし、あなた様が、我々が願っている存在ならば……」
何かを願っている、それだけは分かるが、目の前にいる女性を知らない。
「おい、まずは順を追って説明してくれ」
何とか戦いは収まったが、この状況についてはまだ全員が納得することが出来ないならば、とジュウロウは降臨した女性に提案する。
そしてレジナインが現地に現れ、場所を変えましょう、と言い、この世界の拠点に移動した。
レイムと空色の女性がコタツにて対面し、レイムの右側にウサギの少女が、左側に白髪の少年が座り、他のメンバーとして一人の女性と双子があっち側に座った。
レイム陣営『無限の星』はメンバー数が多いため、フリーダムにまばらに座って重要であろう話に耳を傾ける。
「まずは自己紹介から、クロノス・アイギス。善なる組織『無限組織・対邪悪殲滅機構』に所属しています」
次に、と順番を振られた白髪の少年は自己紹介をする。
「僕はライト・ロウハート。クロノスさんと同じく善なる組織に所属する真善実力部隊、第十部隊『無滅神罰隊』の隊長です」
彼の捕捉としてクロノスは後に説明するものは省き、解説する。
真善実力部隊、それは善なる組織が保有する最高戦力である。その部隊の中でも若き隊長として活躍していると一言添える。
「私は善なる組織所属、第十部隊『無滅神罰隊』の第二席、ローゼ・アイゲルと申します」
第十部隊の中では一番、大人びた女性。赤髪の長髪を一つにまとめた外見と振る舞いから彼らより組織に所属する歴は長いだろうと誰もが思う。
その後に第十部隊の第三席であるルエナール・ルクスフォルマーナに、双子と思わしき桃色と青色。
「はい、同じく第十部隊『無滅神罰隊』の第四席、シャルナです」
「はい、同じく第十部隊『無滅神罰隊』の第五席、フェルメです」
前者の三人に倣ったのか、雰囲気に合わない落ち着いた自己紹介を双子はする。口数が少ないというより初対面だからこそ、自分の情報を打ち明けることを躊躇しているのだろう。
まぁ、それはどっちも同じであるが、概要として必要だろうとクロノスは彼女らが双子であり、シャルナが姉でフェルメが妹だと付け加えた。
そしてその礼儀から『無限の星』はレイム、レイネルを始めとして二十五人が自分の名前を言った。
途中で長い、と最初に自己紹介をした者、レイムを含めて思った。
そして全員が一応、名前を打ち明けてクロノスは初めに善なる組織の概要を話し始める」
「我々の組織は宇宙の善を掲げ、数多の世界、この宇宙の悪を滅するために日々活動しています」
「へぇ、宇宙……」
「はい、我々は世界からの悪性より、宇宙の悪と呼ばれる悪性を辿って対処を行っています」
「ふぅん、その宇宙の悪が、ここで戦った、あの~」
「悪の組織『混沌神殿・対真善殲滅機構』の最高戦力、十番隊『暗黒満月』だよ」
そうソージが補足する。
「他に情報はありますか?」
少しの間の後、レイムが口を開く。
「十番隊っていうのは、私を狙っていた」
今思うと、彼らの目的は彼らの行動から推測できる。
それを聞いたクロノスは神妙な表情を浮かべて思考を巡らす。
「我々が敵対している組織と同じ名称、そもそもその名前を偽るなんてこと、その組織の存在を知っている者ならあり得ないこと、ならば、本当に悪の組織の精鋭部隊の一つと対峙したと……状況から察するに偶然の出会い、なんてことではなく、必然的なものだった。それほどまでに悪の組織はあなた様、レイム・レギレス様を重要視しているのでしょう。まぁ、それは納得ができます――」
その最後の言葉に皆が興味を持つ。
明らかに彼女は知っている。今まで不明であったレイム・レギレスという存在を目的とした悪の組織の理由を、明らかに彼女には心当たりがあるのだ。
「ねぇ、なんで私は狙われたの? ただ強い力を持っている、だけじゃないでしょ」
と、レイムは気になり過ぎて少し強く言葉をクロノスに投げる。
「はい。そうですね、別に隠す必要はないですが、情報量に圧倒されないように、順番に説明いたします。その最後――我々、私のお願いを聞いてください――」
クロノスは一段と真剣な表情をしてレイムの方を向く。
この宇宙の歴史の一つと言っていいもの、宇宙の善とか、宇宙の悪……それこそが宇宙を決めるものだと、まだ世界の内にいる生命、星から飛び立つ前のレイム達にクロノスは宇宙の話を始めた。
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