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128話 第五位・灼熱地獄⑥



 それが固定され、絶対に到達する弾丸を受け、更に剣撃で刻まれる。

 だが、それで打倒できるのはシリウスの同格か、相性次第の格上だろう。シリウスはエマを『座標』として指定しているが、それはエマにとってはただの肉体に留まっている。

 肉体を破壊されようと、それで痛みがあろうと、魂が強固であり、能力との適合率が深い場合……。

 端的に言うなら、能力を伝って自分の『魂』をよく理解し、存在の位階を上げたものなら、肉体が塵になろうと『魂』、そして『意思』が無事なら、すぐに肉体を再構築することで元通りになる。

 こうなる次元の存在、高次元生命体と表せばいいだろう。ランク付けするなら、惑星級SSSランクなら、十分にあり得ることであり、それは存在の最高位に位置する。


 だが、隙は生まれるだろう。

 肉体が死滅すれば、皮としての役割がなくなるため、『精神』や『魂』をシリウスが知覚することは容易くなるだろう。


 しかし『魂』が露出しようとその存在を維持できるレベルの存在の『魂』を消滅させることが出来るのだろうか。


「ぐッ――――」


 銃弾、刃によっての痛みが全身に響き、鮮血が飛び散り、肉体が動かすのに必要な血とともに感覚も零れ落ちていく。肉体が死滅しても大丈夫であるが、『魂』は全ての存在において弱点である。

 そのため、いくらエマでも余裕に浸っているのは危険であるのだ。

 存在を構成する要素である外側『肉体』が破壊、亀裂が入ったことでエマは肉体の制御を失ってしまった。

 大魔王の肉体に亀裂が入り、肉体が崩壊する寸前、シリウスはそれを見逃すわけもなく、長銃の銃口を向ける。


 そしてそれは確かにシリウスの目に移った。

 赤いそれ。存在の外側、外郭である『肉体』が裂け、『精神』の奥にある存在の核である『魂』が……真紅に輝く『魂』が見えた。


 それは宝箱の中にある金色に輝く財宝のように強く輝いている。

 存在の核、最上位の存在でなければ、『魂』を中心として失った『精神』や『肉体』を再生することは出来ずに霧散してしまうだろう。


 だが、それを知った上でエマ・ラピリオンはこの行動に出た。

 事実、自分自身の原初に立ち返ったことで能力の覚醒を果たしたことで十分に力を発揮できていない。

 だが、これは自分にとって試練となる。


 そしてシリウスは見えたそれに指定した地点へ絶対に到達する弾丸を放つ。


「――〈遠座えんざの弾丸〉」


 太陽に帰した大魔王の『肉体』は崩れ、『精神』に防御力はなく、『魂』は無防備な状態であり、エマ・ラピリオンは防ぐ術はない。


 そして白銀の弾丸はエマ・ラピリオンの『魂』へと到達する。

 痛みはない、いや、感覚というものは『肉体』や『精神』が感じるものであり、『魂』までその情報は届かない。


 ただ消滅することだけは悟る。


「ッ――――」


 そして『魂』は繋がる。




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