127話 第五位・灼熱地獄⑤
「まだまだぁぁぁぁぁッ!!!」
テンションが、気持ちが、上がっていく。
「あははははははははははははははッ!!!」
幼い少女は高らかに声を上げ、爆笑する。
エマ・ラピリオンとシリウスは今起きている戦いを心の底から楽しんでいる。
それは烈火の如く、燃え上がり、自分の限界まで膨張し、その形と規模を増幅させていく。
身体の痛み、感情の楽しみ、刺激を受けて何かが生じる。
「――〈遠座の弾丸〉ッ!!」
再度、シリウスは弾丸をエマに発砲する。
それに対抗し、防御ではなく、シリウスに炎の流星を落とす。地面に触れると着弾した地面を巻き込み、爆発を起こし、大地を抉る。
だが、身体強化型の世界系〈座標の世界〉を展開して防御力が向上しているため、シリウスの動きを止めることはできない。
「うぐ……煩わしいな」
自分自身を魔力で強化しているため、血が出ているが、実質、無傷であるが、何も感じないということはない、うるさい蟲が身体に触れたようなムズムズの感覚がエマに気に入らない。
「――〈熱核膨張〉」
その瞬間、全方位に奔流の如く、魔力が放出する。
それは太陽の膨張を表した権能、出力を拡張することで魔力放出量を増やし、放出された魔力自体も増殖する。
レイム・レギレスに匹敵する魔力総量、更に特徴としてエマの魔力は常に増殖しており、それを応用した瞬間的火力ならレイムを上回る。
そんなエマの熱を帯びた魔力が周囲を塗りつぶす。炎や熱の発生源としてエマ・ラピリオンは真紅に染まっていく。
炎の流星の後に人影が見え、もう一度、炎の流星を繰り出そうと左手を上げるが、それに中身がないことに気付く。
「残像……ッ!!」
自身の魔力が周辺に満ちている今、魔力感知は万能の域に近いだろうが、自分が攻撃をすると瞬間火力の爆発で一瞬、ノイズのようになってしまうため、その間に動かれると捉えることができない。
――〈影座の点像〉
その一瞬でシリウスは移動し、横から弾丸を放つ。
「また?」
真紅の魔力が満ちた空間に移動する弾丸は速度を削がれる。エマは黄金に輝く聖剣を振りかぶり、弾丸を叩き落とそうと振り下ろす。
いかに『座標』であろうと破壊不可能である神器が軌道上にあり、衝突すれば、権能の効果を叩き潰すことができるだろう。
だが、それがさっきの〈遠座の弾丸〉なら、その対抗策は可能だっただろう。
「ッ――――」
その瞬間、エマの全身が固まった。
――な、なにが……座標の停止?
「――〈停座の弾丸〉」
シリウスの別権能にてエマの『座標』である身体は固定されたが、固定されたのは身体のみで思考することは可能である。
これくらいで【太陽】を司る大魔王エマ・ラピリオンを止められるだけがなく、思考だけで炎熱を操ることができるが、シリウスは畳み掛ける。
「――〈遠座の弾丸〉」
全方位からの発砲、十の弾丸がエマを襲い、更に《座標長剣エルテ》が追撃する。
「――〈対座の点解〉」
指定した『座標』はエマの身体、もっと詳しくするなら、エマの存在としての『枠』である。
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