119話 第四位・烈光華戦⑥
「――《一条光者》ッ!!」
花弁の壁を斬り裂き、ミルウェに接近する。
「――〈解語之花〉」
その黄金の刀身がミルウェに接近する寸前で色とりどりの花弁が魔力となってソピアの剣先に集束して半透明の花が開花した。
それによってソピアの剣撃は防がれた。
花というものは美しいものであるが、強いイメージはなく、それはソピアでも同じだ。手に取れる花は力を込めてばくしゃくしゃにできる。
どんな世界でも屈強な花なんて少ないだろうが、さっき自身を追い詰めた巨大な花は違った。
そんなものが存在しているのか、なんて関係はなく、神クラスはその性質に合わせて能力の効果は本人の意思で拡大されていく。
その性質の線上に関するものなら、発想から具現化、生み出すことなんて容易い。汎用性が高いものなら、尚更、本人のスペックも分かりやすく性能に現れる。
「――《月輝燦然》ッ!!」
攻撃を防がれようと顔色一つ変えずにソピアは別の剣技を放つ。世界系という能力の権能の中でも奥義を展開しているのだから、先ほどより性能が向上しているのは当たり前だ。
しかも領域環境型なら、時間経過とともに性能が向上するため、時間をかけることは自分が敗北する可能性を速めているだけだ。
だが、まずは勝利する方法を見つけ出す、具体的には能力の穴、隙を見つける。
ただ、火力で攻められるなんて、本物の強者、本物以上の怪物しか通用しないやり方なのだから……。
そしてソピアは防がれた半透明な花に向けて剣技の中でも圧倒的な連撃を浴びせる。
だが、その半透明な花を砕くことは出来なかった。
「ふん……なるほど」
その半透明な花は見た目より頑丈だと思ったが、それは違う。自分が与えた攻撃が下に、いや全方位に流れていくのを感じた。
恐らくだが、世界系を展開しないと使えないか、性能を発揮できないものなのだろう。
そしてあの半透明の花弁の強みは防御性能ではなく、自動で防御する性能だ。領域環境型の範囲内に踏み込んだ相手の魔力を感知して一挙手一投足を観測する。
それが攻撃に転じ、魔力が世界系の中心であるミルウェに向かった際に自動的に半透明な花弁がその軌道を塞ぐ。
自動性能、それは世界系の中心人物であるミルウェの意思とは別に領域環境型に限らず、神クラスの能力を持つ者なら、発現することは可能性として存在する力の一つ。
端的に言うなら、所有者の意思とは別に能力の意思で顕現する事象を肩代わりしているということだ。
それが可能となるなら、能力との繋がりが太く深いものとなっている。お互いが、お互いを理解しているという証拠となる。
そして半透明の花が自動防御をし、その受けた力を領域環境型である範囲内に衝撃を流すことで魔力消費を抑えている。
いや、それは彼女の能力の中で防御力に特化したものはないのだろう。
花というイメージから盾のようなイメージは流石に湧かない。
それが正確か分からないが、自動防御を突破することなら、やりようはある。だが、それと同時に決定打を与える必要がある。
どんな手を打とうと結果的にソピア自身も世界系を展開しなければ、勝利は難しい。魔力も無限にあるわけがなく、このまま切り札を使わずに魔力を消費するのは愚の骨頂だ。
ならば、更なる覚悟を決めるしかない。
「――『純潔神冠』……〈純潔の世界〉」
そしてソピアは己の世界を顕現させた。
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