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セカンドワールド!  作者: こ~りん
四章:変幻自在のベトゥリューガー
73/115

73.生まれ変わった腕鎧

設定などの欄を削除しました。いずれ外伝などと纏めて投稿する予定ですが、今のところ未定です。

 □【地平線の騎士団】クランハウス・ロザリー


 翌日、ふもっふさんから装備を受け取りました。

 気絶による強制ログアウトだとアバターがその場に残されるので心配したのですが、お昼には何食わぬ顔で納品してきましたよ。


====================

【彷徨の竜鱗腕鎧】

 大地を歩き、大地を纏う竜の鱗を素材に創られたネームド装備。並大抵の金属では傷つけることすら出来ない。影のエレメントの性質を取り込み、精霊の炎で鍛えられたことで装備者に加護を与えるに至った。

【彷徨の加護・影】

====================


 これが私の新しい装備。彼女が魂を込めて作成したネームド装備です。色合いは【彷徨竜の擬鱗鉱】によく似ていて、黒色は裏地だけになりました。

 【シュヴァルツァー】の要素だった【影追】が消えていますが、そもそも使っていなかった気がするのでいいでしょう。


====================

【彷徨の加護・影】

 大地にある限り不変である。影がある限り永劫である。

 大地の上に立つ限り、消費した生命力及び持久力の一割を回復する。影の上に立つ限り、消費する生命力及び持久力の一割を軽減する。

====================


 その代わり、ぶっ壊れ効果が付いてきました。

 ステータスに直接補正が入る効果ではありませんが、長時間の戦闘を前提とするなら、これは付け焼き刃のステータスより有用な効果です。


 消費した、の定義は検証しておく必要はありますが恐らく、受けたダメージの一割分のHPを回復するのでしょう。スタミナも回復するのは嬉しいですね。


 軽減の方も同様の条件でしょう。地面の上に立つか影の上に立つか……うん? 夜なら常に軽減効果が発揮されるって事じゃないですかこれ?

 うっわぶっ壊れ。


 まあチートじゃないのは確かですし使いますけどね。

 しばらくは妬まれるでしょうけど、そもそも人とあまり交流してませんし、問題無いですね。


「――それにしてもぉ、真化ですかぁ」

「【合成】系の最上位スキルじゃないと難しそうですけどね」

「鍛冶にも応用できそうですがぁ、まだまだ未熟な状態で取得するにはぁ、躊躇いがありますねぇ」


 私が受け取った装備を確認している間、ふもっふさんはハルバードに施された真化を、うっとりとした様子で眺めながら考察していました。

 【呪怨支配】があるので効果範囲内では無害化できますが、カースドウェポンなのは間違いないですからね?


「ところでぇ、ユキさんは何処へぇ?」

「ユキは……急にシフト入ったって泣いてましたね。風邪引いた子の代わりだそうです」


 イベント開始した日の夜に連絡が来たそうです。月曜日から水曜日までの三日間、彼女は学校が終わり次第バイト先に行かなければならなくなっています。


 彼女がログイン出来るのは明後日からでしょう。

 私はその間もイベントに参加して経験値を稼ぎますけど。


「アルバイターは大変ですねぇ。私には関係の無い話ですがぁ」


 ♢


 イベントは盛況のようで、トップ勢が鬼としてマッチングした時は掲示板が阿鼻叫喚となっています。

 私以外にも五〇キルを達成した人がちらほらいるらしく、彼らとマッチングしてしまった不運な人は、ろくに経験値も稼げないまま脱落していますね。


 それと、稼げた経験値に応じてポイントが手に入るようです。その点に於いても序盤で脱落した人は不運ですね。

 脱落させた側の私はポイントうまうまですけど。


《――ゲームセット!》

《――残り人数:0/100》

《――スコアが記録されます》


 おっと、一五分以上残して終了ですか。

 かくれんぼなのに向かってくる人がいるのもありますが、鬼側の捜索効率が上がったのが一番の理由でしょう。

 私は持久力が強化されたので速度を維持しやすくなりましたし、他の人も同様に工夫したりしているはずです。


 なぜ隠れる側の彼らが向かってくるのか疑問だったのですが、実は鬼を倒した場合、普通に逃げ切る以上の経験値が入手出来るらしいのです。

 トップ勢だけが鬼になったわけでもなく、一部のNPC――住人かもしれませんが挙動が限られているので――やいわゆる中堅勢も鬼として参加しています。そんな彼らを倒した際に入手した経験値量が莫大だと広まり、結果トップ勢にも挑んできたというわけです。


 ちらほらと不満を言っている人も見掛けますが、その人達は数える程度で、装備も貧弱だったので第二陣の初心者でしょう。

 始めたばかりの人が先行している人にすぐさま匹敵できるわけないでしょうに。


 木曜日になればユキも復活し、鬼による狩りは余計に効率が上がりました。ランキング上位は殆ど鬼で埋め尽くされています。

 なので、この状況で上位に残っている鬼以外の人は要注意ですね。


 特に目立っているのはディルックさんとアジューカスさんでしょう。ディルックさんは言わずもがな、アジューカスさんも中々の実力を有しています。

 逆に鬼側で目立っているのは私ですね。リンゴさんもよく名前を見掛けます。


 ランキングは一位から一〇〇位まで公開されているのですが、私は総ポイント数で三位に、最多キル数で一位になっています。

 総ポイント数の一位はグレイです。あの野郎しれっと稼いでやがります。


《――タイムアップ!》

《――残り人数:1/100》

《――スコアが記録されます》


 ああ、アジューカスさんに逃げられてしまいましたね。やはりトップ勢と呼称されるだけあります。

 あの人システム的には他の人に先を行かれているのですが、本人の技量でその辺りを補えるタイプらしく、対戦するとなると厄介なんですよね。


 リアルで道場なり通っていたのでしょう。

 ユキのような器用さではなく、洗練された武を感じました。

 さて、時間はまだあるので引き続き――


《――イベント進行中のため申請が却下されました》

《――ポータルへ強制転移します》


 ……は?


《――来訪者の合計スコアが一定値に達しました》

《――全てのフィールドが統合されます》

《――統合されたフィールドは一定時間後に入場可能となります》


「はあああああああああ!? 聞いてねぇぞこんな仕様!」

「待て待て待て待てぇ!」


 強制的に転移させられた先は、異人が一番多く集まる王都でした。王都にはポータルが複数あるので転移先はバラバラですが、突然の出来事に声を上げた人が多く見受けられます。

 私もちょっと硬直しました。

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