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息ぬき手ぬき、まぬけな日記  作者: ポン柑ぴ壱
1章 書くこと
3/17

『推敲』



『推敲』という言葉が好きなんです。


 まず漢字がかっこいい。

〝敲〟っていう字、〝高〟を偏でつかっちゃってるしw、右側のやつ〝支〟じゃないしw。なんじゃこれ!感のわりに、バランスが綺麗。


 ほんで『推』『敲』ですよ。カッチョよろしいです。


 でパッと見、意味分かりそうで、意味不明。字を見ただけじゃ意味不明なんだなこれが。


 語感も(すいこう)って、なんかこう、そう、流れゆくーみたいな、そんな感じします。〝高〟があるから、高みに進んで行くような、あるべき所に自然とたどり着くような。な感じ。

 しません? します。



「推敲してます」


 て言うと、なんか格好いい雰囲気しますよね。

 もっと具体的にしますと、


「ちょっといま推敲してますから」


 インテリな感じだし、言い返せない雰囲気がありますね。もしくは、


「もう少し推敲してから帰るよ」


 非常に頑張ってる感が出てますね。


「いやー、めんごめんご、ちょっと推敲してたんだ」


 許せちゃいそうです。


「君っ! 君、いい推敲してるねえ!」


「最後に…、最後に一つだけ……推敲…を…」


 ・

 ・

 ・


 さてと。

『推敲』を始めて知ったのは、たぶん中学校の故事成語の授業で習った時だったと思います。


 中国のすごい詩がうまい達人のような人がいて、詩を作ってる時に、〝推〟にするか〝敲〟にするか、たった1文字のために、延々と何日も悩みまくったと。そういうお話。


 たった1文字ですからね、イカレてるなあと思ったんですけど、すごく印象に残りました。たぶん当時から私は優柔不断だったから、なんかしら共感してたのかもしれません。


 その後、何かをつくる時には事ある毎に『推敲』という言葉を思い出していました。文書に限らず、絵とか工作でも、パワポとか、あとゲームでも。

 よく悩むんです。ああでもないこうでもないと。こっち、いやこっち。なにかと時間かかっちゃって。

 そういう時に、詩の達人だって1文字のために何日もかけんたんだと、自分を肯定していたんです。悩むとは言いましたが、それは自分にとって楽しい行為でした。

 そう、『推敲』は楽しいです。



 で最近の話。このサイトで小説などを書いてみて、そして小説の書き方指南みたいなものを見て、小説における一般的な推敲の意味を初めて知ったんです。

 私の中で勝手に思いこんでいた『推敲』とはちょっと違っていたのです。


 小説の推敲って、あれなんです、しんどいんです。しんどい。

 なんていうかですね、微調整が多いんです。で、しっかり文面を追わないと分かんないでしょ。


 詩の達人の話はたった1文字だけど、それは作品全体にとって重大な問題だった。だから深く悩む必要があった。

 小説の推敲は細かいのが大量、一つ一つ手入れしないと全体が乱れてしまうという具合。細かいの苦手なんですよ。もっと大きな所で悩んでいたい。

 でもね、結局細かいとこめっちゃ気になるんです。気持ち悪いとこなんぼでも見つかるんです。何回読み直しても見つかる。投稿した後も思い出してあれやっぱ気持ち悪いっ、てなる。

 私、投稿した後から細かいとこしょっちゅう直してますよ。気にしいな奴なんです。


 だから疲れるんです。


 だから、

 なんか……嫌いになってしまいそう、推敲が……



 ちょっと、愚痴っぽくなっちゃいましたね。

 そうじゃなくて、もっと楽しい事を考えましょう。


 楽しい事、楽しい事……



  ここは大陸、中国のへき地だ。


  険しくそびえるお山のてっぺんに、


  筆と竹簡を携えた者が一人、


  座禅を組んで目を閉じて、


  馬頭琴の音色を背にしながら、


  龍が上空を駆け抜けるのも気にならず、


  〝推〟にするか、いやいや〝敲〟にしよう、

  いやいや〝推〟なのか、いやいやいや・・・




 こんな事がしてみたい。また楽しからずや。



正確な故事についてはwikiか何かを見てください。

私の中学の時の国語のテストはだいたい平均点以下でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] つらくて、くるしいのがキモチイイの♡ wwwwwwwwwwww
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