第99話 救世主は、ちょび髭?
愉快な仲間が、奴隷解放や領主様の誘拐をしたせいで。町の貴族連中に囲まれ、裁判をする事になった。
他の連中は、任務完了と奴隷解放のパーティーをしている。
おかげで、酒や飯を飲み食いして、おとなしくしている様だった。
これ以上、立場を悪くできんし。あのバカどもが、この場に居ないのは、助かったと考えるべきだな。
さて、なんて弁明するか……ふぅむ。
ダンダン!
「これより、奴隷解放ならびに、領主様、誘拐の容疑で、レジスタンス、リーダー、ユーリ・ディザアの審議を行う!」
「レジスタンス!」
ダンダン!!
「騒がしいですよ。ユーリ・ディザア!」
「あ、申し訳ありません」
はぁ、なぜ俺がレジスタンス、リーダーなんだよ。領主様は、いないが。
ここは何としても、言い訳をせねば!!
「では、被告ユーリ・ディザアに言い渡す『死刑!』」
「ちょ! まだ何も話してないんだが!」
「何を言っているのです。奴隷の解放、我らの領主様の誘拐、奴隷と共に領地を制圧しようとした者に、死刑以外、何があるのです!!」
「ぐっ!」けど、領地の制圧なんてしてないだろ!
「そうだ。そうだ! 我らの領主様を、誘拐した者には、死、以外ありえません!」
「そうですわよ。あの様な貧相な、やからに、わたくしの財産を奪われるなんて、想像したくもありませぬ!」
やばい、貴族連中まで盛り上がり出したぞ。けど何も思いつかん!
「いえ!! 誤解ですよ! 領地制圧なんて考えてないですよ!!」
「ふん、領主様の誘拐だけでも、死刑だ。議論に意味はないわ!」
やべぇ、反論すらできないぞ。なにかねぇかなぁ。なんもねぇ! んおぉ!
いっその事イフリータ呼び出して、暴れて逃げるか、だがそれじゃぁ、マジで全世界に指名手配されるだろうし。
けど、このままだと、どのみち死刑だし……。
ダァン!
「だれだ! しんぎちゅ! これは、フレディーノア様!」
「はぁはぁ、どうやら、間に合ったようだね」
「世界の人々の暮らしを見るため、各地を回って、いたのでは?」
「あぁ、領主になるため、まだまだ勉強の旅の途中だよ」
「でしたら、なぜ」
「父が誘拐されそうになったと聞いてね。丁度近くにいたから、一旦、町に帰る事にしたんだ」
「そうでしたか。領主様は、怪我はしておりませんので、ご安心ください」
「あぁ、父には、会ってきたからわかっている。これからは僕も参加するよ」
「かしこまりました。フレディーノア様」
裁判官が、丁寧に話してる? 偉い人みたいだな。
ちょび髭のダンディなオヤジが、裁判官の隣に座ったぞ。
けどなぁ、ちょび髭、俺は、もう死刑らしいんだよ。もうイフリータを召喚して、世界から指名手配されるしか!!!
む? むむ!! あのちょび髭、みおぼえが、ひょこひょこ表情の様に動く、ムシりたくなる、あの、ちょび髭は!!
酒場のマスター!! 無口キャラだったのに、何ダンディー、スマイルでペラペラ話してんだよ!
おかげで、さっきまで、妖怪ババァだった貴族が。お嬢様たちに変身して、あんたに夢中だよ!
「見て見て! フレディ様よ、いつ見ても、素敵だわぁ」
「あのお髭に、一度でいいから、触らせていただけないかしら」
ヒゲ……酒場で、イフリータのオモチャになってたんだが。
ピコンピコン!
なんか……ウインクしてるんだが、言うなって事か?
オヤジのウインクか、キツイな。だが、これなら助かるかな。助けに来たんだよな? ヒゲ! いや、フレディー様!!
「コホン、話は聞いている。私の父、領主誘拐により死刑なのは仕方ないだろう」
「わかっております。フレディーノア様」
おいぃ! ちょび髭! ヒィゲ!! むしるぞそのヒゲ! お前、助けに来たんじゃないのか! 何するために、そこに座ったんだよ! ヒゲェェェ!
「だが、領民を守るためとはいえ、侵略し奴隷を増やした父にも、責任はある」
「フレディーノア様!」
「すでに父には、話をつけてある」
「ですが、この騒ぎをしずめるには、死刑以外……」
「それが、あるんだよ」
「フレディーノア様。それはいったい」
「ユーリ・ディザア。君には、奴隷と処刑される者達の全てを買い取ってもらう」
「え、かう?」
「あぁ、そうだ。買うんだよ。すべてをね」
え、いや、助かるなら、買いたいが。それっていくらだ。俺の手持ちは確か、金貨97枚くらいだが、買えるのか?
たしか、金貨1枚10万だから、970万……全員の命買える金じゃないよな?
てか、ヒゲが俺の所持金知ってる訳ないし。何かのなぞなぞか?
周りの話を聞いてたら、何かわかるかな?
「彼は明らかに平民、今回の罪人や奴隷を全て買うなんて不可能。まさか、フレディーノア様が、冗談を言うなんて驚きましたよ」
「ふふ、可哀想に、あんな平民が命を買うなんて、無理なのに、あんなに悩んじゃって」
「さすがは、領主様のお子様だけはありますな。我々貴族には想像できないやり方で、平民を苦しめるとは」
「当たり前よ。私なんて、警護の為に、金貨100枚で、女郎族を買ったんだから、モンスターに狙われる町で、奴隷を手放すなんて無理よ!」
1人金貨100枚! 1人すら買えないんだが。ちょびヒゲェェェ、どうしろってんだぁ!
ヒゲ、ピョコピョコ。みょいーん! ピン!
ヒゲむしりたい……
次は、水曜予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




