第97話 領主様、誘拐って。どのくらいの罪ですか?レジスタンスってどれくらいの罪ですか!!
「はぁ。勇者が死に、どの地域も忙しい中、依頼を受けてくれた事には、本当に感謝している。おかげでポーションの素材も集まったのだからな」
はは、ならこの氷の様に冷たい大刀は何かなぁ。リディアさぁん。
「だが! 守るはずの拠点を破壊し! 昨日、戦利品とし捕まえたばかりの女狼族を逃すとは、なにを考えておるのだ!」
ぼくにもわかりません! 本当なんです、信じて下さいよ……信じるわけないよな……はぁ。
「ユーリには、領主様に会ってもらい、裁きを受けてもらう」
どんな裁きになるんだよ! まさか俺も、あの子達みたいに奴隷か?
イフリータの背後では、鉄の足枷に、首輪をつけた女狼族たちが、こちらを睨んでいる。
かなり多いが、犬族中々に色っぽい。イフリータの隣には、銀髪の凛々しい子も居るな。
ん? 馬車の音。
ガラガラ、ガラガラ、ヒヒィン!
あれは! 愉快な仲間! フェンリにロッティ!
「イフリータさぁん、匂いをたどって、他の女狼族のみなさんも、解放してきましたよぉ」
「ハムフフ、犬っ子達の輸送完了。これで、全員だよ! ハムッフゥ!」
……まじ、何してんの。あの愉快な仲間ども。
「ヒック! でかしたわよ! フェンリ! ロッティ!」
「いえ! 同族のためですし、わたしは、なんだかわかんないけど、やらなきゃいけない気がするんですよ! イフリータさん!」
「フェンリも、燃えてるわね」
「タヌ! よくわかりませんが、ご主人様も喜んでくれますよね! エクリアさん!」
「はい! それは間違いありませんよ! タヌヌ。ユーリは女好きですからねぇ。奴隷が増える事には、かんむりょうでしょうとも!!」
何やってんのこの子たち! まじで俺達レジスタンスじゃねぇか!
いや、確かに美人が増えるのは嬉しいが、こんな事したら、それどころじゃないわ!!
ここまでやるなら、領主捕まえて、領土奪い取れや!
「あ、そうでした、犬っ子達の解放の時に、なにやらうるさいオッサンがいたので、捕まえて来ましたよ。イフリータさん」
「タヌ! タヌヌが捕まえました。馬車の中にいますよ」
「お手柄ね。タヌヌ!」「タヌヌゥ」
ガタガタ、ズドン!!
馬車が揺れてグルグル巻きのおっさんが落ちたぞ。あれか捕まえた、おっさんは。
「むごむごむごご!!!」ジタバタ、ジタバタ!!
【りょうしゅさま!!!】
「ぶぼふぉ!」マジで捕まえるなよ。冗談だろ。いや、冗談だと言ってよ……。
「はぁ、ユーリ。キミとは仲良くなれると思ったが。お別れの様だな」
「あはは、リディアさん。それは……」
「決まっている。処刑の時間だ」シャキン!
「ちょま!『ポヨンポヨン』ん、クイーン」のでかい胸が近づいてきた。何する気だ。
「あらあら、お姉さんどうしましょう。仲間がレジスタンスだったなんて、驚きすぎて、全身、汗で、びっしょりだわ」
「お前はずっとびしょびしょだろ」
俺だってこの、わけわからん状況で! 全身の穴という穴から体液が、あふれでて、ヌメヌメだわ!!
「クイーン殿。邪魔をするのならば、無関係とはいえ、奴隷のあなたも、斬るしかありませんよ」
「そんなに焦らなくてもいいじゃない、リディア隊長」
「領主様に手を出したのです!」
「誰も死んでないんだから、先ずは話をしましょう」
「この状況で、なんの話ができるのだ」
「こんな物があるんだけど」キラン!
「それは!『漆黒の結晶!』結晶は黒に近いほど強力になるが。本当に黒い結晶なぞ、伝説級の存在、そんな物どこで!」
「ふふ、それは、ヒミツよ」
あれは、色や形は違うが。確か町の設備を自動で動かすのに必要な、魔力結晶になる結晶だったな。
「確かに、それがあれば、多くの領民が安心して暮らせます」
「ふふ、でしょ」
「しかし、ここ迄の事態では、私の一存で、交渉は出来ない! よってこの場は、拘束のみにする」
「まぁ、そんな所かしらね。旦那様」
「あぁ、助かったよ。クイーン」
リディア隊長が、他の隊員に、俺達を見張らせ、イフリータの方に向かったので、周りに聞こえない様に、クイーンと話した。
「けど、漆黒の結晶なんて、どこで手に入れたんだ?」
「エルザお嬢様から私が吸収した魔力の結晶よ」
「エルザお嬢様から?」
「えぇ、私の体は、足の爪先から、太もも、お腹、胸、髪の毛まで、すべてを旦那様の魔力に制圧されちゃったから、吸収した、お嬢様の魔力は、いらなくなっちゃったのよね」
クイーンは、太ももからお腹、胸を撫でる様にして、俺を魅了する様に話していた。
「ゴクリッ、そうか」
やべぇ、この子、本当に俺の奴隷なの! これは何としてでも、この窮地を生還しクイーンとの夢の生活を成し遂げてみせる!
「漆黒の結晶は、旦那様に渡しておくわね」
「あぁ、ありがとう。クイーン」
「おい、ユーリ! 今は拘束を解く! まずは、あの泥酔メイドどもを、なんとかしろ! これでは話もできんぞ!」
「わかりました。リディア隊長」
ふむ、ここは、みんな無事でいられるやり方で話をするか。
あのお子様どもには、怒るよりは、ほめ殺す方がいいだろう!
「お前らよくやったぞ!」
「ふん! 当然の反応ね! 見なさい。私達の成果を!」
見ろって、奴隷たちをですか。イフリータさん。確かに、綺麗な犬っ子が大量だが……犬っ子が手に入っても、死刑になったら意味ないんだが。
今は、ほめるか。
「よくやったぞ! イフリータ! 奴隷は全て自由だ!」
「ふふん! 当然よね」
「タヌヌも、役に立ちましたか? ご主人様」
「あぁ、タヌヌも、よくやったぞ」
「タヌヌゥゥ。ほめられましたよぉ」
はぁ、子供を騙すのは辛いものだ。
それに、周りの隊員たちの冷たい視線が痛いよぉ……。さっきまで仲良くしてたのに、はぁ……。ここまで来たら、やりきる!
「さぁ! 任務は終わりだ。明日は、任務成功のパーティーだから楽しめよ! もちろん奴隷だった女郎族も一緒だ」
「我らも宜しいのですか? ユーリ様」
ふむ、凛々しく綺麗な、銀髪の犬っ子だ。太もも、お腹の筋肉美も美しい。女狼族のリーダーかな。
「もちろんだ。奴隷は解放されたのだから!!」
「ありがとうございます! みんな我らは自由だ!」
【ユーリ様!!】
みんな盛り上がってしまった。リディア隊長に、まだ聞いてないんだが。小声で聞いとかないと。
「えと、リディア隊長、パーティー大丈夫ですか。話の流れで、女狼族も、自由にパーティー参加で」
「はぁ、仕方あるまい。ユーリを人質にする以外で、イフリータ殿を倒すのは無理だろうからな、明日の昼からパーティーだ」
「はは、助かります」
「どの道、ユーリ達の処遇を決める為の準備もあるからな」
「はははは、はぁぁぁぁ」どうなるのかな俺。
次は来週、月曜日、予定です。
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