第93話 スケルトンウルフ討伐 うるわしのお姉様?
「ユーリ! チキンイエローに見とれてる場合じゃないよ。スケルトンウルフが、こっちにも来るよ!」
「はい! エルザお嬢様」別にあんな黄色いダチョウに見とれてはないんだが。
しかも、敵を倒すたびに、キメ顔で見てくるぞ。なんだアイツは。
「クェ! ポリポリ。ニカ!」みとれてねぇよ! こっちみんな!! ダチョウが!
「ホークアイのおかげで、こっちに集中できるんだから、ササっと片付けちゃうよ!」
ビュンビュン、パシッ!
エルザお嬢様の武器は槍か。魔王の娘だけど、流石に普通に戦うよな。
「この! シュシュ! うわ! 槍が骨の隙間に入って当たらない!」
カタカタカタ!
「クソォ骨の分際で笑ったなぁ!」
笑ったのか? 骨だから表情がわからん。
まぁモンスターのウルフより、骨の顔は小顔で少し可愛く見えてきたかなぁ。ペットにしたくはないが。
「骨相手じゃ槍は戦いづらいから、モードチェンジだ! 氷滄型」
お! 槍の刃先に白い冷気が集まってる。
「氷滄蓮華爆砕陣。これでカスっただけで、死んじゃうぞ!!」
シュ! ピキピキ、パキン!!
「おぉ、モンスターに当たった箇所が、氷の結晶みたいになって、砕け散った! 凄いな!」
「まぁざっとこんなもんだよ、さぁ次々いっちゃうよ!」
「エルザお嬢様に、見とれてる暇があったら、てめぇもたたかわねぇか。ユーリ!」
「はは、いやぁお嬢様がきれいだったから、ついだよ。ゼクス様」
「ふっ、まぁ気持ちはわかるがな。だが見とれるのは骨をぶっつぶしてからだ!」
「ぶっつぶす?」
「モンスターの骨は固くて簡単には切れやしねぇんだ! だから叩き潰せばいいだけだ! アックススタンビート!」
ドゴォォゴォォ!
おぉ、デカイ斧をまるでハエ叩きのように……あれは技だったのか? 本当に叩いただけに見えたぞ。
「奏でろ、両手斧《レオンハルト!》、裁きの咆哮」
「うわわぁ! 地震だ!」ガラガラ、ドゴォォゴォォ、ズドン!!
「ふっ、我がレオンハルトにかかれば、骨など枯れ葉も同然」
って! 洞窟でそんな技使うじゃねぇよ! そんな事もわからねぇのか。おぼっちゃま!
まぁ、黄金のライオン斧とか持ってたら、使いたい気持ちはわかるが。時と場所は考えろよ!
「粉々だぜ! つぎだ次!」ズガガガガガ!!
やばいな、ゼクスに任せてたら、洞窟で生き埋めになりかねん。ここは早く俺が倒すしかねぇ。
だが問題は、どう戦うか。
切っても効果が薄い敵か。俺なら切り殺せそうだが、斧で切れない骨を、見た目アルミホイル巻いた刀で、トウフを切るみたいに斬ったら、おかしいよな?
ここはやはり、魔法だな。ホネなら炎だが、洞窟で火なんて使ったら、酸素なくなっても困るし、エルザお嬢様と同じで氷にするか。
前に魔法リストを見た時に、丁度いいのがあったんだよなぁ。
えっと、確か真ん中辺りに、これだ、氷華乱舞
雪の結晶が敵に張り付き、氷の花を咲かせ、開花で岩をも砕き、氷の花びらが宙を舞い、敵を次々と襲う!
これならゼクスが洞窟を壊す前に、敵を全部倒せるだろ! 先ずは魔法を覚えて。ん? エルザの声?
「なんだ? 動かなくなったぞ? おーいどうしたんだぁ? スケルトンウルフゥゥ」
エルザが、槍で倒れたスケルトンウルフを突いてる、どうかしたのか?
「エルザお嬢様、どうかなさいましたか」
「それがね、ゼクス。スケルトンウルフに巻き付いたツルが、切れた途端、スケルトンウルフが動かなくなったんだ」
「ツルですか……。スケルトンウルフの足首には、確かにツルが巻き付いてますね。理由はわかりませんが。やってみればわかるでしょう」
ゼクスは詠唱し、エアロカッターを使った。
スケルトンウルフに巻き付いたツルが切れると、次々にスケルトンウルフは動かなくなった。
「全部動かなくなったわね。ゼクス」
「そうですね。何だったんでしょうか」
俺の出番は、なかったな……。
「クェ!」バササ! チキンイエローが喜んでるな。
せっかくだし、ホークアイさんに、チキンイエローの話聞いとくか。
「ホークアイさん、あのチキンイエローは、召喚魔法なんですか?」
「はい、色々な場所に魔法陣を書く事で、好きな場所に召喚できます」
「それは便利ですね」
「そうなんですが。町で魔法陣を書いたら、ラクガキと間違えられて、消されたりするのが難点なんです」
「ラクガキですか?」
「いえ! ちゃんと領主様の許可は、いただいているのですが。わたしは、その、絵が下手なもので」
「え? 魔法陣じゃないんですか?」
「私のチキンスキルは、チキンの絵を描くと完成するのです」
「なるほど、だからラクガキなんですね」
「はい」
そうか。だからブルーフラワー回収前に、ホークアイさんが、貴族連中の近くで、チキンの絵を描いてたのか。
「絵の練習はしているのですが、なかなか、うまく、ん。ふぁぁ、あれ……?」
「どうかしたんですか? ホークアイさん」
「いえ、疲れたのか、急に眠気が。すみません」
「確かに、想像よりは疲れましたからね」
「はは、そうですね」
そういや、スケルトンウルフを全部倒したのに、入り口で怯えてた貴族連中が静かだな?
あれ? 全員倒れてる、こわくて気絶したのか? あれ全部を運ぶのは無理だな。
何人か護衛を残して、洞窟の外で待つリディア隊長たちを呼んだ方がいいか。
ドサ、ドサ、ドサ。
「ん? 何の音だ? え! おい!! どうしたんだ、みんな! 何で倒れてるんだ!」
エルザ、ゼクス、ホークアイを確認したが、みんな息はしているが、話しかけても、起きる気配はなかった。
「いったい、何がどうなってるんだ……みんな眠ってるみたいだ」
ザッザッ! 背後から足音! 背後には赤いツボミがあったはずだが「ゴクリ……」モンスターが居たのか……。
「面白いわぁ。これまでも色々な化物と戦ったけど、まさか私の力が通じない者が存在するなんて、おねぇさん驚いちゃったわ。それで貴方は何者なのかしら? ぼうや」
うしろから! うるわしいお姉様の声だと!
ザッザッ!
ぶ! なんて破壊的な格好だ! 半分以上裸じゃねぇか!
赤いツボミは花を咲かせ、花の中からは、絶世の美女が現れていた。
かぐや姫ならぬ、ツボミ姫か!!
次は再来週の月曜日を予定してます。
更新遅いですが、またお願いします。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。




