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第89話 お嬢様《まおうのむすめ》は、人間の生活を謳歌《おうか》しています。

 さて、貴族の娘に化けた魔王の娘とはいえ、貴族の依頼だからな。


 失敗したら何されるかわからないし、ちゃんと準備をしたいが……これといって何もないんだよなぁ。


 魔王配下マジェスティの戦利品、刀身のない刀、イリュージョンブレードは、魔王の娘エルザの前で使うと、俺が魔王配下マジェスティを倒した事がバレるだろうから使えない。


 まぁ元々目立つだけだから、イリュージョンブレードを人前で使うつもりはない。


 だから今回は、冒険者登録した時に貰った、ただの刀を使うんだが……。


 ふぅ、見るからに安物だな、アルミホイルを巻いたみたいに、安っぽい輝きを放ってる。武器屋で武器買っとけばよかったな。




 コツコツ。お、リディアさんが来た。


「では、これより、それぞれの持ち場を伝える」


 きたか。


「エクリア、フェンリ、タヌヌは拠点の見回りをしてもらう」


「まっ任務ですし、仕方ありませんか」


「見回りなら、問題ないですよ! 任せて下さい」


「敵がいたら、タヌヌが倒してやりますよ」




「小さいのに頼もしいですね。では次に、町との荷物の運搬は、馬車を持ってますし、ロッティに任せましょう」


「ふふん、任せてよ。金さえ貰えるなら、なんだって運んじゃうよ」



「次に、拠点防衛の増援は、イフリータ殿に任せるとしよう」


「まぁ、当然ね。ヒック。ザコなんて消し炭にしてやるんだから、見てなさい」


 イフリータは、殿、呼びか。まぁ強いわけだしな。



 残るは俺とエクスだけだな。リディアさんがエクスを見たぞ。


「頼もしいが、酔っ払いには、お守りが必要だからな。真面目そうなエクスに、イフリータ殿のお守りを頼むとしよう」


「な! 僕の初任務が、お守りなのですか! リディア殿!」



「リディア! 私に、お守りなんて必要ないわよ!」


「すまないが。エクス。イフリータ殿は、先程から、岩に話しかけている。強くとも、あれではな」


「くっ、仕方ありませんね。僕の初任務だとゆうのに」




「では、最後にユーリには、私について来てもらい、別の場所で、任務を伝えます。いいですね」


「はい」



 みんなと別れ、リディアさんに、ついて行く道中「貴族の方達がいるから無礼のない様にな」とリディアさんから言われた。


 こっちのメンバーに、俺しか選ばれなかった理由は、簡単だった。


 戦える者の中で、貴族相手に言葉を選んで話せそうなのが、俺しか居なかったからだ。


 イフリータなんか選んだら、貴族の炭が完成しかねんからな。




 移動した先には、エルザお嬢様、俺に依頼を頼んだホークアイ。


 それに有象無象の貴族の青年が数十人いた。見た目からして、13~15歳ってとこだな。



「来たわね」


 お、取り巻きの男どもが前に出てきたな。


「おやおや、これは、見るからに貧相な身なりをしているじゃないか。なぁ」


「あぁ、エルザ様が、腕は良かったと言うので、騎士団の家系の者かと思っていたのですが。期待はずれですね」


「そうですね。持っている武器も、見てくださいよ。子供でも、あんなオモチャ使いませんよ」


「どこで売ってるんだ、あんな物」


 くっ、イメージ通りのクズ金持ちどもじゃねぇか。


「はいはい、私が決めた人に文句があるのは『だれかなぁ』」


【そんな、エルザお嬢様が決めた人に文句なんて、あるわけないじゃないですか】


 そんな長いセリフ、ハモるなよキモいんだよ。


 そして、俺をにらむな! 言葉と表情があってねぇぞ。男ども!



「ならよかった。悪いねユーリ。みんな一般の人と会わないからさ、緊張してるんだよ」


 いや、逆になれた対応で、見下みくだされたが。今は貴族と、もめたくないし、冷静に対応しないとな。


「大丈夫ですよ。自分も貴族の方達と会うのは、なれてないので、緊張してますから」


「そう言ってもらえると、助かるよ。それじゃ自己紹介をして任務の話をするとしよう」


 男どもの自己紹介は、家の自慢話が延々と続く退屈なものだったので、名前すら覚えていない。


 まぁ、俺がコイツらの名前を呼ぶことはないだろう。気安く名前を呼んだら、斬り殺されそうだし。


 俺の自己紹介も聞いてないから、お互い様だよな。



「さぁ、自己紹介も終わったし、任務の話なんだけど、ポーションの材料のブルーフラワーの収集だよ」


 ポーションの材料? 花集めか。けどそんな事、貴族がやるのか?


「えと、エルザ様」


「なんだ。ユーリ? 質問か?」


「えと、貴族様が、花集めをやるんですか?」


「あぁ、そんなことか。今は人手が足りないのもあるんだけど。この辺りで、ブルーフラワーが収集出来るのは、モンスターの生息地だけなんだよ」


「モンスターの生息地ですか」


「そ、今までのモンスターは逃げてたから、モンスターの生息地にブルーフラワーがあっても、簡単に収集できたんだけどさ」


「なるほど、勇者が死んで、勇者の宿命スキルが失われたせいで、モンスターが人を襲い出したから、モンスターと戦える冒険者が、ブルーフラワーの収集に行くんですね」


「そうなんだよ! こんな状態じゃ、他の街からの輸送も、望み薄だからさ、自分達で集めないとね。これからは、モンスターに襲われるなら、ポーションはどれだけ必要になるか、未知数だからね」


 なるほど、これじゃあ物価は、尋常じんじょうじゃないほど上がりそうだな。


 とりあえず、エルザの理由は、わかったが。


 周りの男どもは、どう見てもエルザお嬢様のご機嫌取りだろうな。



「エルザお嬢様、お荷物お持ちいたしましょう」


「え? いいよ、これ武器だから」


「でしたら、自分は肩をお貸ししましょう」


「ありがとう。けど自分で歩けるから、大丈夫だよ」


 こいつら……戦えるのか。

更新は、来週の水曜日予定です。


更新遅いですが、よろしくお願いします。

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