第88話 リディアの怒り。リディアvs酔いどれメイド
げ! 酒瓶持ったイフリータが、馬車から出てきたぞ!
せっかく話が落ち着いたのに、お嬢様の前で酒持ってるのは、やばいだろ!
「ヒック! ご主人様が勝ったなら、このままでも、いいわよね」
「おや、イフリータさん、何してたんですか?」
「んん、やっぱり、お酒がおしくてねぇ。馬車の中で様子を見てたのよ。エクリアも飲むかしら?」
「いえ、ご飯が食べれなくなるので、後でいただきますよ」
「あら、そう。グビ、ぷはぁ!」
なに、のんきに話してんの! あ、ホークアイさんの顔が真っ青だ。
「ちょ! イフリータさん! お酒はダメだってば!」
「これは、どう言うことです! ホークアイ!!」
「え、えと、リディア様、これは」
「負けた分際で、ピーピーうるさいのよ、あんた! ムカつくなら力づくで奪ってみなさいよ。ろしゅつきょうのおばさん。グビ、ぷはぁ」
「ろしゅつきょうだと……ユーリ」ギロ。
「はい、何でしょうか」にらんでるなぁ。
「君の事は歓迎しよう。だが、ユーリには悪いが、ユーリのメイドは、お嬢様に対する数々の無礼を働いた、許すわけにはいかん。この場で斬り殺させてもらう。よいなユーリ」
いや、お嬢様に対する無礼より、露出狂とか、おばさんって事に怒った様に見えたが。
「まぁ、あのメイドが悪いですし。リディアさんに、お任せします」
「では、ユーリの許可も出た事だ。貴様には死んでもらう。メイド!」
「遊んであげるから、さっさと来なさい。おばさん」
「くっ、一度ならず二度までも……いでよ! 我が魂の分身、豪炎の太刀!」
おぉ、太刀が炎で見えん、レアそうな武器なのに、今から壊れるんだろうな勿体ない。
「お嬢様、しばしお待ちください」
「かまわないけど、テントを燃やすんじゃないぞ。リディア」
「承知しております。準備をしろメイド」
「ザコに武器なんて使うわけないでしょ。遊んであげるから、さっさと来なさい。おばさん」
「なめるなガキが!」ダッ!
リディアさんが走り出した。あ、イフリータに手加減しろって言ってないけど、大丈夫かな? 殺したりしないよな……
「タヌ! 何だがわからないけど、頑張って下さいイフリータさん!」
「いえ、待って下さいタヌヌ。実力的に頑張ると、殺してしまうのではないですか」
「タヌ!」
「エクスの言う通りですよタヌヌ。ここは頑張らないように、応援しましょう」
「タヌ! エクスさん、エクリアさん。確かにそうですね。イフリータさん! 力を抜いて赤ちゃんを、なでる様に戦って下さい!」
「どんな応援よ。それにわたし、赤ちゃん、なでた事ないのよね」
「何を、よそ見をしている! 焼けて灰とかせ!」ダッ!
リディアさんが、飛んだ!
『豪炎滝落とし』
上空から振り下ろされた太刀を覆う炎の残像が、滝のように見える。
イフリータはどうするんだ。
「じゃあ、私は。秘技、神殺し」
神殺し、炎の魔法じゃないのか。どんな技だ?
ん、酒瓶構えた? あれは酒のラベル、かみごろし……って、ただの酒の名前じゃねぇか!
「ふぅ、酔っ払って、理解できていなかった様だな。悪いが技は止まらん。さらばだ酔っ払いメイドよ」
「秘技、神殺しスマッシュ!」
酒瓶で、野球打ちかよ。
ブォン! バキン! カランカラン。
「な、わたしの、豪炎の太刀が折れただと」
「タヌゥゥ。リディアさん、無事でしたねエクスさん」
「心配はしてませんでしたが。2人とも怪我がなくてよかったですね」
「さぁ、いい感じの温度になったから、神殺しを、あつかんで、飲むわよぉ~」
「ほう、あつかんですかぁ。夕方で冷えてきましたし、丁度いいですね。イフリータさん」
「タヌ! まだ飲むんですか!」
はぁ、リディアさんを殺さなかったし、とりあえずは、よかった。
ん、リディアさんに、エルザお嬢様が近づいてる。
「まさか、酒瓶で、豪炎の太刀が折れちゃうなんて驚きだね。リディア」
「申し訳ありません。エルザお嬢様。いただいた太刀を、折ってしまいました!」
あの太刀は、エルザお嬢様から、貰った物だったのか。マズイかな?
「なんだぁ。そんな事気にしてたのかぁ。気にしない気にしない」
「ですが……」
「私が戦いを止めなかったんだから、良いんだよ」
魔王の娘とは思えんほどの、女神様の優しさだな。
「それに、代わりならあるんだからさ。はい、鋼鉄の太刀」
さすがは貴族だな、レアそうな武器がポンポン出てくるぞ。
「ありがとうございます。エルザお嬢様、必ずやお役に立って見せます!」
「頼りにしてるよ。けど無理はしないでね。リディア」
「はい! エルザお嬢様!」
お、こっちに来た。
「ユーリ、キミの仲間は、凄いじゃないか。みんなメイドのイフリータちゃんみたいに、強いのかい」
魔王の娘に、正直に話さない方がいいよな。新たなる勇者とか言われて、魔王様に報告されたくないし。
「いえ、あのメイド服のイフリータは、特別で、他の仲間は、戦闘は得意ではありません」
「そうなのか。それは残念だ」
「確かに、私が先程、確認した時も、戦闘はしたくないと、言っている者が多かったです。エルザお嬢様」
「そうだったんだね。なら、イフリータには、テントの防衛を頼もうか? お酒を用意すれば、お願い聞いてくれそうだし」
「そうですね。エルザお嬢様。あれだけ強ければ、拠点防衛を安心して任せられるでしょう」
なんとか話しは、落ち着いたが……リディアさん、下着姿なのに、恥じらいがないのが素晴らしぃ! まさに戦乙女だ!
「でさ、リディア?」
「何でしょうか、エルザお嬢様」
「いつまで、男のユーリの前に、裸体を晒してるつもりなんだい?」
「は? な……」キッ!
あ、ドジっ子だったのかリディアさん。これはなぐられ「グガハァ」
「だまって、見てるんじゃない! エロガキが!」
リディアに顔面を殴られ、ユーリは大の字で空を見ていた。
はぁ、空が真っ赤に染まってるなぁ。俺の鼻みたいだ。鼻見えないけど。ん、エルザお嬢様の声。
「ほら、ユーリ、殴られたところ悪いけど、起きてくれ、出発の準備をしてほしいんだよ」
ガバ!
「え! 夕方だけど今から出発なんですか?」
「そうなんだよ。夜にやる任務だからね」
「わかりました」
は! あれは! リディアさんが岩に腰掛けて、汚れたタイツを着替えてる。あ、見てはいけない、また殴られてしまう。
リディアさんの着替えは気になるが、今は出発の準備しないとな。
次は月曜日予定です。
多忙のため、現在週1更新になってます。余裕ができたら週2に戻します。
スロー作品ですが。読んでくれて、ありがとうございます。




