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第87話 英雄の証明

 おいおい、マジかよ。夢で見たまんまの姿だぞ、マジで、あれが魔王の娘なのか。


「話は聞いてたからさ、説明は大丈夫だよ。本当に新人かはさ、調べればわかるって」


「ですがお嬢様」


「わたしがいいって、言ってるでしょ!」


「申し訳ありません。お嬢様」


「わかればいいのよ」


 むぅ、やはり魔王の娘って感じはしないな。人間に化けてるわけだし、下手に騒いでも仕方ないよな。


 てか、平民の俺が騒いでも、誰も信じないだろうからな。


 お、お嬢様が近づいてくる。



「先ずは自己紹介をしようじゃないか。私は、エルザ・リーベルト。領主の娘だ」


 魔王の娘だろ……たぶん。


「それで君の名前は?」


 相手は貴族だし丁寧に話しとくか。


「自分は、ユーリ・ディザアと言います。エルザ様」


「なるほど、なるほど、ユーリディザアだね」


 ん? 魔法か?


「新たなる出会い、信頼の証に、姿を表せ! ユーリディザア、冒険者ランクオープン!」


 ボフゥン! ブゥゥン……。


 ん、ランクオープン? なにか小さい風が吹いたが、周りが騒いでるだけで、何も見当たらないが。


「ふぅん、本当に最低ランクのFランクなんだね」


 え?


「タヌ! ご主人様、上ですよ! うえ!」


「うえ? うを! 頭の上に、Fのマークが立体的に浮かんでやがる。俺の冒険者ランクか」



「ほほう、こんな魔法があるのですか、私にも、お願いしますよ。エルザお嬢様!」


「最初から覚えてる魔法だから、自分に使ってみるといいよ」


「そうなのですか! では、我に秘められし聖なる魂の分身よ! 姿を表したまえ! ランクオープン!」


「どんな呪文だよ!」


 エクリアの頭上にFと浮かび上がった。


「やはり、Fですか。ふぅ、どうせなら胸をFにして欲しいものですが。色も味気ない無職ですか。ムカつく響きですね」


「なんで無色透明がムカつくんだよ」


「無職ですから」


「意味がわからないな」




「面白い子ね。ちなみに私のランクは、Dランクよ。それでこれは、Eランクから貰える、冒険者リング。ランクで色が違うのよ」


 キラン。銅のリングか。てか、魔王の娘なのに冒険者なのか。まぁ今は、話を合わせとくか。


「貰えるのは、Eランクから何ですか?」


「そりゃそうでしょ。最低ランクのFランク全員に、こんな物作ってたら、登録だけして、売る奴らが群がっちゃうでしょ」


「なるほど」前世でもいたな、無料でもらって、売る奴ら。


「まぁ、モンスターが人を襲い出して、冒険者になりたい人が増えすぎちゃったから。冒険者登録も、無料だったのが、人気になったとたんに、有料にしてるんだから、どっちもどっちだよね」


 そういや、俺が冒険者登録した時、キャンペーンとかしてたな。あれは、人手不足だったからなんだな。


 まぁ、モンスターが無抵抗じゃ、子供でも倒せるわけだし、冒険者に仕事なかったんだな。



 ん、リディアさんが、エルザお嬢様に近づいてる。


「それで、どうなされるのですかエルザお嬢様。最低ランクの冒険者を集めても、足手まといになるだけです」


「まぁ、ランクなんて国に貢献した目安でしか無いし、英雄とかの強さとは別だよ。リディア」


「そうですが、共に戦う者は、信用できる者でなくてはなりません! 英雄などと訳の分からない話ではなく。冒険者ランクのような、形に残る実績が重要なのです!」


「そうだね。リディアの言う通りだ! ならば戦ってみるのが早いでしょ!」


「へ、たたかう?」


「そ、ユーリくんと、うちのリディアがね。たたかうんだよ」


 なんだとぉ!


「エルザお嬢様の言う通りですね。英雄ならば強いはずですから、Aランク冒険者の、わたくしよりも弱いはずがないでしょう」


「Aランク!」マジですか、てかAランクってどのくらいだ? ライザ団長くらいだろうか?


「ランクを聞いただけで驚くとは……」


「ふふ、別に、テストなんだからさ、大丈夫だよユーリ。武器はそうだなぁ。あ! そこに落ちてる木の棒なんか丁度いいんじゃないか!」



 木の棒……あれか、片手で握るのに丁度いいのが、不自然に2本落ちてるな。まぁ、あれなら死んだりはしないかな。



 互いに木の棒を持ち向かい合った。


「タヌ! ご主人様! 頑張って下さい!」


「マスター、相手の動きを見ていれば、スローに見えるから、問題ないぞ」


「ユーリさん! 血を出すのは、やめて下さいね!」


「ハムっふぅ。残念ですね。お客さんが多ければ、賭けができたのにぃ」


「ロッティさん。それは無理ですよ。ユーリじゃ誰も賭けませんから」


 アイツら、のんきにも程があるわ!




「ふ、ユーリ。先に攻撃して構わないぞ。どうせ当たりもせん」


 リディアさんは油断してるな当たり前だが。


 とりあえず、やれる事しとくか。さっき、ホークアイを、かばった時の動きは、あきらかに普通じゃなかった。


 つまり願望スキルが発動したに違いない!


 名付けて、閃光指定攻撃せんこうしてい、頭の中で攻撃する姿をイメージすれば、体が勝手に動くはずだ。


 先ずはリディアさんの持つ木の棒を見て……ゴクリ。よく見るとリディアさんの鎧、隙間だらけだな。


 元々逃げるモンスターを追いかける為に、軽装だった鎧を、モンスターに襲われるようになったから、急いで作り上げたであろう全身鎧は、急拵きゅうごしらえの為か、つぎはぎ鎧だ。


 繋ぎ目からチラチラ覗く素肌に、黒の下着。軽装も良かったが、これはこれでありだ!


 は! ダメだ今は戦いに集中しなくては、目を閉じて、あの木の棒を叩き落とす姿をイメージするんだ!



「敵を前にして、目を閉じるとは、怖気付いたか。こぬならこちらから行くぞ!!」


 ぶちぶち! ドカドカ、ガシャン! ん? 風圧とブラジャーのホックが外れるような音に、金属が落ちる音がしたぞ?


 あれ? 目の前にいたはずのリディアさんが居ないし、風景が違う。この声はリディアさん?



「くっなんたるくつじょく……何も見えなかっただと」


「勝負ありだね。勝者ユーリ!」


 お? 勝ったのか? 目つむってた、だけなんだが。


「タヌ! ご主人様! かっこよかったですよ!」


「ふ、さすがは僕のマスターだ」


「ユーリさん。あの棒、投げたりしないでしょうか。今にも飛びつきたいんですよ!」


「ハムゥゥ。お客さんがいたら大儲けだったんじゃないかなぁ」


「ほほう。ユーリらしい勝ち方でしたな。決まり手は、剥ぎ取りでしょうか?」


 なんかわからんが、願望スキルを使って、接近戦もできるみたいだな。


 えーと、リディアさんは、俺がさっきより前に移動してるから、後ろか? ぶ! リディアさんが、ガーターベルトに黒の下着姿!


 なぜだ! 木の棒叩き落とすイメージしたのに!


 ん、エルザお嬢様がリディアさんの落ちた鎧を見てる。


「にしても凄いねユーリ。鎧の繋ぎを木の棒で切り落とすなんてさ、どんな武器も名刀だ。さすが英雄だね」


 なんだと! リディアさん木の棒持ったままだし、じゃぁ願望スキルは、リディアさんの鎧脱がしたくて発動したのか! おれの願望どうなってんだ……。


 とりあえず適当に話すか。


「いやいや、リディアさんが、油断してくれてたからできたんですよ」


「ふ、私の目で見えぬ者が相手では、油断していなくとも、私に勝ちはないだろうユーリ」


「えと……」


「今までの無礼を謝罪する、申し訳なかった」


「いえ、気にしないでください。英雄と、証明できなかった、こちらに問題があるんですから」


「そう言ってもらえると助かる」


 はぁ、とりあえず何とかなったか。ん! あの馬車で、うごめく物体は! 酒瓶持ったイフリータ!

次の更新は、日曜か月曜になります。遅くてすみません。


今後の戦いはこんな感じで、シンプルになります。


たまに、書きたくなったら長くなるかもしれません。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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