第77話 復興4日目、朝。 俺の家族? 学園入学?
「ん、んん。はぁ。疲れてたからかよく寝たな……いて、また筋肉痛になってる」
まぁ前よりはマシだから動けるな。
「タヌゥ。すぴぃ……」
タヌヌは寝てるが、他の連中はもう出かけたみたいだな。
着替える前に、入り口の前にある、全身鏡で体を見てみるか。
「ふん! マッスルポーズ!」ムキ! ぷにぷに……。
むう、フェイスチェンジポーションで顔は変えたが、体は元のままだからなぁ。
ガリガリでヒョロイ、筋肉なんてかいむだ。
勇者の仲間だった体とは思えん。仕方ない今度、筋トレでもするか。
コンコン、ガチャ。ギィィ。
「不用心だな開いているではありませんか……」
「だからって、開けてどうするのよ! ライザ団長」
「いえ、ルナ。ドアノブを触っただけなのですが……英雄とは、思えん体だなユーリ殿」
なんか、パンイチで、マッスルポーズしてるのを冒険者ギルドで知り合った、同い年の女の子ルナと。
姫騎士ライザ団長に全身くまなく見られたんですが……。
俺を起こさず出かけるのは構わんが! ドアくらいちゃんと閉めて出かけろ! バカども!
もう手遅れだし、普通に応対するか。
「あれ? ルナとライザ団長??! どうしたんですか」
「あ、あの、あのね。ユーリ」
「ふっ、ルナには目の毒でしたか」
勝手に見といて、人の裸を目の毒とはなんだ! まぁ恥じらうルナを見るのも悪くないが、服着るか。
「とりあえず着替えるので、ドア閉めてくれますか」
「あぁ、申し訳ないユーリ殿」
ギィィ、ガチャ。
……さて服着るか、にしてもルナとライザ団長が一緒とはな。まぁ、貴族と騎士だし、おかしくはないか。
ガチャ。
「お待たせしました。中にどうぞ」
「それで何のようですか? 貴族のルナとライザ団長が一緒なんて?」
「我々騎士団は、元々貴族の方達の護衛も兼ねていたので、別に特別なことではないのです。ユーリ殿」
「そうだったんですね」
確かに、こんな田舎町に王都の騎士団がいるのは妙だと思ってたが。遊びに来てる貴族の護衛も任務だったわけか。
「本当ならば、あと数日は、この町に滞在予定だったのですが。今日出発する事にしたのです」
「原因は奴隷国家ですか? ライザ団長」
「えぇ、奴隷国家の者は、この国には、いないと思いますが。念の為、他の部隊と交代し王都に帰ることにしました」
「確かに、その方がいいですね」
「それで、話せばルナもユーリ殿の知り合いだと話すので、一緒に別れの挨拶にきたのです」
「そうでしたか。お別れは寂しいですが、仕方ないですね」
ん? ルナが元気ないがどうしたんだ?
「あのね、ユーリ。私あなたに、あやまらないといけないことがあるの」
「え? あやまる? なんのこと?」
ルナとは、冒険者ギルドの裏庭いらいだが、なんかあったかな? 背比べで、胸を押し付けられた記憶しかないんだが……。
「冒険者ギルドで、ユーリと別れた後、わかったんだけど、ユーリは一般の人だから学校には行かないって……」
「え、うん……そうだよ」そういや、そんな話したな。確かルナが話してたな……。
「来年は14歳で、お父さんの許可も貰えたから、来年から学校に通えるのよ!」とか言ってたな。
まぁ町の人の話だと、この世界では、学校に行くのは貴族、騎士、王族など上流階級の子供達らしいがな。
「バカよねあたし。貴族として扱われるのいやとか言っといて、普通は学校行かないことしらないで、ユーリに話してたんだから、ほんと、最低だわ……」
「ルナ、気しなくて大丈夫だよ。俺は気にしてないから」
俺は転生者だし、本当に気にしてないんだが。
「そうもいかないわ!」ダン!
「え?」
ん? ルナが立ち上がったと思ったら、楽しそうに何か取り出してるぞ?
「ユーリと出会った日に、ユーリが学校いけないのを知ってね。お父さんに手紙を書いて、ユーリの学園入学頼んでたんだけど、推薦状を書いたから大丈夫だって、返事がきたのよ!」
「へ」
学園とかよりも、箱入り娘みたいな、貴族のお嬢様のお父さんに、男の話とか禁句じゃねぇか!
もしルナのお父さんに、お礼を言いに行くことになったら……。
「ルナちゃんの初めての男友達とは、貴様か」
「はい。ユーリ・ディザアといいます」
「間違いないようだな。あぁ、そうじゃ。ポチのエサがまだじゃったな。セバスチャン! 連れてまいれ!」
「かしこまりました、旦那様」
ポチ? 犬か。ん? 地面が揺れる。象の歩くような足音?
ドズンドズンドシ……。
「グルルルル」
「赤くて大きなドラゴンですね。これがポチですか。それでエサって、大きな口、やっぱりおれか! グガァァァァ」
バク! バキバキ、ジュルジュル。ペっカンカン……。
「食べ残したホネは、客間にでも飾っておけ」
「かしこまりました。旦那様」
て! なるだろうが!
「一般の者が、学園に通えるなど、歴史上初のことですよ。ユーリ殿」
「はは、そうなんですかライザ団長。光栄だなぁ」
なに全て理解した顔で、楽しそうに話してんだライザ団長!
貴族みたいな上流の人間だけの学園に下民が入学とか、どう考えても、いじめの的だろうが!
「王都に帰ったら、私からも、これまでのユーリ殿の活躍を書いた推薦状を学園に渡しておこう。平民だからと待遇を変えたりはしないでしょうが。これまでのユーリ殿の活躍も書いておけば、間違いないであろう」
「ありがとうございます。ライザ団長」
貴族と騎士団団長の、推薦状を一般人が貰うとか! やばさ1億倍だろうが!
ライザ団長のギラギラ光る鋭い眼光は、空腹のタカが獲物を睨みつける姿、狙った獲物は逃がしはしないって目だな。
ルナも楽しそうだし断れん。
「あぁそうだユーリ殿」
「なんですか? ライザ団長」
「学園入学の件なのですが。ユーリ殿のお父さんとお母さんには、許可をもらってあるので、心配の必要はありませんよ」
「そうなんですか! わざわざすみません。ライザ団長」
「気にしないでください。勝手にした事ですから」
そういや、冒険者登録の時にわかった俺の出身地は、今の町の近くだとか酔っ払いのおっさんが言ってたな。
ライザ団長は、冒険者ギルドで確認して、俺の出身地調べたんだろうが、対応が素早いな……ただの情報漏洩な気もするが。
てか、親の顔なんて、俺知らないんだが。
ライザ団長が俺の親から許可をもらったのなら。
今の町から、そんなに遠くじゃないよな。試しに親に会いに行くのも悪くないか。
家に帰らないと、俺が死んだと親に思われても困るしな。
ルナが返事を待ってるな。ライザ団長は……。
うわぁ、ライザ団長の顔が笑ってる! 俺の反応見て、楽しんでるのか。
だが、ライザ団長まで、俺を学園に入れたがってるのは……英雄白銀の正体を俺だと思ってて、学園に入れて監視下に置きたいとかだろうか?
バレるようなことは、してないと思うんだが。
「いや、だったかしら……ユーリ」
俺の返答が遅いのを気にして、ルナが、うつむきかげんで、話している! かわいい。
美女の頼みなら断れん!
「何言ってるんだよルナ! 平民の俺が学園に入れるって聞いて、感動して言葉が出なかったんだよ! 嬉しいよルナ! ありがとう」
「よかった! 私てっきり迷惑だったのかと思って、心配だったのよ」
「ぷふ」
なに、口元に手当てて笑いこらえてやがんだ! ライザ団長!
「今度会えるのは、学校よね。絶対にきなさいよ! 約束よ! ユーリ」
「あぁ、約束だ。ルナ」
「私も王都での再会を楽しみにしています。ユーリ殿」
「えぇ、王都で、またよろしくお願いします。ライザ団長」
挨拶をすませると、ライザ団長とルナは、笑顔で部屋を出て行った。
女には勝てる気がしないな。はぁ。
「タヌゥゥ? 朝ですか?」
「タヌヌ、おはよう。朝ごはん食べに行くか」
「はいです! ご主人様」
学園か、ドジ踏んで正体バレないようにしないとな。
まぁまだ先の話だし気にしても仕方ないよな。
朝ごはんを食べに、冒険者ギルドx酒場に向かった。
4話辺りで町を旅立つ予定です。
書くペースが遅いスロー作品ですが、よければ4章も読んでください。
次は月曜日更新予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




