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第66話 タヌヌの服、英雄は注目される、ライザ団長の双子の妹ランファでぇす!


 さてと、今日は、昨日の英雄騒動で買えなかった、タヌヌの服を買いに行くか。


「おまえら」


「がぁぁぁぁ! 話しかけないで! ごしゅじんさまぁあ!!」


「あたまがわれますよぉ!!」


 はぁ。まったく、あのバカ2人は……タダ酒だからと飲みまくるからだ。


「エクス悪いが任せるぞ」


「任せてくれ。マスター」


「いくぞ。タヌヌ」「タヌヌ!」


 ガチャ! ギィィ、パタン。



 宿屋から外に出ると、昨日の人だかりはなくなり。魔力結晶のおかげか、みんな落ち着き、普通に生活していた。


 英雄になった俺のことを、チラチラと見ている人もいるが、話しかけづらいようだ。


「タヌ。おふたりは大丈夫でしょうか。ご主人様」


「あぁ、ただの酒の飲み過ぎだから、時間で治るから大丈夫だぞ」


「そうでしたか、それはよかったです」


 タヌヌと買い食いをしながら歩いていると、洋服屋に到着した。


「タヌ! ご主人様! この串どうしましょうか?」


 タヌヌは、焼き鳥の串を持ってゴミ箱をキョロキョロと探しているようだ。


「そうだな。ゴミ箱はないし。タヌヌ、それかしてくれるか?」


「タヌ! どうするんですか? ご主人様」


 パシ。タヌヌから串を受け取った。


「魔法が使えるんだから燃えるゴミは燃やす! 灰も残さず串を消し去れ! 紅蓮の炎ファイアボール!」


 ゴゴゴォォォ。


 一応ファイアボールに、手で触れるふりはしておくか、神手の英雄だしな。


 ジュ!


「よし! 何もゴミはでなかったな!」


「さすがです! ご主人様!」


「ふっ! だろ。タヌヌ! む?」こえ?



「すげぇ、ファイアボールで、はいものこらないなんて……」


「いやいや、中級魔法のフレイムウォールでも! 灰は残るだろ! あれが英雄様の力なんだよ!」


【すげぇ】



 なにめだってんの俺!! せめて灰は残すべきだった!


「タヌ? どうかしましたか。ご主人様?」


「あぁ、すまない。洋服屋に入るかタヌヌ」


「はい!」



 カランカラン。


「いらっしゃいま!!! 英雄様!!」


「え、あ、はい。英雄です」


 くっ。会ったこともない奴らが、俺が英雄だと知ってやがる。なぜだ!


「有名人ですね。ご主人様!」


「あぁ、そうだな」まぁ、タヌヌは。俺が有名で、よろこんでるみたいだしいいか。



「そ、それで! 英雄様が何の、ごようでしょうか?」


「この子の服を、動きやすいものから選んで欲しいんですが。俺には、女の子の服とかは、わからないんで。予算はこれで」


 俺は、たぶん10万の金貨1枚を出した。


「かしこまりました! 英雄様のため! 全力でやらせていただきます!」


 いや、普通でいいんだが。



 パンパン!「みんな! お嬢様にスペシャルなお洋服を!」


【かしこまりました!】



「さぁお嬢様、こちらに」


「タヌ! お願いします」


 タヌヌが美女達に連れて行かれた。さて、何して待つかな。む? なんかうるさい? げ!


「あの人が英雄様なの?」


「らしいわよ。本当に子供なんだぁ」



 外に人だかりが! まさかしなくても、俺の見物か!


「申し訳ありません英雄様! 少しお待ちを! しっしっ!」


「な! ちょっとくらい」シャシャ!!


 お! 店長がカーテン閉めてくれたぞ。


「助かります」


「いえいえ、客じゃないなら、太陽をさえぎる壁と同じですから」




 俺は、せっかくなので自分の予備の服も適当に買った。


 俺が買い物を終えると、タヌヌも終わったようだ。


「タヌ! ご主人様! どうですか?」


「うん。よく似合ってるぞ。タヌヌ」


「タヌ! ありがとうございます! ご主人様」



 中々動きやすそうだ。茶色のスカート、白の服、デニムのジャケット。それと着替えが複数だな。


【ありがとうございました】


 カランカラン。



「タヌ! 人がいっぱいですね。ご主人様」


 うげ! 人が増えてやがる、けど話しかけてはこないな。なら無視しとくか。お! 美女達が俺の話してる。



「あれが噂の英雄さま! へぇかわいいじゃない。新人なのに英雄なんてすごいわね」


「私もパーティーに入れて欲しいな」


「無理に決まってるでしょ。他の人達も強いに決まってるんだから!」


「そうかなぁ? 新人でしょ。あの子なんて、タヌキ族の子供よ?」


「あの子は化けてるだけでしょ」


「ぁぁ、な! ライザ団長とあいさつしてる!」


「やっぱり新人でも、英雄様は違うわね。ノワール団長にも、キスされたって話だし」


「うそ!」



 噂話なら小声でしろよ! 美女達!


 ライザ団長にタヌヌの紹介をしてから話をした。


 反応を見る限り、タヌヌや白銀の正体には気がついてなさそうだった。



「昨日の行方不明だった少年とは思えませんね、ユーリくん。まさかあのノワール団長とキスをするとは、驚きました」


「いや! あれは! ホッペにされただけで! む!」


 涙流しながらライザ団長がわらってる!


「くく……すまない。事情は聞いていたんです」


「な!」くっ、からかわれただけか。



「それにしても、冒険者になって1日で英雄とは、驚きました」


「なんか、力が相性いいみたいで。偶然ですよ。ライザ団長」


「偶然で英雄になれる者は、狙って英雄になるよりも、難しいと思いますがね」


「はは、ですよねぇ」


「タヌ! ご主人様は凄いのです! ライザ団長!」


「そうですね、タヌヌ。君のご主人様は、この町を救った英雄ですから」


「タヌ!」


「そして、町を救ったと同時に、我が騎士団も助けられた。騎士団を代表して、お礼を言わせてくれユーリくん。ありがとう」


「へ? なぜですか?」


「紫の魔力結晶が、完成しなければ。我ら騎士団は、魔動力でんりょく、供給の場から。数日は身動きが取れない状態にありましたから」


「そうなんですか!」


「えぇ、ですから君には、騎士団みんな感謝しています」


「そんな。おれは別に! あれは!!」


「む? はぁ、やっときましたか」


 なんか! ライザ団長の顔に、そっくりな奴が、騎士団の格好で楽しそうに、食べ歩きしてやがるんだが!!



「はむはむ、うまうま。あ!」


 あ! じゃねぇよ! 何やってんだ光のライザ! 普通にライザ団長の騎士団の制服着てんじゃねぇよ!


「紹介しよう。彼女は私の妹で、名前はランファだ」


 いもうと!


「どうもぉ! ライザ団長の妹! ランファでぇす」きらぁん!


 そういう設定にしたのか……仕方ない。驚いたフリはしとくか。


「うわ! 顔そっくりですね! 双子だったんですか? ライザ団長!」


「まぁ、そんなところですよ」


 ライザ団長の顔がひきつってるなぁ。まぁこの変態と双子は抵抗あるだろう。


 元は俺の願望だがな……


 てかこいつ、俺と繋がってるんだから魔力無限だろ?


 なら紫の魔力結晶なくても、騎士団が、あそこ迄ひへいする必要無いと思うんだが?



 ん? ライザ団長の騎士団の人?


「ライザ団長、お話中すみません。少しよろしいでしょうか?」


「すみません、ユーリくん。少し失礼します」


「はい、どうぞ」


 よし! 今のうちに、光のライザこと、ランファに話を聞いておくか。



「ランファさん。ただ待つのもなんですし、こちらで話しません、か!!」


「はは、なんですかユーリさん? そんな人気のない場所に呼んでぇ」


 やっぱり光のライザだよな。てか! 人聞きが悪いは!!


 光のライザを連れて、人が少ない場所に移動した。


「で、魔王配下倒した後、俺についてこないで、何してんの君」


「いやぁ、ついていこうとは思ったんですけどぉ」


 うそがバレバレだ!!


「なんか、美女がいっぱいだから、騎士団に入りましたぁ。てへ!」


「そうか……」まぁ普通に暮らしてるならいいか。


 べつに、うらやましいとか思ってないからな!


「で、気になってるんだが。ランファの魔力は今も俺と繋がってるんだろ?」


「はい、そうですよぉ」


「ならなんで、町の魔動力でんりょく、供給手伝ってやらなかったんだ? 騎士団が行動不能になるまで、魔力供給しなくても、魔力無限のランファだけで解決しただろ?」


「私も、そうしたかったんですがぁ。私は与えられた命令にしか、魔力使えないみたいなんですよぉ」


「めいれい?」


「ライザ団長の騎士団を、はだかにして、騎士団の魔力回復、ケガを治す、あの場のゴブリンの大群を倒すです」


 騎士団をはだか……「じゃあ魔力切れで倒れた騎士団の魔力回復は?」


「人目がないところで! ひんむいて! じっくりと、からみあい! 堪能しましたぁ! てんしょくです!」


 ちからずよいな……


「そうか……役には立ってるみたいだな」うらやましいぞ! このやろぉ!


「タヌ! ライザ団長が戻ってきますよ! 2人とも!」


「ありがとう。タヌヌ」


「えらいですよぉ! タヌヌ」


「タヌ!」


 俺達は、ライザ団長の戻る前に、元の場所に戻った。

ブックマークありがとうございます。


次は土曜日に更新予定です。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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