第64話 ノワール騎士団、英雄ユーリ誕生!!?
町の砦化が進む中、緑の服装をした人達を町の人が囲み集まるのを見つけ、酒場×冒険者ギルド前に移動した。
「マスター、あの人が指揮してるみたいだぞ」
「ん?」
エクスが指さす方を見た。
「きさまら! それでも王国に仕える! 錬金術師か! 何のために我らがこの町に来たと思っている!!!」
おぉ! ムチが似合う美女が! 軍人みたいな格好で、デカイ胸ゆらしてるぞ!
「ですがノワール団長! この紫結晶は、純度が高くキズしか付きません! この場での加工は」
「ノワール騎士団の団員が! 見苦しい言い訳をするな!」
ビュン! バチン!
「はひぃ! すみません!」
紫結晶! あれは確か、エクリアが宝箱モンスターミミックから手に入れたやつだな。
必死に加工してるみたいだが、何かあるのか?
町の人達がなんか話してるな。
「クソ! 宝があるのに、ノワール騎士団でも加工できないなんて」
「ライザ団長の騎士団が、魔力結晶の代わりをしてくれてるが。人の魔力じゃ、すぐに限界が……」
「紫結晶が魔力結晶に加工できたら、この町は安泰なのに!」
やっぱりライザ団長の騎士団が、魔力を使って兵器を動かしたりしてるみたいだな。
魔力結晶は、前に聞いたな。たしか、町の魔道具を動かす電気みたいな物だったな。
簡単に言えば、何年も使えるバッテリーだ。
加工の仕方は?
ガン! ガン! ガン!
手を光らせて工具で、地面に置いた紫結晶を叩いてるが、びくともしてないな。
何か見ながら作業してるが、ここからじゃ見えない。
「これからどうする、マスター? む? マスターがいない?」
「タヌ! あそこ!」
「いつの間に、あんな場所に。加工の見学か?」
「ふぅむ? これは……わからん」
「きさま! なにをしている!! 関係ない民間人は離れていろ! じゃまだ!!」
「はは! すみません。気になったもので、すぐ退きます。うわ!」
やば! 何かにつまずいた! たおれ! むね!
ポヨン! フガ! やわらかい……
「きさま! なんのまねだ!」
は! それどころじゃねぇ! 事故でも、コケて胸の谷間に、顔面ダイブとか! 捕まる! 早くおきないと!
「あ、いやわざとじゃ、今離れますから」
むにゅ、あ……胸つかんじゃった「はは」
大丈夫かな? 俺は恐る恐る、ノワール団長の顔を見た。
はは、やっぱりおこってる。
「きさまぁ!」バチィン!!
「がは!」ダァン! ズザザー……パシッ……
「きゃ!」
ユーリは、紫結晶の加工をする団員の方に、ぶっ飛ばされた。
「いちどならず二度までも!!! 牢にぶち込んでくれる!」
「マスター!」「タヌ! ご主人様!」
倒れるユーリをかばい、エクス、タヌヌが、ノワール団長の前に飛び出した。
「なんですか。あなた達は、マスター? ご主人様? この様なものが、貴族だとでも」
はぁ、びっくりした。とりあえず、もめるわけにいかんからな。座って2人を止めるか。
「2人とも俺は大丈夫だから、何もしない様に」
「マスターが言うなら」「タヌ」
「この光は、なんです!」
「ひかり? お、なんか手につかんでた。これは紫結晶。なんか光ってるな」
ピシピシ……パリン!「げ! われた!」
「そんなバカな! かしなさい!」
バシッ! 加工をしていた団員がユーリから、紫結晶を奪い取った。
「え! いや……わざとじゃ!」ヤベェ! 大事なもの壊しちまったぞ! 町の安泰とか言ってたし。町の人達にリンチされるんじゃ!
「ノワール団長!! 紫結晶が加工されています! 魔力結晶の完成です!」
あれ? 完成? 壊したんじゃないのか?
「な! 魔力結晶が……かんせい! なにをいっているのです、あなたは」
「わたしにも信じられませんが。間違いありません。この少年が掴んだら、光に包まれ紫結晶が加工されました!」
「つかんだだけで、加工! そんなことが」
へぇ、俺さわるだけで加工もできたんだ……いましった……って! 言ってる場合か! すげぇめだつじゃねぇか! これ!!
「タヌ? なんかわかりませんが! さすがです! ご主人様!」
「僕もわからないが。さすが僕のマスターだ」
「はは、そうだろ! 2人とも!」
って! よくないんだよ! タヌヌ! シッポをふるな! なぁぁ! 俺の平和なくらしがぁぁ! 騎士団の目の前で、なにやってんだおれは!
「あの……ですが。問題がノワール団長」
ん? なんか、紫結晶持った団員が、手をフルフルさせて、紫結晶を隠してるが?
「なんです。グズグズと早く話しなさい」
「加工は、できたのですが。形が」
「形など何でもいいでしょう! 結晶の外側が削れれば問題ないのだから」
魔力結晶にする加工は、それだけでよかったのか。
「これなんですが」
「な! これは……」
「タヌ! 胸の形! 同じですね。エクスさん!」
「ふぅ。あきれたマスターだ」
あれは! 紫に輝く! ノワール団長のお胸様! なるほど、魔力結晶胸になってしまったのか。
俺の願望さまさまだな!
ノワール団長の顔が……下唇噛んで、すげぇひくついてる。
バチィン!「ひっ!」
おぉ、ムチがいい音した!
「ふぅ。仕方ありません。持って行きなさい」
「よろしいのですか!……数十年この町に、まつられますが……」
「かまいません! 早くしなさい! ライザ団長の騎士団が今も、体を張って魔力結晶の代わりをしているのだぞ!」
「はっ! 了解しました」
数十年……まつられるのか、あの胸の結晶。悪いことしたかな……
む? ノワール団長が、近づいてくる。つかまるのか……
「先程はすまなかったなボウヤ」
ペロ。
鼻をくすぐる大人な香水の香りに、暖かくやわらかな感触が! 打たれたホホを舐められた!!
「大丈夫です! 丈夫ですから!」
「そうか。それはよかった」
やはり! 大人の女性は魅力が違うな! そして笑うとさらに美しい!
「それでボウヤは、かなりの腕の様だが。どこかに所属しているのか?」
所属? ギルドとか騎士団ってことだよな?
「いえ、昨日冒険者になったばかりの田舎者ですから。どこにも所属していません。ノワール様」
「きのう……冒険者になったばかりだと!」
「はい……」
なんだ? なにかまずいこと言ったかな? すげぇ驚いてるし、周りの反応もヤバげなんだが。
「では、錬金術師登録もまだできていないのではないか?」
……げ! アイテム加工するのに、そんなのいるのかよ!
「えと……」
「田舎者と言うだけあって、本当に何も知らない様だな」
やはり! 田舎者設定は使えるな!
「本来アイテムを加工するのには、錬金術師登録をし、お金を払う必要がある」
まじ!
「錬金術師登録せず、アイテム加工をしたものは」
「したものは……」
「極刑となる」
「な!」
「ふふっ安心しなさい」
「へ?」
「今回は、紫結晶を加工したのは事故な上。ボウヤは、町を救った英雄でもあるからな。それに証言者も多い。これで君を罰せれば、我が騎士団の名前に傷がついてしまう」
たすかった……けど英雄ってなんだ?
「そうですか。それで、え……えいゆうって、なんでじぶんが??」
「何を言っている。錬金術師が多く所属するノワール騎士団ですら加工できなかった紫結晶を、その手1つで加工したのだぞ。その者が英雄でなくてなんなのだ」
「そうですか」
「なんだ嬉しくないのか? 英雄だぞ?」
「いえ! もの凄く嬉しいです! それで田舎者だから知らないんですが。結晶は、加工するとどうなるんですか?」
「この町、全ての魔動力を何十年も補うことになる、だから君は、この町の英雄だ」
「そうだったんですね!」
だから、町の連中がお祭り状態で騒いでやがったのか。何人か俺みたいのもいるが。
「あのやろう! 英雄だかなんだか知らんが! 俺達のノワール団長様に舐められるなんて!」
「俺は! 舐めなくていいから、踏んで欲しい!」
似た奴は、どこにでもいるな。踏まれたいとは思わんが。
それにしても、なんか知らんが結局、目立ってしまってるな。
はぁ。これじゃあ白銀になった意味が……いやまぁ魔王配下倒すよりは、英雄としては、格下だしマシだよな。
けど、町の人達のかんせいがつらい。
次は金曜予定です。変更の時はあらすじに書きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




