第59話 魔王配下マジェスティの戦利品 スロットボックス使用!チャリン!
聖剣は、勇者カイザーの過去を話すと。
自分が人の姿になっていることに、気がつき騒いでいた。
「な! なんだこの体は! マスター! どうなっているんだ!」
「いや、まぁ俺の魔力が高いから、人になったんじゃないか」
「確かにマスターの魔力は、今までのマスターとは比べ物にならないが。だからと言ってこれでは……」
まぁ、聖剣が人になったのは、タヌヌが人になったのと同じで、俺が原因だろうな。
魔王配下マジェスティと戦うために、聖剣を出して、力を呼び覚ますつもりで、俺だけの物になれって、念じたんだよなぁ。
だから俺の願望通り、女の子になったと。自分の願望がこわいな……
その内、自分まで……俺は、怖くなり考えるのをやめた。
む? なんか聖剣が、手をわなわなしながら、自分の胸触り出したぞ? おぉ! 白くてモチモチした柔らかいものが! 手から、あふれでている!
「な、なんだ。く、この胸は! ただ、動きにくいだけじゃないか!」
「はいはい、あんまり誘惑してると、オオカミに襲われちゃうわよ聖剣」
「おおかみ? ウルフがいるのか! イフリータ」
「あれよ!」イフリータは、俺を鋭い眼光で睨みつけ指差していた。
だれがオオカミだ! いや、あやういが……
「マスターが? ウルフ?」
「まぁ、理解しなくてもいいから、これを着なさい」
聖剣は、イフリータの魔法で作り出した、青いネグリジェを着た。
「な……なんだこのスケスケは! 裸と変わらないじゃないか!」
おぉ! シースルーからうっすらと透ける肌! 胸の膨らみ! これはこれでアリだ!
「いやなら、着なくてもいいのよ!」
「あ、裸よりはマシだから、ありがたくいただきます」
「わかればいいのよ。はい。タヌヌもおそろいよ」
「タヌ! みんなと、お揃いですね」
タヌヌは、茶色いネグリジェに着替えた。
まぁ、タヌヌは、スルーしておくか。
「それで、聖剣。提案なんだが」
「なんだマスター?」
「聖剣って呼び方だと。これから困るから。聖剣の呼び方は、エクスカリバーからとって、エクスにしたいんだが。問題ないか?」
「マスターが、そうしたいなら問題ない」
「そうか。ならこれからよろしくなエクス」
「はい。よろしくお願いします。マスター」
エクスが。みんなと、挨拶をすませると。
エクリアがもじもじと、話し始めた。
「ユーリ、ユーリィ」
「なんだよ、エクリア? ウネウネして」
「魔王配下を倒したのなら! 何か報酬は! 報酬は! なかったのですか?」
「そうね。それは私も気になってたのよね」
「ですよね! イフリータさん!」
「おぉ、そうだった。あとで使おうと思って忘れてたな!」
「やはり! 何かあるのですね!」
「あるぞ、エクリア! この新入りタヌヌが見つけてくれた! アイテム!」
「おぉ! タヌヌやりますね!」
「タヌゥゥ」
俺は、タヌヌが照れている横に、魔王配下マジェスティから手に入れた戦利品。
スロットマシンの絵柄付き宝箱を、マジックバッグから取り出した。
ゴトッ! 部屋中には歓声がわいた。
「おぉ! 何やらお宝の予感ですね! イフリータさん!」
「ほんとうね。見るからに『宝』って感じがするわね。何が入ってるのかしら?」
「ちょっとまてよ。説明を読んでみるから」
『スロットボックス』に触れると説明が浮かび上がった。
欲深い者達よ! みにくいその手に、黄金を握りしめ! 我に捧げよ! さすれば貴様らのちっぽけな願い、叶うかも知れんぞ! しれんぞ、しれんぞ、しれん……
製作者チェルシー・フロレンス。いえい!
【またおまえか!】
「マスターしってる人なのか?」
「タヌ?」
タヌヌとエクスに説明をした。
チェルシーの説明の前に、エクスには。俺が転生者である説明をした。
エクスは、俺が勇者パーティーの召喚魔術師ユーリの体を貰い受けた、転生者だと聞いて驚いていたが。
すぐに納得してくれたので、製作者の説明をした。
顔を変更する時に使ったアイテム。『フェイスチェンジポーション』
街を探す時に使ったアイテム。
『ペガサスのみちしるべ』
そして今回の『スロットボックス』すべて製作者チェルシー・フロレンスが作った物だ。
「なるほど、それで、マスター、イフリータ、エクリアの3人は驚いたわけか」
「タヌゥ。確かにすごい人ですね。ご主人様」
「まぁ、いろんな意味で凄い人だ。毎回アイテムの説明が酷いがな……」
「そうね。今回は、みにくい手に黄金だから、金貨を宝箱に捧げれば、いいんじゃないかしら? ご主人様」
「そうだなイフリータ。勿体無いが、金貨も戦利品で手に入ったから、試しに使ってみるか」
俺が金貨1枚を取り出すと、エクリアの楽しげな声が聞こえた。
「ユーリ、ユーリ!」
「なんだ? エクリア」
「ほら! 宝箱の上にコインが入りそうな穴がありますよ!」
「お! でかしたぞエクリア!」
「ふふん!」
一応あの神に神頼みをして『パンパン』いいものでろ、いいものでろと。
そして願望スキルにも、レアな物が出る様に願っておこう!
「おぉ、ユーリが額に金貨を当てて念じてますよ! イフリータさん」
「ほんとうねエクリア。けどあれに意味があるのかしら?」
「よし! さっそく入れてみよう」
チャリン、ガコン! トゥルルル!
金貨を入れると、エクリアが目を輝かせ騒ぎ出した。
「おぉ! 絵柄が回り出しましたよ! イフリータさん!」
「見ればわかるわよ。少しは落ち着きなさいよエクリア」
「落ち着いていられませんよ! この世界で、こんな娯楽があるなんて、思いませんでしたからねぇ!」
「まぁ娯楽は娯楽だろうけど、毎回金貨1枚を使うなら、お金がすぐ無くなりそうよね」
「タヌ! ひとつ止まりましたよ! ご主人様! なんでしょうか?」
タヌヌも、初めての体験に楽しそうでよかった。けど……
「なんか変な絵だな? 赤い、でこぼこの物体? ヒモみたいなのがついてるな?」
ガコン! ガコン!
ファンファーレのような音が、部屋中に鳴り響いた。
「おぉ! 楽しげな音がなりましたよ! 当たりでしょうか! イフリータさん」
「どうかしらねエクリア。音はいいけど、絵柄は……今ひとつ盛り上がらないわよ」
「確かに全部同じ絵柄ですが。意味がわかりませんね。ユーリ」
「そうだな。普通なら同じ絵柄は、大当たりなんだが。赤くて、でこぼこだからな」
「タヌゥ? なんの絵でしょうかねぇ。ご主人様。もう開くんでしょうか?」
タヌヌも、みんなもワクワクしてるみたいだな。何より俺も! 限界だ!
「わからないし。開けてみるとしよう!」
「はい! タヌ!」
楽しそうにしていたタヌヌに開けさせる事にした。
タヌヌは、人になり初めての体験に、瞳を輝かせ、手を震わせながら、スロットボックスのフタを開けた。
ギィィ……パカッ。
ブックマークありがとうございました。
明日から続き書く時間がありますので。
土曜日に2話か3話、公開して2章を終わりにします。




