第58話 目覚めし者。メロンちゃん!
俺のマジックバッグから突然現れた女性は、壁に頭をぶつけて、ひれ伏した状態で。俺達に、光り輝くお尻を向けていた。
「は! まさか! 私達じゃ足りないから! ひとさらいを!」
パキャン!
「無言で叩かないでくださいよ! ユーリ」
まったくこのエロ天使は、それしか頭にないのか……
まぁ人のことは、そんなに言えないがな。
それにしても……この子は誰だ? マジックバッグに人なんて入れてないしな。
白く引き締まった足を見るに、鍛えられてるようだが?
「タヌ! ご主人様! 動きましたよ!」
「お!」
「新しいマスターは、ずいぶんと乱暴に扱うじゃないか。まったく、痛かったぞ!」
マスターと呼ぶ女性は、ひれ伏した状態から、あぐらで座った。
「すごいですよ! イフリータさん! ポヨンってしましたよ! ポヨンって!」
「そうね。ムカつくけど完敗ね。エクリア」
「タヌ?」
みんなが騒ぐのも無理はない! 全ての男の心を貫いてしまいそうな、鋭く磨き上げられた、真珠の様に美しい肌! そして! 胸はメロン様だ!
そりゃあ、胸チビーズの2人は騒ぐよな!
「新しいマスターよ。騒がしいようだが、先ずは自己紹介をするとしよう」
お? 誰かわかるのか?
「僕の名は、聖剣エクスカリバーだ」
「なんだと!!!」
ユーリの驚いた声は、宿全体に響き渡った。
宿屋の外には、イフリータの赤い障壁により、ユーリの声は打ち消され、外にいる騎士団には聞こえなかった。
「な! なんだ、急に大声出したら、おどろくじゃないか! マスター!」
「あ、いや、悪い。けど、エクスカリバーならアイテムに」
俺は、少女の話が信じられず。アイテムリストを出し確認した。
「あれ? ないな……」
「だから僕が聖剣だよ。マスター」
この子が、聖剣エクスカリバー……髪は青に金のメッシュ、なるほど、まさに聖剣って感じの色だな……って! 聖剣要素、髪しかねぇじゃねぇか!
じゃああの、胸の巨大なメロンや、吸い込まれそうな、おへそ! くいくい動く爪先は! 聖剣の刃の部分になるのか!
「マスターどうかしたのかい?」
「あ、いや。何でもない大丈夫だ」
まぁ、考えても仕方ないよな。目の前の生々しい子が、本当に元聖剣なら、カイザーのこと、わかるだろうし。確認のためにも勇者カイザーの話でも聞いてみるか。
「それで、君は聖剣てことだが。聖剣の前の持ち主、勇者カイザーのことは、覚えているのか?」
聖剣は、俺の問いに、表情を曇らせ話し始めた。
「もちろん覚えているさ。死んだことも……昔のカイザーは、あそこまで、英雄に憧れてはいなかったんだ」
「そうなのか?」
「カイザーの父、勇者シュナイダーは、国民から愛され英雄として扱われていたんだけど」
ん? 父親は英雄として扱われていたのか。魔王配下マジェスティの推察とは、少し違うな。
確か、勇者一族のスキルにより、魔族から守られていた時代が長すぎて、勇者一族の力を自然現象と同じように、考え始めたことで、勇者を英雄と見る者がいなくなってしまった。とか言ってたな。
まぁどの世界にも居る。下心があって、英雄と呼んでいただけなのかも知れないが、今は考えてもわからないな。
「カイザーは周りから、父の様に立派な英雄になれよと、毎日のように言われていて、英雄と聞くのも嫌になっていたんだ」
「あぁ、ドラマとかで子供がグレちゃうパターンですね。やっちゃいましたか勇者様のお父様も」
エクリアは、腕を組み、うなずいていた。
「どらま? それは何なのかしら? エクリア?」
「あぁイフリータさん達に、わかる様に言うなら、作り話や、お芝居ですかね」
「お芝居ね。召喚された時に、聞いたわね」
イフリータは、エクリアの解説を聞き納得していた。
「けど、立派だった父シュナイダーは、病に倒れてしまい。カイザーが小さい時に、そのまま亡くなってしまったんだ」
英雄も病気には、かなわなかったわけか。
「心半ばで亡くなった、父の無念を晴らそうと。カイザーは、亡くなった父から、聖剣と、力を受け継いだんだ」
「それで、カイザーは英雄を目指し始めたわけか」
「違うんだよマスター」
「ちがうのか?」
「父は死に、新たな勇者に自分がなったと、王都に報告したカイザーは。周りからの落胆の声に、現実を知ってしまったんだ。英雄の子を英雄とは見てくれない。実績のない英雄の子は、いつ迄も、英雄の子でしかないんだと」
「実績のない2世、3世なんて、そんなものですよね。客寄せパンダみたいなものですかぁ」
確かに騎士団も、勇者カイザーをアイドルとか話してたもんな。
「魔族が人を襲わないことで、勇者の力はカイザーが受け継いだのは、すぐに証明されたんだ。けど初めて感じた感情から、勇者カイザーは、英雄になりたいと、強く願い始めてしまったんだ。例えそれが、道を踏み外したやり方でも……」
道を踏み外したか……和解をすると仲間を騙して殺して。魔王を殺して英雄に、なろうとしたわけだからな。
「カイザーの心が闇に満ちていき、僕の意識は真っ白な空間に飲み込まれてしまったんだ」
だから、聖剣がホネみたいになってたのか。
「そして、マスターの魔力に触れて、意識を取り戻した時には、カイザーのお墓があったんだ……」
「カイザーのはか? じゃあ。カイザーの墓を作った時には、意識があったのか?」
「あぁ、聖剣の力が目覚めるのには、時間がかかったけどね」
「そうか。ありがとう話してくれて」
「かまわないさ、マスターのお役に立てたのなら、よかった」
イフリータ達も、驚いてるみたいだな。
「驚きね。エクリア」
「そうですねぇ! イフリータさん! 話す度にメロンちゃんが、バインバインと、うなずいてますよ!」
「めろんちゃん? 何の話をしてるんだい? 君達は? ぼくがめろん? 僕はエクスカリバーだよ」
「違うわよ。ここまで裸で解説してることよ! たしかに! あの胸もすごいけど!」
ふぅ。見納めか。
「タヌ! それなの!」
タヌヌが、聖剣の胸元を指差し。聖剣は、キョトンとした顔で自分の胸を見て叫んだ!
「ギャァ、なんだこれ! は、は、はだかじゃないか! てか何で! ぼくにからだが!!」
「あら? 体がある事にも、気がついてなかったのね。案外ドジね。聖剣は」
「イフリータさん。言ったら可哀想ですよ。きっと、初めての体験ですから」
「それもそうね。エクリア」
2章終わりが近いので、よければ、ブクマ、下の『☆☆☆☆☆』より評価お願いします。
3章も書きますので、また読みにきてください。




