第55話 貴方には、騎士団を裸にした罪があります! 先ずは!聖剣を渡し!おとなしくしなさい! 白銀様!!
騎士団は、全員がゴールドの全身タイツの上に、民家から借りた衣服を着た。
黒髪ロングの団員の服を引っ張り、光のライザは騒いでいた。
「ぶーぶー、何を着ているのですか! ゴブリンを倒したのが、お手柄と言うのならば! こんな邪悪な布切れ脱ぎなさい!」
「引っ張らないでくださいよライザ団長」
「その者を! 私の名で呼ばないでもらおうか!」
「あ! すみません! 本物のライザ団長!」
(私の名に本物をつけるのですか。くっ、恩人でなければ、このような屈辱、断じて許しませんが……仕方ありませんか)
さて、ゴブリンは倒したし。光のライザが。
みんな服着てから、お礼も言われたし。じゃまな聖剣を収納して、アイテム回収だ! 何度見ても宝の山が大量じゃ!
白銀は聖剣を光の中に収納すると、マジェスティから、ネコババして地面に散乱した、戦利品をニマニマと眺めていると、タヌ仮面が呼んだ。
「タヌヌ! ご主人様これ!」
「お! タヌ仮面! 面白そうなの見つけたな!」
「タヌヌ!」タヌ仮面は、えっへんポーズをした!
「へぇ宝箱にスロットマシンみたいな絵柄があるな。後で使ってみるか」
「タヌ!」
白銀はスロットボックスを光に押し込み回収し、辺りを見渡した。
次はっと、近くにあるし、見た目じゃわからない茶色い袋から回収だ!
白銀は、足元にある大きい袋を手に取った。
ガチャ! ドシャッ!
お! ずっしり重いな。何が入ってんだ?
おお! 黄金色に輝くこれはまさに! 金貨の山!
100枚はあるんじゃないか?
なんでこんなのマジェスティが持ってるんだ。
魔族が人間の金使うと思えないし……勇者カイザー達が持ってた金かな?
わからんが。戦利品は戦利品だし貰っておこう。
金貨100枚を回収した。
さぁて他も回収だ! 次はどんなお宝かなぁ! よりどりみど!……グ!「グゥビがぁ!」
……バケツの取っ手がノドに! つきささるぅ。
「タヌヌ! ご主人様に何するタヌ! 離れるタヌ!」
なんだ? タヌ仮面だれに、安全バケツが動いたから、安全バケツの覗き穴がズレて、目の前が真っ暗で何も見えん。
騎士団も騒いでる。これはシルヴィさんの声?
「ちょっと! なにしてるのよ! ジル!」
ジル? だと!
「いや、なにって、私達を救ってくださった、ありがたいお方の顔を見たくてさ!」
「がは!」
何してやがる、ジルのやろう! 体力ないとか言ってたのに、馬鹿力でひっぱてんじゃねぇか!
ジルは白銀のかぶる安全バケツに、ぶら下がっていた。
ぶらんぶらん。
「なんかさぁ、こいつの声聞き覚えあるような?」
げ!
「確かに」
「ないような」
「どっちよ!」
「いや、バケツで声がこもって、わかりにくいから、バケツを脱がそうかと思って。シルヴィも手伝って」
「え……けど、助けてもらったのに」
シルヴィは、白銀を戸惑った表情で見つめていた。
「確かに! このお方は私達みんなの、命の恩人かもしれない! けどだよ! きになるじゃんか! もとい」
ジルはキリッと目を光らせシルヴィを見た。
「私達! 騎士団の衣服を無理やりはぎとったのは、別だとおもわないか! 下着までだぞ! シルヴィ!」
な!
「確かに、そうね」
げ!「いやそれは」
「だまれ! 変態!」
ジルは、バケツにぶら下がったまま、体をゆらした。
グガァ! ゆらすな!
「それにだよ! 私達、騎士団が! 人様の家に勝手に入り、タンスから盗賊まがいのやり方で! 必死に服、下着、ズボンを集めたんだぞ!」
「貴様は何もしておらぬがな」
ジルはリザのツッコミを無視した。
「それは、誰のせいだ! 私達を裸にした、こいつだろ! シルヴィ!」
「まぁ……それも、そうね。確かに、それとこれとは、話が別よね。裁きは必要ね」
「だろ!」
まずい! ジルの話術で、心優しいシルヴィさんが! かんらくした!
「タヌヌ!」
「はいはい。その葉っぱは、しまいましょうね。タヌキちゃん」
「タヌ!」
タヌ仮面が出した葉っぱを、クリス副団長が後ろから奪い取ると。
クリス副団長は、タヌ仮面を抱き抱えた。
「あら、本当に、モチモチ肌で普通に人みたいね。どうなってるのかしら?」
「あ! 私達にも、触らせてくださいよ! クリス副団長!」
くっ、タヌ仮面が捕まったか。
どうする。
「タヌタヌ!」
タヌ仮面は青ざめた様子で、クリス副団長の腕の中で暴れ出した。
「ちょ! なに? 急に暴れたら危ないわよ」
「この子すごい顔が真っ青ですよ! クリス副団長!」
「へ? 何でかしら今まで普通だったのに」
「あ! あれじゃないですか。この子、元はタヌキの置物だから、クリス副団長のチェンジスキルで壊されたこと、覚えてるんじゃないですか?」
「あぁ、それでクリス副団長に、また壊されると思って、クリス副団長、見て暴れ出したんですね」
「な! それは置物の時でしょ! 今のこの子にそんな事!」
「タヌタヌゥゥ」
「はいはい。こっちにおいで」
クリス副団長から、黒髪ロングの団員がタヌ仮面を受け取ると、タヌ仮面は大人しくなった。
「タヌゥタヌゥ」
「まさか、置物の時の記憶があるなんて、別にわざとじゃ」
「タヌタヌ!」
「はいはい、クリス副団長は、白銀様の相手をしてくださいね」
「はぁ、仕方ありませんね」
どうやらタヌ仮面は、置物の時に破壊された記憶が残ってて、原因になったクリス副団長を怖がってるみたいだな。
「ジル、白銀様から降りなさい。それでは、話ができません」
「了解です! ライザ団長」
しゅた。タタタタ。
さてと、頭のかぶってる安全バケツから、ジルが手を離したから、周りが見えたが……
これは、まずいかな?
ジルの話術で騎士団も動いたのか。
それとも最初から、素性が分からない者は、捕まえる手筈なのか。
気がついたら手強そうな団員が、俺の周りを囲んでるんだよなぁ。
慣れてない連中は外側か。
ふぅむ。美女達に囲まれた、この状況。普段なら嬉しいんだがなぁ……
捕まって体内に賢者の石があるとバレたら、解剖されかねんし。
英雄と祭り上げられても、あれ倒せ、これも倒せと、自由な時間がなくなりそうだからなぁ。
どうするか。ライザ団長の瞳は、マジの目だ!
「白銀様がいなければ、我らはみな、死んでいましたから。白銀様には、感謝しても仕切れません」
お?
「ですが、騎士団に対するたび重なる、ろうぜき。許すわけには参りません」
……
「まずは、マジックバッグに収納した。美しく青く輝く! 聖剣エクスカリバーを大人しく出しなさい!!」
む?
「魔王から取り戻し、聖剣を本来の姿に戻したことには、感謝いたしますが! 勇者様がいない今! その聖剣は、国に仕える。騎士団が保管するべきです!」
なんか! まっとうな理由言ってるが! 聖剣大好きなライザ団長が、聖剣欲しいだけだろ!
目がハートですよ! ライザ団長! クリス副団長も頭抱えてるし!
次は土曜日、更新します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




