第49話 聖剣は大切に使わないと、ライザ団長が怒ります!
俺が聖剣ホネカリバーを出したことで。
魔王配下マジェスティが見せた、勇者の死を映し出した映像が、本物だったと、騎士団に証明してしまった。
騎士団の指揮は下がり、マジェスティからは高笑いが聞こえてきた。
「ふははははは」
「何がおかしいマジェスティ」
笑ってんじゃねぇよ! マジシャンやろう!
俺のせいで、騎士団が落ち込んでるのを見て、そんなに楽しいのかよ!
ちくしょう……
「これは、申し訳ございません白銀殿。わたくしの予想が的中したようなので、嬉しかったもので、つい声が出てしまいました」
「よそうだと?」
「えぇ、こちらの町に来る前に、仲間の死を知らされたのですが。今の人間達で、勇者以外に、我らを殺せる者は、いないはずでした」
でした?
「ですが、この町で、古代の英雄白銀殿を見て、直感いたしました!」
「なにをだ?」
「白銀殿はいち早く、勇者カイザーの死を知り、我が同朋もろとも操られていた勇者を殺し、勇者を救ったのでしょう! さすがです白銀殿」
なんだと!!
「今……魔王配下マジェスティが、白銀様が、操られた勇者様を救って、どうほうを殺したって、言いましたよね?」
「マジェスティの同朋だから、魔王配下だよな?」
「白銀様が、操られた勇者様を解放して、魔王配下を殺し、聖剣を取り返したのか! すげぇじゃねぇか!」
「なんかすげぇ話になってるぞ! じゃあ! 変態仮面は、召喚獣呼べなくても、魔王配下倒せるのか! シルヴィ!」
「たぶんね。白銀様が召喚獣を呼べないのには、正直驚いたけど、なんとかなりそうね。リザ」
「ふん、あのような者が強いとは思えぬが。聖剣を持っているならば、信用はできるかもしれんな」
なんか知らないが、マジェスティが勘違いしたおかげで、騎士団の戦意が回復したぞ!
まぁ、白銀の俺は何もしてないが、イフリータが勇者を救ったわけだから、あながち間違いでもないよな
それらしく理由を作って話すか。
「勇者一族に、魔族をずっと任せていたからな。勇者カイザーが欲に溺れてしまい、勇者カイザーが殺されたのには、俺にも責任がある。だから後始末をしたまでだ」
「さすがです白銀殿。このマジェスティ感服いたしました」
よし! 切り抜けたぜ! 誤魔化し成功だ!
マジェスティの顔つきが変わった! やるのか!
「こちらは、シャドーが相手をいたしますが、白銀殿の実力ならば、時間はかからないでしょう」
……時間かかるどころか、殺される可能性があるんだが……
だ……だいじょうぶだ! イフリータが強いのは、賢者の石が体内にある俺が召喚したからなんだ!
だから俺自身も強いはずだ! たぶん!
とりあえず、みんなに聞こえないように、願望スキルをイメージして、ホネカリバーに話しかけてみるか。
「目覚めよ聖剣エクスカリバー。聖なる力を取り戻し、邪悪に聖なる輝きを! そして……おれにしたがえ、あわよくば、俺専用になれ……」
……なにもおきないか。
クソッタレェ! ダッ!
「おぉ! 変態仮面がシャドーに向かってはしり……シルヴィ。変態仮面、足遅くないか」
「そうね。ジルといい勝負じゃないかしら……クリス副団長、何か知ってますか?」
「いえ……私も驚いていましたので、白銀様は確かに魔法が主力でしたが。剣の腕も団長クラスだと書いてありましたが……」
「どうやらマジェスティも、あまりの遅さに驚いているようですね」
「ライザ団長? 本当ですね。シャドーが棒立ちになっています」
「クリス副団長、私を見ていては、見逃してしまいますよ。白銀様がシャドーに攻撃をするところを」
「そうでした」
ダダダダダ!「はぁはぁ」
やっとシャドーに到着だ! 何かしてくると思ってたが。
何もしてこないなら! このままもらうぜ!
全速力からのジャンプ切り!
でりゃぁぁぁぁ!
ズダァァン! バイィィィン!
うをぉぉぉ! バイブレーションみたいな振動がホネカリバーをつたって、体全身に! のわわわぁぁぁ!
「ライザ団長あれは!」
「白銀様の聖剣が、何もないところで、止まりましたか。どうやらシャドーにも、あるようですね。魔法の障壁が」
まさか、これは!
「おや、お忘れですか白銀殿? わたくしのシャドーは、本体が使っている魔法もコピーして生まれるのですよ」
「そうだったな。昔のことで忘れていた」
そんなのアリかよ。じゃあシャドーの周りにも、ミラーヴェールとかいう、魔法のガラスがあるのか。
これを破らないと、シャドーに攻撃もできないのかよ。
くそ! ならば! 野球切り! フルスイング!
バイィィィン! のぁぁぁぁ! 体が揺れるだけでびくともしねぇ。
お次は! 乱れ乱舞! だたっこ切り!
連続で同じ箇所を攻撃して、叩き割る! あ、はずれた。だが諦めん!
のぁぁぁぁ! てがしびれりゅぅぅぅ。
「ライザ団長! 白銀様さすがですね! ただ聖剣を振り回しているように見えますが、大剣を持ってるにしては、動きが早いですよ!」
「いえ、聖剣は、空気よりも軽いと言われていますから……(私は持ったことないですが……)
「え。それじゃ」
「あれは……素人の太刀筋。いえそれ以下でしょう。聖剣が泣いています」
「そんな……」
「あれなら、私の方が上手いかも」
「ほほう、シルヴィちゃんとは思えない発言ですなぁ」
「別にいいでしょ! ジル!」
「英雄ならば、何かやるのかと見ていたが。何もなく、限界がきたようだな」
「リザ? あ! 白銀様」
「がは! ぜはぁぜはぁ、ううぇ(はきそぅ)」
白銀は、疲れ聖剣を地面に刺し、休んでいた。
「もうバテてる、私みたいだな」
「ジルよりは体力あるでしょ」
「なんだと!」
白銀を観察していた。本体のマジェスティが話した。
「ふぅ。走るのが遅いので、様子を見ていましたが。動きが悪いどころではありませんな白銀殿……」
うるせぇ、これでも全力なんだよ! インドア舐めんな!
「やはり、人族は歳には勝てませんな」
俺は、この世界で、まだ13歳だよ!
「正直がっかりいたしました。シャドーのミラーヴェールすら壊せないとは」
言いたい放題いやがって! だがバリアを叩いていてわかったことがある!
俺も魔法使えばいいんだよな。
聖剣持ってるから、切らなきゃって、焦ってて魔法のこと忘れてたぜ!
とりあえず何か言い返すか。
「ふっ、確かに力を失った聖剣だけで戦うのは、無謀だったな。だが、これからが本番だ!」
「そうでしたか。そちらも様子を見ていたのですね。これは迂闊でした。とんだご無礼をいたしました」
つっても攻撃魔法、初級魔法しかないんだが。
冒険者ギルドで見た、格闘家ルナが使った、足から炎を出した魔法を真似して使えばいける!
無詠唱魔法! ファイアボール変化!
ジェット機のエンジンを願望し具現化!! 燃え上がれ!
『ジェットカリバー!』
「ファイアボール」
「何をするのかと思えばファイアボールですか? あれは! 違う魔法に変化している!」
成功だ! くたばれ! 分身!
ズダァァン! ボゴォォォ!! ピシピシ!
「白銀様! 本当に詠唱なしだよ!」
「すげぇぜ! さっきまでの情けねぇ姿見てたら。蹴り飛ばしてやりたかったんだがな」
「いちお、情けなくても英雄様だから蹴らないでね」
「例えばだよ」
三つ編みの団員は、褐色の団員を疑いの眼差しで見ていた。
「おぉ! ファイアボールを使ったのに、聖剣から炎が噴火したぞ! シルヴィ!」
「あれなら、魔王配下のバリアを叩き割れるかもしれないわね! リザ」
「ふん、あのような技があるならば、なぜ最初から使わんのだ!」
「先ほどの剣の扱いを見た時は、どうなることかと思いましたが。白銀様のこれが本当の実力でしょうか。ライザ団長、ライザ団長?」
「あのくされ白銀が! 聖剣に、魔法をぶつけるなど! 邪道な行為! 許されると思っているのですか! 今すぐ私に聖剣を渡しなさい!」
「シルヴィ、ライザ団長が、変態仮面の、古代の英雄白銀様にガチギレしてるぞ!」
「ジル、こういうのは聞き流すのが礼儀よ」
「いやだけどさ、あそこで、クリス副団長に止められてるぞ」
「私は何も聞いてないし、見てないわ。いいわねジル」
「……シルヴィは、男を惑わす、爆乳サキュバス」
ポカン!
「ぎゃ!」
ジルはシルヴィに叩かれた。
「なるほど肉体は年老いて限界でも、魔法の進化に歳は関係ないということですね! 白銀殿!」
「ふっ、そんなところだ。シャドーを片付けたら次は貴様だ!」
「では、シャドーが倒される前に、わたくしも勇者パーティーの武器を使うといたしましょう」
なに! 勇者パーティーの武器とか反則だろ!
白銀は、自分の持つ聖剣を見て、シャドーを見た。
早く破れろよ! ガラス!
マジェスティは、黒い霧に手を突っ込み探した。
「何処にしまいましたかね? おぉこれですこれ」
マジェスティは取り出した武器を、シャドーに投げ渡した。
ヒュン! パシッ!
な! バリア貫通とかありかよ!
あれは! 刀身のない、柄! アニメの定番なら! あの構えから、剣先が伸びてくるはず!
シャドーは、本体から柄を受け取ると、刀身のない柄の先端を白銀に真っ直ぐに向けた。
急げ! おれ! 串刺しになるぞ! ジェットカリバー逆ふんしゃ!
ぼぼぼ……ボゴォォォ!
そして聖剣を地面に突き刺し、デカイ聖剣を盾に!
白銀は素早くホネカリバーに体全体を丸め隠れた。
「先程の老体とは思えぬほど素早いですな! 白銀殿!」
ほめてんのかそれは!
白銀こと、主人公ユーリは逃げ足だけは早かった。
シャドーの持つ柄の先端から青い刀身が現れ、勢いよく伸び、白銀が盾にした聖剣に刺さり白銀ごと押した!
ズガガガガガ!
「グガァァァァ!」
うをぉぉぉ! ほんとに刀が伸びやがった!
防いだのはいいけど、これどうやって止めたらいいんだよ!
「ライザ団長どちらに!」
「私達が勝つには、白銀様に頼るしかないのです。ムカつくことがあろうと、助けるしかないでしょう」
「シルヴィ、ライザ団長本音が混ざってるな」
「言わないのジル」
「直線的に動いているだけならば、叩き落とすのみです!」
ライザ団長はギルド前で待ち構え、聖剣に刺さった伸びる刀を。
クリスタルブレードを振りかざし、刀を叩き落とし、聖剣の動きを止めた。
ズバン! ずがん!
「グガァァァァ!」
おぉ! なんだ突然止まったら反動で飛ばされた!
ポヨン! お! 柔らかい!
ここは天国だろうか……
「いつまで! くっついてんだ! 白銀様!」
「ふん!」ずだん!
「がは!」
天国に違いはなかったが。
褐色肌の子の太ももの上だったか。
白銀は、立ち上がり体を見渡した。
と、とりあえず生きてる。
怪我もなしだ! ホネカリバーも……傷が少し……冒険者ギルドで貰った初心者武器出してたら死んでたな……
さて、ライザ団長にお礼を言って仕切り直しだ!
「助かりました。ライザ団長」
「白銀様、聖剣で遊ばず! 本気を出してもらえませんか!」
「はは、これからですよライザ団長」
「たのみましたよ! 白銀様」
ライザ団長マジこぇぇぇ! 額に血管出てたぞ。
聖剣のことになると性格変わりすぎだろ。
聖剣に傷がついたのバレたら殺されるかな……
騎士団の声援を受け、騎士団の先頭に立つと、冒険者ギルド前からマジェスティを見た。
さてと、マジェスティの伸びる刀に押されて、距離も取れたし、適当に話して、魔法に切り替えだ!
あと2話程で、マジェスティとの戦いは終わる予定です。
その後は後日談と魔王様の話を少し書こうと思っています。
騎士団と魔族の500年ぶりの戦いを書いたら、こんなに長くなってしまいました。
団長と魔王配下の実力差を書きたかっただけでしたが、設定を入れすぎました。
反省中。今後はもっとシンプルに書くべきかなと悩み中です。
思いついたら書きたくなるので長くなりそうですが……
本当に長い話を読んでくれて、ありがとうございます。
次の更新は木曜日を予定してます。
無理そうなら前の日の夜に、あらすじに書いておきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




