第44話 ライザ団長救出
避難所にいないユーリ達を探しに来ていた、騎士団見学3人娘は。
ライザ団長を助けるため、宿屋の屋根から飛び降りたが。
変態バケツ仮面ユーリを蹴り落とした事で、リザの落下位置がズレてしまい。
女王様スキルが発動できなかったリザは、魔王配下マジシャンを見て考えていた。
私の女王様スキルの問題は、目を見なくてはならない事……ですが。
この位置では、ライザ団長の頭で、魔王配下の目が隠れてしまい、私のスキルが発動できない。
いっそ話しかけるべきですか……いえ、それで、目が見えなければ、魔王配下が団長を殺して、こちらにきてしまいます。
それでは意味がない! くっ落下の時に、あのハクとかいう変態を踏んだせいで!
着地位置がズレていなければ、魔王配下の目が見えていたのだ!!! あの変態、あとで捕まえねば気がすまん! ですが、この状況どうすれば……む? これは。
辺りには、突然白く輝く光の粒が無数に降り注がれていた。
これは粉雪? いえ、この辺りで雪など降るはずがありません。
光の粒に触った感じ、冷たくないですし……!
まさか魔王配下がなにか!
リザは、慌てて光の粒から、魔王配下に視線を移した。
ライザ団長が、揺れている? いえ、あれは魔王配下が揺れています。何をする気です!
リザは魔王配下の次の行動がわからず、汗ばんだ手を握り、見守るしかできなかった。
マジシャンは、光の粒を見てリザと同じように混乱していた。
(なんですか! この、見た事のない魔法は……!!!)
マジシャンの目の前で、飛んでいた虫に、光の粒が接触すると、虫は死に、ヒラヒラと地面に落ちた。
その姿をマジシャンは、目で追い、体を震わせた。
マジシャンの体の揺れは、マジシャンが首を掴んだ、ライザ団長にも伝わり、ライザ団長も揺れていた。
(何が起きているのですか? 白い光が降り始めたと思えば、魔王配下の顔が真っ青になってしまいました。今が逃げるチャンスなのでしょうが。魔王配下の手は、私の首から離れていません。状況は変わりませんか)
空を舞う虫達が、次々と地面に落ちる姿を見て、マジシャンは、白銀を睨みつけていた。
まさか! 白銀殿が、毒霧をまいたというのですか!!
白銀殿……仲間と話していると、油断させたところに、毒攻めとは、やってくれますね。
騎士を血祭りにあげ、人間どもの悲痛の叫びを聞くのは、お預けといたしましょう。
先ずは、白銀殿に抵抗するため、早く解毒魔法を使わなければなりません。
マジシャンは、白銀を直視できるように、ライザ団長を片手で持ち上げ、左に移動させると、解毒魔法を使おうとした。
(魔王配下の顔が見えた! 理由はわかりませんが! 今しかない!)
リザはマジシャンの行動に、違和感を覚えたが。
チャンスを待っていたリザが。女王様スキルを発動しマジシャンに命令した。
「無礼者! 何をしているのですか! すぐに、その者から汚い手を離しなさい!」
リザの突然の怒鳴り声に、全員が驚きリザを見ていた。
マジシャンが、ライザ団長を、正面から左に移動させた事で。
今まで、リザ達が背後で見えていなかったライザ団長は、横目でリザ達を確認できていた。
私の背後に誰がいるのかと思っていましたが、あなた達でしたか。見学者に危険な役をやらせてしまいましたね。
ですが助かりましたよリザ。ありがとう。
……ただ、バケツ頭でガウン姿の者は、何なのでしょうか? 変な、お友達でなければ良いのですが……
白銀『ユーリ』を見ていたマジシャンも。
リザの声に反応し、白銀からリザに視線を移した。
叫んだ方は、あの方ですか。ずいぶんとお若い方ですが。
瞳が燃えるように紅いですね。
それにしても、汚い手とは失礼な方です。
わたくしのマジシャン手袋は、いつも新品同然ですよ!
マジシャンは、ライザ団長を掴んでいない。もう片方の手を見て、ニヤついていると。
ライザ団長を掴んでいる手が、ぶるぶると震えた。
な! 手が! ひとりでに!!
「グガァァァァ! てガァァァ!」
マジシャンは、リザの紅く燃え盛る瞳を見ると。
ライザ団長の首を掴んでいた手が、ひとりでに開き始めた。
マジシャンは、手に力を入れ抵抗したが。
ボキボキと軽快な音を鳴らし、指の骨が次々と折れていった。
指のホネが全て折れると、ライザ団長の首からマジシャンの手が離れた。
マジシャンは、激痛に耐え、片膝をつくと。
マジシャンのお腹に、突き刺さったままだった、ライザ団長の大剣クリスタルブレードは、地面に滑り落ち。
お腹のマジシャンボックスは消滅した。
リザのスキルが発動したのを確認すると。
準備していたクリス副団長が、ライザ団長にチェンジスキルを発動した。
ライザ団長は、冒険者ギルド前に移動し無事救出に成功した。
「ライザ団長!」
冒険者ギルド前に移動したライザ団長に、団員達が駆け寄った。
「心配かけてしまいましたね」
「無事で良かったです!」
「お怪我はありませんか!」
ライザ団長は、長杖を持つ三つ編み髪の女性の頭を撫で話した。
「問題ありませんよ。スキル聖騎士のおかげで無傷ですから」
「はい!」
「さすが! 私達の団長様だぜ! これから反撃開始ですね!」
元気に話す褐色肌の格闘家を見て、ライザ団長は、話しづらそうに言った。
「それは……難しいかも知れません」
「なんでですか!」
「体は無傷ですが。魔王配下に掴まれていて、ずっと聖騎士スキルを発動していたせいで、魔力が殆ど残っていないのです」
「そんな……」
(スキルの欠点は、魔力がなくなれば使えなくなる事。魔王配下は、スキルの欠点を知っていて。私の魔力が無くなるのを待っていたのでしょう。リザ達がこなければ危ないところでした)
「そういえば、私達も魔力殆ど残って無いんだよな」
肩を落とした騎士団に、クリス副団長が話した。
「落ち込む事はないでしょう。魔王配下は、リザのスキルに落ちているのですから」
「は! そうだった。リザ!」
「ライザ団長、私達も加勢しますか!」
「いえ、数を増やしても、私が捕まったように、人質に取られる可能性が上がるだけでしょう。状況を見て対応します」
「はい!」
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