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第38話 ライザ団長 ゴールド全身タイツ 偽物エクスカリバーの真実

 遊撃部隊がゴブリンソーサーを倒してから、1時間が経過していた。


 その間も宿屋前にはゴブリン達が、次々に現れ。

 ライザ団長により倒されていた。


 ザシュ! ゴ……ブゥ……パリン! パリン!


「ふぅ、次から次に、キリがありませんね」


 ライザ団長は、街灯魔道具で、キラキラ光る金髪を、手櫛でかき分け、一息ついていた。


 そんなライザ団長を、目鼻耳の穴を開けた、安全バケツをかぶった新米冒険者ユーリは。


 宿屋の窓からバケツ頭を出し観察を続けていた。


 お、また倒した! これなら、イフリータ起こさなくても大丈夫だな! てか、アイツ起きないしな……



 ベッドで寝ている、イフリータを見ながら。

 最初にゴブリンを倒した時の事を思い出していた。


 ライザ団長は、ゴブリン10体を倒したけど。

 念のため、イフリータを起こしとくか。


 俺は、ベッドで寝るイフリータに近づき顔を覗き込んだ。


 スゥースゥー


 かわいい……ぐ! さけくせぇ!!


 バケツの鼻を手で押さえ、イフリータを見た。


 そういや、酒場で「胸がなによ! メイドがなによ! チビで悪かったわね! ご主人様!」とか言ってやけ酒飲んでたからなぁ。


 イフリータは、口をむにゃむにゃ、して動かした。


 ん? なんだ寝言か?


「むにゃ、にゃによ。私だって、大きくなったら、むねくらい……」


 イフリータは、寝言を言いながら胸をんでいた。


 泣ける。すまないイフリータ、お前は召喚獣だから、その姿が大人の姿のはずだ。だから成長はしないぞ!


 その後、体をゆさぶり、起こそうとしたが。

 イフリータは、完全に泥酔していて、起きる気配がなかった。



 まぁライザ団長が、次第に戦い慣れてきていて。

 これまでに、危なげなくゴブリンを50体は倒してたし、問題はないだろ。


 俺はライザ団長の足元に視線を移した。


 モンスターを切ると青い結晶になる技も、地面に破片が散らばり、光を反射させキラキラしていて。


 氷の上に立ってるみたいで、ライザ団長の美しさが際立って見える! なんて素晴らしい技だ!



 俺が、ライザ団長を覗き見するように、観察していると。

 次々に上げられていた、青い閃光が、また2つ上がった。


 ボン! ボン! パァァァ……



 お! また、青い閃光が2回上がったぞ? 勝ったんだろうか?


 ライザ団長を見ると、青い閃光を見上げて、額の汗を拭いながら、笑顔でうなずいていた。


 笑顔になってるから、やっぱり勝った合図だな。


(ふぅ。遊撃部隊は、問題はないようですね。さすがですねクリス副団長。ん! この揺れは!)


 な、なんだ? 地震か?


 ズゥゥン。ズゥゥン。


 建物を揺らすほどの地響きが鳴り響いていた。


「あれは、ゴブリンリーダーとゴブリンソーサーですか」


 ゴブリンリーダー? ゴブリンソーサー? ライザ団長が真剣な顔で見ている方角に視線を移した。


 あれは!!


 水晶に乗り空を飛ぶゴブリンに。

 緑色の体に、筋肉ムキムキの肉体。

 明らかに今までの、小人ゴブリンとは違い、2メートル程の大男だ!!


 でけぇ。もう普通の人だな!

 あんなゴブリンもいるんだな。


 ん!! ゴブリンソーサーが、杖を振り回してる!


 ゴォォブ!


 ゴブリンリーダーに魔法を使って強化した。


 ゴォーンブゥ!



 ゴブリンソーサーだから、強化も使えるのか厄介そうだな。


 ライザ団長に、視線を移した。


 ライザ団長、地面に剣を突き刺して、眼を閉じてる?



 ゴブリンリーダーが来たのであれば。

 この戦いも終わりが、近いのかもしれませんね。


 どれ程、手強いとも、わかりません。

 ここは、本気でお相手いたしましょう。


「神聖なる加護を受け、我のうつしみを作り出し、共に邪悪をたたかん!」


『光の化身セイクリッドドール


 おぉ、ライザ団長の体から、光があふれ出たと思ったら!

 ライザ団長の見た目で! 分身したぞ!


 美女が2人に増えた!

 しかも、魔法で増えた、光のライザ団長は、ゴールドの全身タイツを着てる、みたいだ! ゴクリ……く、写真を撮りたい!



 ライザ団長は、地面に突き刺した剣を握り抜いた。

 光のライザ団長は、2本の剣を作り出し構えた。


「では、参りましょう」


 タッタッタッ! 


 ライザ団長は、ゴブリンソーサーに向かった!

 光のライザ団長は、ゴブリンリーダーだな。



 ゴブリンソーサーは、詠唱していた魔法を発動した。


『サイクロン』


 ゴォォォ。


 危ない!


 ライザ団長の目の前に、竜巻が発生した。


「でりゃぁぁぁぁ!」


 ズバン! ピシピシピシ、パリン!


 おぉ、竜巻を切ったら! 竜巻が、青い柱の結晶になって崩れ去った!


 ガシャァァン!!


 ゴォブ!


 ゴブリンソーサーは、ライザ団長に恐れ、後退りを始めたが。

 ライザ団長は、一気に間合いを詰め、一刀両断にした。


 ズバン!


 ゴォ……ブゥ……パァン! パリン!


 ゴブリンソーサーを守っていたバリアは、丸い結晶になり砕け散ると。

 ゴブリンソーサーは、バリアごと切られていた。



 おぉ! なんだかあっという間に、倒したぞ!

 ライザ団長が、戦い慣れて、開花してきた!


 俺は、ライザ団長の持つ、偽物エクスカリバーを見て思っていた。


 あの結晶になるの、技じゃなくて、武器の効果みたいだな。

 今ライザ団長、何も技使わなかったし。



 ライザ団長は、ゴブリンソーサーの死骸を見て考えていた。


 ふぅ。思っていたより弱かったですね。

 いえ、私が戦い方を理解しただけでしょう。

 あちらは、どうでしょうかね。


 ライザ団長の視線が動いて、真剣な表情になったのを見て。


 俺も、ゴブリンリーダーを見た。



 光のライザ団長早いけど! ゴブリンリーダー硬すぎだろ!



 ゴブリンリーダーと戦う、光のライザ団長は。

 人間にはマネできない早さで、2本の剣で剣戟けんげきを浴びせていた。


 ゴブリンリーダーは、防戦一方になっていたが。

 体には、無数の傷がつくだけで、血は一滴も出ていなかった。


「硬いですね。いえ、今までの、逃げるだけだったゴブリンリーダーは、あそこ迄、硬くありませんでした」


 ライザ団長は、ゴブリンソーサーの死骸を見て考えていた。


 最初に、ゴブリンソーサーが、ゴブリンリーダーを魔法で強化したようですね。

 逃げなくなると、ここまで厄介になるのですか。


 ですが。相手が悪かったですね。

 私に防御は、意味がありませんから。


「参ります。あれは!!」


 ライザ団長が、構えると。


 ゴブリンリーダーの体が緑から赤く変色し雄叫びを上げた!


 グゴォォォブゥ!!


『バーサク』


 うわ! うるさい!


 俺は、たまらず、バケツの耳穴を手でふさいだ。


 赤くなったと思ったら、なんだ!



 ライザ団長は、ゴブリンリーダーを見つめ観察していた。


 あれは、防御を捨てた攻撃状態ですか。

 なるほど、だからゴブリンソーサーは、防御上昇の魔法を使っていたのですね。


 魔法で防御を強化し、技で攻撃上昇ですか。



 やべぇ! 光のライザ団長が、ゴブリンリーダーに押され出した!


 光のライザ団長は、作り出した剣で、ゴブリンリーダーの攻撃を防いでいたが。


 防いだ剣は、ゴブリンリーダーの強力な一撃で砕かれた。

 光のライザ団長は、剣を修復しては、壊されを繰り返していた。



 ゴブリンリーダーを観察していたライザ団長が構えた。


 破壊力は確かに、恐ろしいですが。

 動きは遅いですね、これなら問題はありません。



 お! ライザ団長がゴブリンリーダーに向かってる!


 今なら光のライザ団長が、引き付ける隙に。

 ゴブリンリーダーの背後を狙い、攻撃できるぞ!


 ズバン!


 ライザ団長が切り掛かる直前で、ゴブリンリーダーは、気配に気がついたのか振り向いた。


 ザンザン!


 ライザ団長の大剣は、ゴブリンリーダーの大きな右手で掴まれ。

 ゴブリンリーダー背後で、光のライザ団長の剣は、背中に傷を付けるだけだった。



 やべぇ! ライザ団長! 剣掴まれて身動きできないぞ!



 ライザ団長は、体を震わせ、ゴブリンリーダーを見ていた。


 く! 全力で振り抜いたというのに、かすり傷もなしですか。

 攻撃的でいて、防御もはんぱでは、ありませんね。

 これが本当のゴブリンリーダーの力ですか。


「ですが! ゴブリンの様に避けられるのではなく! 受け止めるだけなら! 問題ありません!! 食い散らかしなさい!!『クリスタルブレード!』」


 ライザ団長が持つ大剣が青く光ると、ゴブリンリーダーの右腕は結晶化し崩れ落ちた。


 スゴォォォ……


 ぐがぁぁぁぁ。


 ゴブリンリーダーは痛みから後ろによろめき、左手で傷口を押さえ恐怖から、体を震わせていた。


 おぉ! ゴブリンの親玉も、余裕で粉砕か! 強いぞライザ団長! 


 ライザ団長は、大剣を掲げて話した。


「魔物に言っても仕方ありませんが。私の武器は、団長に代々受け継がれし宝武ほうぶ。普通の武器だったらならば、今の私1人では倒せなかったでしょう」


 ライザ団長は、真っ直ぐにゴブリンリーダーを見て話した。


「だから実力で勝ったとは思いません。ですが負けるわけにはいかないのです!」



 ……かっこいいこと言って決めてるけど!

 その剣を最初出した時! エクスカリバーとか言ってたし! 本物じゃ無いのが残念とか言って、苦痛の顔してたじゃねぇか! そんな大切な剣に何してんの!


 当然だが、心の中で叫ぶ、俺の声に、ライザ団長の反論はなかった。



 片腕を失ったゴブリンリーダーは暴れはしたものの、1分程でライザ団長に倒された。


 おぉ倒した。


 どうやら、魔物が結晶になっていたのは、騎士団に受け継がれし、武器の能力のようだ。

 俺も、あんな武器欲しいぜ!



 ライザ団長は、結晶になり朽ち果てたゴブリンリーダーを見ていた。


 いつもは、逃げるだけの無防備な背中を切っていましたから分かりませんでしたが。

 容易くありませんね、戦う闘志がある者を倒すというのわ。

評価、ブックマーク、感想ありがとうございます。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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