第35話 団員とゴブリンの戦い。副団長の役目。
今回は職業のふりがなに、キャラの名前を書いてます。
逃げ遅れた人を探していた団員3人は。
ゴブリン3体と遭遇していた。
盾役は、敵を自身に引き付ける技。
『フォースオブヴェール』をゴブリン3体の中心で使った。
盾役の体から、光の柱が立ち登ると。
周囲に光が降り注がれた。
正面以外のゴブリン2体は、左右に分かれ、挑発範囲外に逃げ出した。
「クソ! 2体が技使う前に範囲外に離れやがった。ゴブリンの反応がいつもと違う!」
盾役は、ゴブリン1体と睨み合い考えていた。
(何なんだよ! いつもは避けられないのに……これが本当のゴブリンなのか……ニタニタ笑いやがって、気色悪いんだよ!)
盾役の声に、素早く反応し「任せて!」と。
格闘家が、距離をとったゴブリン1体に向かい。
残りの1体には、魔術師が向かった。
魔術師は、ゴブリンを目の前にし、悩んでいた。
(あれ……ゴブリンがこっちを見てる。これ、呪文唱えたら攻撃されるのかな?)
騎士学校で教わった。
勇者の終焉、訓練を思い出していた。
(確か、今回は訓練と同じ何だよね?……あれ? 魔術師は、1人で敵と対峙したら、ダメだって……言われ……てたような……)
魔術師が、訓練を思い出し、青ざめ、固まっていると。
魔術師目の前のゴブリンは隙を見逃さず。
魔術師に飛びかかった!!
ゴブ!!
「キャァァ」
「魔術師!!」
ゴブブゥゥ。
(ひっ! ゴブリンの口が……私死ぬの……)
魔術師は、ゴブリンに押し倒されたが。
噛みつこうとするゴブリンの口に杖がはまり、持ちこたえていた。
「そんなのやだ! 押し返さなきゃ! ぐぅ、な……にこれ……動かない(ゴブリンって……こんなに……力あるの……持たないよ、みんなぁ……)
小柄な魔術師は、両手で持った長杖を力一杯、押し返したが。
ゴブリンの体重が乗り、魔術師の細腕ではビクともしなかった。
ゴブゴブ
(ひぃぃ、ヨダレが顔に)
「クソ早く魔術師の援護をしないと」
格闘家は目の前で、行く手を阻むゴブリンを。
盾役の挑発範囲に入れるため。
ゴブリンを蹴り飛ばして、魔術師を助けに行こうとしていたが。
「何なんだよ! 全然攻撃当たらない!」
格闘家は『雷神脚』を使って戦っていた。
両足に紫の稲妻をまとい。
右、左と蹴り、回し蹴りと繰り出すも。
仲間を助けるんだと、焦れば焦るほど動きが単調になってしまい。
ゴブリンは遊ぶ様にジャンプし避けていた。
攻撃をジャンプで避けたゴブリンは。
雷がない、格闘家の太ももの上に乗り。
「ゴブ」と笑っていた。
「この! キモいんだよ! 脚に乗んな! はや!」
太ももに乗ったゴブリンは。
無防備な腹に、ジャンプし頭突きをした。
ドゴ!!
「ガハ! ゲホゲェ。な……にこれ、いたい……」
格闘家は、涙を流し、腹を抱え跪いた。
「格闘家! 魔術師! この! じゃまよ! なんで技も当たらないのよ!」
大剣を持つ盾役の攻撃、技は動きが遅く。
動きの早いゴブリンに、攻撃は当たらず。
行く手を阻まれ、逆に反撃をされていた。
ゴブ!
ザシュ!
「ぐっ、この!」
格闘家に頭突きをしたゴブリンは。
腰の鞘から、短剣を抜き出し、格闘家に近づいた。
ゴブブゥ!
「いや、やめ……逃げ……あれ、体が……動かない」
格闘家は、初めて感じた戦いの痛みに恐怖し。
足が竦み、体が動かなくなってしまっていた。
ゴブブ!
「くるなくるな! くるんじゃねぇ! 動け! 動けよ!」
格闘家の体は、小刻みにゆれるだけで、動かなかった。
「ひっ」
ゴブ!!
ブォン!
ゴブリンが短剣を振りかざした!
「格闘家!!」
3人から離れた位置から、落ち着いた口調で話す声がした。
「周りにある、3つの石と、交戦中の3人を指定完了、トリプルチェンジ」
固有スキル『チェンジ』
ゴブリンと戦闘していた3人が。
一瞬にして、ゴブリンと200メートル離れた場所に移動した。
ゴブ! ゴブ?
ゴブリン2体は、戦っていた相手が、一瞬にして離れてしまい。
どうする? と顔を見合わせ目をパチパチさせていた。
「…………」
ゴブリンに切られて死ぬと思い、格闘家は。
目をつむったまま、移動した事にも気がつかず、動かなかった。
「ぐぅ、え? なに? 移動してる?」
魔術師は、仰向けで倒れていて、空の景色が変わった事に気がついたが。
飛びかかり、杖に噛みついたゴブリンも一緒に移動していた。
前もって、魔術師が移動する場所を聞いていた。
遊撃部隊の暗殺者が待ち構えていた。
「予定通り(剣先を回転させドリルの様にして敵を貫く!)くらえ!『回転剣』」
魔術師に飛びかかり、杖に噛みついていた、ゴブリンを攻撃した。
ゴッ! ブゥゥゥ!!
ザシュシュシュ! ぶしゃ! ビチャチャ……
ゴブリンの胴体はミキサーにかけられたように、無惨な姿になった。
「ぴっ!!」
魔術師は、目の前で大口を開けていた、ゴブリンの血の雨を全身に浴び。
目をパチパチさせて、顔をひくつかせていた。
暗殺者は、予想以上に、ゴブリンの血が。
魔術師に、降り注がれた事に少し動揺し、視線を合わせづらそうに話した。
「あ……ごめん。汚れたね。魔術師」
倒れていた魔術師は、慌てて正座した。
「だ……だいじょうぶです。助けていただき、ありがとうございました。暗殺者さん」
「そう。ならよかった」
座った魔術師に、暗殺者は、手を差し伸べ起こした。
魔術師に、お礼を言われた暗殺者は、返事をしてから、クリス副団長の近くに移動した。
死ぬと思い、目をつむっていた格闘家は。
聞き覚えある声に目を開け、辺りを見渡していた。
「クリス副団長! 暗殺者さん! はぁ、なんだ助かったんだ。どうりで、ゴブリンが切ってこないと思ったんだよなぁ」
クリス副団長、暗殺者は、格闘家に、笑って手を振った。
格闘家は、安心すると、足が竦み、動かなかった、身体が動き出し。
その場に倒れ込んだ。
(今更動くのかよ……情けないなぁ。けど生きてるよ)
仰向けに倒れた格闘家は、目を腕で隠し涙を流した。
盾役は、2人の無事を確認すると。
ゴブリンの攻撃で傷だらけになった脚を押さえ跪いた。
「はぁ、よかった。2人が無事で(ゴブリンがこんなに手強いなんて。けど、クリス副団長がきてくれたなら安心だ)」
クリス副団長は、交戦していた、残りのゴブリン2体が追撃してこないか、警戒しながら考えていた。
まさか、勇者の終焉のために訓練していた、騎士団の団員達が。
ここまでゴブリンに、一方的にやられるとは……
やはり、訓練と実戦は違いますね。
勇者の終焉、訓練、通りやれと言っても。
生まれてから今までに、体に染み付いてしまった。
『魔物が逃げる』という習慣は、簡単には変えれませんか。
クリス副団長は、戦いの準備のため、隣で待機していた。
遊撃部隊、白魔道士を見て話した。
「白魔道士は、攻撃はせず常に回復魔法を、遊撃部隊、盾役にお願いします」
白魔道士は首を傾げ、クリス副団長を見て話した。
「え? けど訓練では、私も攻撃してましたが?」
「訓練では、盾役は脚のガードや小手のある重装備を付けていました。ですが」
クリス副団長は、戦っていた者達を見て。
「戦っていたメンバーを見れば分かりますよ。今の攻撃をしてくるモンスター相手に、軽装備で訓練と同じでは、盾役が耐えられません」
「わかりました。大事なのは状況判断ですね! けど、どう戦いますか?」
白魔道士は、長杖を両手で持ち、納得して、頷いてから、ゴブリンを見て話した。
「数では、こちらが上ですが。ゴブリン2体は、逃げる気配ないですよ」
「そうですね」
クリス副団長は、ゴブリンに動きがないのを確認してから、戦い方を考えていた。
重装備もないですし、慣れない訓練の戦い方より、いつもの戦い方で攻めたいところですが。
最初の部隊は、盾役に攻撃役が、敵を集める普段のやり方をしていました。
ですが、動きの早い格闘家ですら、ゴブリンの素早い動きに対応できず、やられていましたから。
いつもの戦い方も無理ですね。
仕方ありませんか。今まで逃げ回る敵としか戦っていませんから。
慣れない戦い、敵が襲ってくる恐怖、仲間のピンチ、感じた事のない痛みに耐えての、実戦ですからね。
私のチェンジスキルを使えば、ゴブリンなら今みたいに、簡単に倒せるでしょうが。
まだ夜は長いですから、これからの戦いを考えると魔力消費の激しい、チェンジスキルを多用はしたくありませんね。
やはり、訓練の戦い方で戦い。
重装備がないのは、回復魔法を優先して使い、戦うのが無難ですか。
ゴブリン2体なら……問題は……ない!
目を瞑り考えていた、クリス副団長が目を見開き。
ハッとした表情をして、ゴブリン2体を見た。
「いくらなんでも、この状況で逃げないのはおかしい!」
「どうされたんですか?」
周りの団員達が、クリス副団長の声に驚き。
白魔道士は、首を傾げていた。
クリス副団長は増援がくるかもしれないと伝え、団員に警戒を呼びかけた。
団員達は、辺りを見渡し、副団長は呪文を唱えた。
『共通魔法』
「我願わん、我に近づく気配をさぐれ! 魔力サーチ。やはり、5体増援がきますね」
団員達に動揺が走り、互いに顔を見合わせていた。
クリス副団長の側にいた白魔道士が聞いた。
「では数では向こうが上ですか」
「いえ、動きも遅いですし、まだ1キロ距離があります。今いる2体を倒せば待ち伏せできるでしょう」
「では、急ぎましょう」
(こんな事にも気づかないとは、私も平和ボケしているようですね)
増援が来る前に、ゴブリン2体を倒すため。
戦闘準備を始めた。
評価、ブックマーク、感想ありがとうございます。
基本戦闘は、ライザ団長戦みたいに、短く書くつもりですが。
団員の初戦という事で、長くなってます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




