第151話 フェニックス消滅 白銀孤立
「覚悟してもらうぞ! 白銀! ウォータードラゴンにより、フェニックスが封じられようと、我らは負けん!」
「不思議だな。なぜクライヴ団長、貴様は。倒れないのだ」
「なんのはなしをしている!!」
「クライヴ、後ろを見てみるんだね」
「ネル団長……そのようす、あやつられているわけではないのか……」
「はん! 操られてはいるみたいだけどね。体は自由だし、ここに居るのは私の意志さ。私はただ、力の差に絶望しただけだよ。そんなことより、さっさと後ろを見るんだね」
「うしろがなんだと……ほかのものたちはどこに……!! なぜみなが倒れているのだ!」
「やっときずいたかい。部下達は、フェニックスに魔力を吸われて、力つきたんだよ」
「なっ! フェニックスに魔力を……そんなはず、訓練ではこんな事は、いちどたりとも」
「わたしゃ見た事ないけどさ。訓練でフェニックスを傷つけれる奴なんて、1人もいなかったんじゃないかい。そんな訓練じゃ、フェニックスは消耗しなかったんだろうさ」
「くっ、こんなことが……我が国王直属の王国騎士団がこんな……」
「それで、クライヴ団長、部隊はフェニックスを再召喚し続けた結果、魔力を使いはたし全滅。不死のフェニックスは消滅したようだが。なぜ団長である貴様は、平然と立っているのだ」
「確かにへんだね。部隊はフェニックスに魔力を吸われて、クライヴを残して全滅だからね」
「……わたしが、フェニックスに魔力を捧げなかったのは、わたしの魔力は、幻獣フェニックスには毒だからですよ」
「どくだと、クライヴ団長は、他の人間とは、魔力が違うと言うのか?」
「えぇ、わたしの肉体には、殺した者達の魔力を取り込んでいるのです」
「前から人間離れした魔力だとは思っていたけど、まさか殺した連中の魔力を取り込んでたなんてね。それで神聖な幻獣には、あんたの魔力は毒だったてことかい」
「えぇ、昔契約しようとしたら、拒絶されましたから、間違いありません」
「フェニックスに契約を拒絶されたように、殺した者の魔力を肉体に取り込むなど、とても人道的とは思えないのだが。国王直属の王国騎士団団長、クライヴ殿は、国王の許可を得てやっている事なのかな?」
「確かに非人道的ですが国王の許可などもらっておりませんよ」
「ん? そうなのかい? わたしはてっきり国王様から許可をもらってると思って聞いてたんだけどね」
「国王の許可なく、非人道的なやり方で、魔力を自身に取り込むクライヴ殿には、何か目的でもあるのですかな?」
「ふっ、敵にそんな話をする必要があるのですか? 侵略者、白銀殿」
「これは申し訳ありません。確かにそうですな。それでは話を戻しましょう」
「何考えてんだいクライヴ団長。あんた以外全滅してんだよ? どうしようってんだい……」
「フェニックスに魔力を捧げなかった理由はわかったが。ネルが言ったように、クライヴ殿は、敵陣に1人のこの状況で、えらく冷静のようだが……クライヴ殿は、和解の話を受けていただけると思って良いのかな?」
「ご冗談を、わたし一人になろうと、侵略者と話す事はありませんよ! 空間偽装」
【なっ!】
「しまった! マスター!」
「わたしのチャーシューメェンがやぶれようとわぁ? わん? はくぎんさん? !! はくぎんさんが! 光に包まれて消えちゃいましたよ!! どうなってんですか!」
「やられたね。クライヴにまさかこんな技があったなんて。わたしも知らなかったよ。どうだい、壊せそうかいエクス」
「そうですね。光の障壁ですが。見たところ大した魔力を感じませんし、壊すのは簡単だと思います。ただ、へたに壊して、マスターが無事かわかりません。なのでフェンリあなたのふりかぶった、巨大なシッポの出番はありません」
「へっ! ダメなんですか、わたしのチャーシューメェンの名誉挽回のチャンスだと思ったんですが!」
「残念ですが。そんなチャンスはありませんよ。フェンリ」
「そんな! あぁわたしのチャーシューメェン」
「ならしばらくは、様子を見るしかないね」
「マスター……だから訓練をちゃんとしろと言ったのですよ」
「へっぶし!! 誰かに噂でもされてるのか?」
さてこれからどうするかな。イフリータを召喚してもいいが。
外には、エクスやフェンリが居るのに、外から助けてくれないって事は、へたに外からは壊さない方がいいと思ったのかもしれないな。なら俺がコイツを倒すしかないか。
次は、再来週 金曜日予定です。
更新もかなり遅くなっているので、6章終わりで、不定期更新にします。コツコツは更新しますが。いつ更新とかは、未定になります。
少し早いですが、長い間 読んでくれた皆さん、本当に、ありがとうございました。