第149話 幻獣フェニックス召喚 必殺チャーシューメェン!!?
【我らに、長きに渡り受け継がれし王国騎士団の魂と同じく、何度も受け継がれ蘇りし魂! 灼熱の炎をまとい! よみがえれ! 炎の幻獣フェニックス!!】
「がはぁ、はぁ……まりょくが、ぜんぶ、きえていく……ぐっ」
「これが、げんじゅう……しょうかん、ゆびも、うごかなく……」
「クライヴ団長。約半数は、行動不能に……自分も立っているのがやっとのありさまです。申し訳ありません」
「かまいません。フェニックスを召喚したのです。動ける部隊で、白銀を殺せばよい!」
【はっ!】
「マスター、先程敵が、フェニックスと言ってから、敵が勝手に倒れていきますね」
「そうだな。エクス」
「それは簡単な話さ」
「ネル、説明してもらえるか?」
「説明ってほどじゃないけどね。フェニックスは、数千人の魔力を使って、召喚する。幻獣さ。新人や鍛えが足りない奴らが気を失っただけだよ」
「なるほど、鍛錬不足でしたか。みたところあの部隊は男が多いようですから、おおかた、訓練をサボり女を裸にして遊んでいたのでしょう」
へ?
「エクスだったかい? いったい何の話をしてるんだい、確かに、あの部隊は男は多いけどね。クソがつくほど真面目な連中だから、訓練をサボったりはしないはずだよ」
「ほほう、そうでしたか。それはとても素晴らしい事ですね! マスター!」
エクスの奴、俺が訓練逃げた時、裸にした事、こんな時まで怒ってやがる!!
「そ、そうだなぁ。それよりもネル!! 何も起こらないが失敗したのか?」
「どうだろうね。わたしもこの目で見るのは初めてだからさ。それにしてもクライヴの奴、わたしの部下達も、あんた達ごとフェニックスのエサにするつもりみたいだね」
「えさ? 火の鳥なのに、たべられるのか?」
「あぁ、フェニックスは、鳥だからエサって言っただけだよ。気にしないでおくれ。それより、こんなとこで、話してないで、逃げた方がいいんじゃないのかい? このままだと、みんなまとめて、まるこげだよ!」
逃げる、んん、逃げた所で森が焼かれたら、逃げようがないからな、この場で迎え撃った方がいいよな。
「逃げた所で森を焼かれては無意味だ。それに、フェニックスが現れたようだからな」
「なんだって!」
「炎がうずまいていますね」
「だんだんと、巨大なかたまりに……」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
『ギャオオオォォォォ!!!』バサァ!!!
「炎の鳥ですよ!! しかもでかい! どうやって戦うの!」
「えとえと、エサでワナにはめるとか?」
「それだと、私達がエサだよ!!」
みんな動揺してるな。まさか、本当に火の鳥が出てくるとは、向こうの反応を見るかぎり、間違いないか。
「クライヴ団長!! これがフェニックスでありますか!!」
「えぇ、私も見るのは、訓練の時以来ですが、間違いなく、フェニックスですよ」
「これで、国を守れるぞ!」
「よかった、この戦いは、我らの勝利だ」
「ネル団長たちも、すきを見て助けだしましょう! クライヴ団長!」
「そうですね。ですが油断は禁物です。よいですね。動ける者はフェニックスと共に突撃です!」
『承知しております!』
「全部隊! 突撃!!』
「きたか。フェンリ、頼むぞ」
「はいはい、任せて下さいよ。白銀さん! あんな焼き鳥! わたしの素敵なバットで一撃ですから!」
フェニックスをやきとり、しかもバットなんてどこにあるんだ?
「ぎうるふ! へぇんしぃん! フェンリル!」
『フェンリさんが! 巨大なフェンリル様に!!』
「これが、噂に聞いていた、変身ですか!」
「さすが、我らの国王様のおつきの女狼族ですね!」
あぁ、女狼族はフェンリが、フェンリルになれること、知らない奴もいたな。
『なんだ! いきなり巨大な犬が! しかも我らのフェニックスさまよりも巨大』
「何だというのですかこのバケモノは! 仕方ありません! 全部隊一旦停止! フェニックスのみの、突撃に変更します!」
『突撃! 停止!』
「なんだってんだい、今まで女狼族だった奴が、巨大な犬、いや、フェンリルになってんじゃないのさ!」
「驚いてるとこ悪いが、フェニックスはまだ突撃してきてるからな。フェンリ!」
「がってんしょうち! わたしの素敵なバットで一撃ですよ! くるっと回って! チャーシュー! メェン!!!」
ズガガガガガガガガガガガ!!!
何かと思ったら、シッポビンタじゃねぇか!!! まぁ威力は桁違いだが。
「巨大な犬がくるっと回ったら! 地面がまるで、津波みたいにまいあがって、フェニックス様が!! 」
【ギャオオオォォォォ……】ジュ……
「ありえん! 不死のはずのフェニックスが消えただと!」
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ! 地面がせまってくる!!』
「全員! ふせろ!!」
『ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「なんて威力なんだい。フェニックスを消し去り、数千の部隊が、ただの一撃で……私達は、とんだバケモノに喧嘩を売ったみたいだね」
「ふふん、ほめてくださいよ。昔はダメでしたが。最近では力のコントロールにもだいぶ、なれてきましたからね!」
「頼りにしてるぞ。フェンリ」
「まかせてくださいよ! 白銀さん!」
「いや、まて、空に炎があらわれたぞ」
「なんですと! エクスさん! 本当ですか!」
「あそこだ。フェニックスの復活のようだ」
「まさか、本当に不死だってのかい」
「あわあわあわわ!! わたしのチャーシューメェンがぁぁぁぁぁ!! きかないなんてぇぇぇ!」
チャーシューメェンは、関係ないだろ。けど、不死だとしたら、どうすればいいんだ。
次は、再来週の月曜日予定です。
更新遅いのに、読んでくれて、ありがとうございます。