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第148話 クライヴ団長の決断

「クライヴ団長! どうなされるのです! 森に火を放ち、人質をとるはずじゃった! ネル団長の部隊が捕虜になるどころか……ネル団長が、白銀にひざまずくしまつじゃぞ!!」


「ライナー殿、そんなものは、見ればわかりますよ」


「おちついておる、ばあいですか! クライヴ団長!!」


「最悪の状況ですが。だからと言って、さわいでも仕方ないでしょう」


「確かにそうじゃが、だからといって、落ち着いておる場合ではなかろう……」


「確かにそうですね。今まで数で圧倒していた事で、高まっていた部隊の士気が下がり始めていますから……」





「おいおいどうなってんだよ! なんで、ネル団長が敵の大将に、ひざまずいてんだ!!!」


「まさか、ネル団長の部隊は、敵に捕まったのか……」


「ありえないだろ! 盗賊のアジトを1人で制圧して、数百の盗賊を皆殺しにした冷徹れいてつな、ネル団長が……そんなはず……」






「クライヴ団長のおっしゃる通り、これは、まずいですな。こちらの部隊が、ネル団長の姿を見て動揺どうようをはじめております」


「無理もありません。私ですらネル団長の、あのような姿、見たことがありませんから」


「えぇ、ネル団長は、昔から上官ですら、弱い者は見下みくだしていましたからな。にらんだ表情以外、わしも、今日まで見たことがありません。ましてや敵にひざまずくなど……」


「ふぅ。仕方ありません、部隊の士気が完全に下がる前に、白銀ごと森を火の海にいたしましょう。森が焼ければ、敵の部隊は仲間の救出のために、分散するしかありませんからね」


「火の海ですと……クライヴ団長……ネル団長の部隊はどうなさるのですか」


「関係ありませんよ。ネル団長の部隊は、国を愛していますから。国を守るためならば、命くらい、ささげてくれるでしょう」


「そうじゃな。国を守るためならば、我らは死ぬことも本望ほんもう


「えぇ、それにネル団長の部隊は、作戦に失敗し、国を危険にさらしたのです。お話しすれば、国王様も、許して下さいます」


「そうですな。この状況では、救出は不可能。国王様に報告するさいは、わたくしが証言いたしましょう」



「助かりますライナー殿……それでは士気が下がる前に、部隊を動かすといたしましょう『うろたえるな! この場にいる者達は、国王シュバルツ様、直属の騎士団、ロイヤルナイト! この程度でさわぐでない!!』」



「そ……そうだ。我々は他の騎士団とは、別格なんだ」


「それに、ネル団長の部隊は、少数の隠密部隊だ。なにかワナにやられたのかもしれない」


「あぁ、数ではこちらが圧倒してる事には、ちげぇねぇんだからな!!」


【おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!】




「クライヴ団長。どうやら、士気を取り戻せたようですな」


「いえ、確かに士気はどうにかなりましたが。おびえは消えていません。周りを見て声を出しているだけの者も、多い」


「たしかに、キョロキョロとしている者が、目立ちますな」


「ネル団長は、国でも有名でしたし、人気もありましたから、仕方がありません」


「ですが。これだけ部隊を、たてなおせたのであれば問題ないでしょう」


「いえ、ネル団長は、あれな性格でしたが。実力は本物です。そんなネル団長が、敵にひざまずく、ありさまですから、近づくのは危険と考えるべきでしょう」



「ですが。ならば、どうなされるおつもりですか? これ以上、騎士団の士気を上げるのは、むずかしく思いますが」


「えぇ、士気は無理ですが。やる気があるのであれば、先ほど話した、国王白銀をネル団長の部隊ごと、森を火の海にするのには、問題ありません。騎士団召喚魔法、幻獣フェニックスを召喚いたします」


「おぉ!! うわさには、耳にした事がありますぞ!! 炎をあやつる巨大な炎の鳥でしたな!!」


「えぇ、数千人の大量の魔力を必要としますが。我らの部隊であれば、問題ありません」


「確かにフェニックスならば、近づかずして、全てを炎で消してくださるでしょう」



「みな聞け! 見ての通りネル団長の部隊は! 敵の手に落ちた! これより作戦を変更!! フェニックスを召喚し! 炎の海で混乱する敵陣に! 一気に突撃! 白銀の首をとる!」


「あの、クライヴ団長、ネル団長の部隊は……」


「この状況では……だが突撃したさいに、助けられると判断した時は、救出は許可する」


【はっ! 了解いたしました!】


「では、これよりフェニックス召喚を開始する!!」






「マスター、何やらあちらが、騒がしくなり始めました。油断は禁物ですよ」


「あぁ、わかっているエクス。敵は、ネル団長があわられてから、静まりかえっていたはずだが。まさか士気を上げて、そのまま突撃はしてこないと思うんだがな」





【我らに、長きに渡り受け継がれし王国騎士団の魂と同じく、何度も受け継がれよみがえりし魂! 灼熱しゃくねつの炎をまとい! よみがえれ! 炎の幻獣フェニックス!!】


「フェニックスだと!!」


「マスター、フェニックスとは、なんですか?」


【私達も、聞いた事ないですね】


 俺も、ゲームでしか知らないが。フェニックスって、結構最強の存在では? 召喚獣で言ったらバハムートと同じか、それ以上? そんなやばいのを、雑魚モンスターに手こずる弱い騎士団が、召喚できるのか????

次は来週 金曜日予定です。


更新遅いのに、評価、ブクマ。ありがとうございます。

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