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第146話 騎士団との戦い サキュバスの魅了《みりょう》

 さて、貴族のライナーが、敵の本陣に戻ったか。




「戻りましたか、ライナー殿。それで話し合いは、どうなりましたか?」


「クライヴ団長の予想通り、話になりませんな。侵略したのは、こちらが村を見捨てたからだと、我が国のせいにしておった!! あの変態仮面が!! ぬかしおって!!」


「ライナー殿が怒るのも無理はありませんが。侵略者の言い分など、みなおなじですよ『我らが侵略したのは、貴様らが悪いからだ』とね」


「そうですな。ですが。あの白銀、これだけの兵力差を目の前にしても、あせったようすが、ありませんでしたな。クライヴ団長、油断なさらぬように」


「えぇ、わかっていますとも。ですがやるべき事は変わりません。我々が動くのは、ネル団長の部隊が、森に火を放った後ですが。敵に気づかれないように、細かい時間は決めてませんから。時が来るまで、準備をいたしましょう」







「相手は、どうしますかねぇ? 白銀さん? やはり火ですかぁ? あまり自然を壊してほしくないんですけどねぇ。自然がもどるのにどれだけ時間が、かかるかわかってるんでしょうか?」


「フェンリの言う通りだが、相手は勝つためなら、手段を選ばんだろうからな。普通に火攻めだろうな」


「そうですよねぇ」



 フェンリは、色んな自然を、馬鹿力で破壊したんだが……忘れてるだろうな。かなりのうてんきな性格だからな。女狼族も落ち着いてるな。


「我々相手に、無傷で、村などを、奪い返せるとも思わないでしょう。しょせん非力な人間ですから」


「村を滅ぼす手も、自分達の流通が減るだけですから、モンスターの食材が手に入りにくい状況では、食糧難しょくりょうなんになるだけですからね」


「確かに、勇者が死んで、モンスターが人を襲い出した状況では、モンスター食材は、簡単には手に入りませんもんね」


「もしかしたら、空腹のやつもいるんじゃないか」


「私達は、お腹いっぱいですからねぇ。負ける要素がありません!」


「罠さえなければ、人間なんかに負けたりしないんだから!」


 火攻めの部隊は、サキュバスクイーンに任せてるし、こちらも、準備を開始するか。






 ザザザザザザ ザザッ……


「とまりな、変だね。この辺りはすでに、女郎族の領地のはず……見回りが誰もいないなんて、どうなってんだい」


「ネル団長どうします。人質を手に入れてから、作戦開始予定ですが。これだけ誰もいないとなると……」


「っち、しかたないねぇ。作戦変更だよ。今すぐ火を放つ! 火に驚いて、逃げてる奴を1人、人質にするよ。間違えて全員殺すんじゃないよ!」


【了解しました】



「あらあら、かわいい顔して、ずいぶんと、ぶっそうな話をしてるじゃないの。まぁおねぇさんの好みだけど」


「だれだい!……わたしたち、いがいに気配なんてどこにも……」


【なっ! このなんだ! はなせ! ちかよるな! むぐぅぅぅ!】


「な! どうしたんだい、あんた達! 後ろになにか……これは、羽の生えた女がむすうに空から降ってくる……」




「きゃはは、この子の魔力おいしい!」


「こっちもなかなかよ。クイーン様に呼ばれてきて正解だったわね」


「ちょっと、楽しむのは良いけど、殺すんじゃないよ。殺さないように言われてんだから」


「言われなくても、わかってるよ。この柔らかいくちびるを、楽しんでるだけだよ」



「!! きさまら! わたしの部下からはなれるんだよ! 闇の衣を、まとい刃となれ!!」


「ほよ? あなたはクイーン様の獲物だよ」


「だまれ! ばけものが、話すんじゃないよ! ダンシングクリムゾン!」


「へぇ、刀がいっぱいになったね。まぁいいか。つづきつづき」


(なんのまねか知らないけど、抵抗しないなら、羽を貫き、心臓を貫く!!)


 ザシュ!! ガガガガガガ!!「よし、つぎだよ」パキン、ヒュンヒュン、ザッ……


「な、刀が折れただって……ありえない、王国魔導士がありうる強化魔法をかけ、強化されたオリハルコンの刀だぞ! 傷もつかないなんて。どうなってんだい……」


「きはすんだ? あなたの相手は私じゃないの、はいはい、つづき。むちゅちゅ!」



「わたしの……あいて、さっきの声のやつかい……」


「ふふ、まさか人間が、こんなにも、弱くなってるなんてねぇ。おねぇさんちょっと残念だわ。昔は私を封印する事もできたのに、時間は人を進化させるとは限らないものよねぇ」


「……けはいすらしない……バケモノどもが」


「確かに人間ではないけど、バケモノはひどいわね。遊んであげようと思ったのだけど、もう戦う気力も残ってないのかしら?」


「私の宝武器ほうぶは、あんたの部下にすら、砕けて、このありさまさ。抵抗する気にもならないよ。あんたの好きにしな……ただ、できれば部下達は、助けてやってほしい……」


「ふふ、それは、旦那様が決める事だけど……旦那様はお優しいお方だから、望みはかなうと、思うわ」


「そうかい、なら私は、神にでも願っておくよ。神なんざ、これっぽっちも、信じちゃいないけどね……」


「ふふ、私も神は信じてないわ。旦那様を信じてるだけだから、それでは、えんりょなく……ちゅ」

再来週の月曜日予定です。


更新遅いのに、読んでくれて、ありがとうございます。

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