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第138話 いちなんさってまたいちなん 平和なスローライフってどこにあるの?


 はぁ、ネズミ族の村を守るためだったとはいえ、他人の領土に勝手に入ったせいで、侵略と間違えられた時はどうなるかと思ったが、思ったよりスムーズに解決できたな。ルージュさんが、話のわかる領主でよかった。


「話も落ち着いたところで、白銀様。大事な事を話さないといけないのですが」


「だいじなこととは、なんですか? ルージュ殿」


「じつは、白銀様の侵略については、すでに王都に伝達してしまいまして」


 おうとにでんたつ………………へ?


「数日後には王都から、なんらかの動きがあると思いますが、ブルードラゴンを手なずける白銀様でしたら、なんの問題もありませんね」


 なんらかって! なんだよ! てかなに、その、もう私には関係ないですよみたいな顔は!


 お前が王都に報告したんだろうが! いや、まぁ領土が奪われたんだから、国王に報告するのは、あたりまえか。


 とりあえず、聞いてみるか。


「ゴホン! むろん、なんの問題もないのだが。ルージュ殿。そのぉ、参考までに、あくまでも参考にだが。王都がする、なんらかの動きには、何か心当たりはないのですか?」



「心当たりですか。そうですね。モンスターが凶暴化するまでは、村を襲撃するのは、山賊などでした」


 山賊か、まぁモンスターが無抵抗だったなら、人の敵は人になるもんな。


「村を襲撃するような、危険な山賊は、村の警備が時間を稼ぎながら、王都や町に応援を要請ようせいし、騎士団と、爵位しゃくいに決まりはないですが、貴族も派遣されますね。領地の侵略とは違いますが、似た感じになるでしょう」


「そうですか。ただ、騎士団は分かりますが。山賊相手に、貴族が来るのですか? 役に立つとは思えませんが」


「村を襲撃するほど、危険な山賊が現れる事は、10年に1度あるかないかの緊急事態です。なので、騎士団の中にいる若い貴族では決めれない事も多くあります。ですから、国王から信頼されている貴族が同行し、決断をするのです」


「その、国王から信頼されている貴族がする決断とは?」


「山賊を取り逃した時に、領地である、あたりの山々を魔法で焼きつくし、山賊どもを火炙ひあぶりにする決断です」



「火炙りの刑という事ですか。確かに村を襲う山賊を野放しにしておけば、山を失うよりも、はるかに多くの犠牲が出るかもしれませんからね」


「はい、さいわいと言いますか、何と言いますか。この辺りは、草木の多い山や草原に囲まれた領土ですから、よく燃える事でしょう」


「ふぅ、領土を奪われるくらいなら、全て燃やした方がマシ、と考える貴族が来るかもしれないという事ですね」


「はい、あくまでも可能性の話ですが……本当ならば私の方から和解が成立した事を国王シュバルツ様に報告できればよいのですが」


「ありがたいお話ですが、それはやめた方がいいでしょう。国を作りすぐ、隣の領地を侵略した、と報告を受けた者との和解です。そんな話、報告すれば、ルージュ殿が、わたしに降伏こうふくし、嘘の報告をしていると思われるでしょう」


「はい、仮にシュバルツ様が信じてくれたとしても、周りの貴族は我が領地、欲しさに私の失脚しっきゃくをうったえるでしょう」


「でしょうな。ルージュ殿ありがとう。先ほどの火炙りの話は、念の為対策を考えておくとしよう」


「そうですか。お役に立ててなによりです。それでは、白銀様、みなさま。私達はこれで失礼致します。食事ごちそうさまでした。またお会いできる事を楽しみにしておきます」


「あぁ、それではな。ルージュ殿」







 ルージュ達とわかれてすぐ、女狼族の里に帰り、女狼族のおさヴィルディースに話した。


「白銀殿の話をまとめると、他領たにんのりょうちであるネズミ族の村が、モンスターに襲われていたので、無断で他領に侵入し、勝手にネズミ族を助けた事で、隣の領主ルージュ殿に侵略と勘違いされてしまったと?」


「あぁ、そうだ」


「そして、ルージュ殿との話し合いで、和解はできたけど、ルージュ殿はすでに、人間の国、王都レイトゥリア・シュバルツに、領地が侵略された報告をしてしまっていて、国を作りすぐに他領を侵略した者との和解は、シュバルツ国王からの信頼をルージュ殿が失う恐れがあるから、和解の話は今すぐはできないから、その内騎士団が、我が領地に来ると言う事ですね」


「あぁ、すまないヴィルディース。せっかく里が平和になったのに……」


「いえ、白銀殿、問題はありません」


「え?」


「人族の奴隷になった我々を助けてくれたのは、白銀殿です」


「いや、だが」


「それに、我々は国を作ると決めた時から、他の国とはいつか、こうなると考えていました。それが早くなっただけの事です」



「わかった。どの道騎士団は来る可能性が高いからな。話していても仕方ないか。そうと決まれば、ヴィルディース」


「はい、白銀殿」


「里、村のみんなで、騎士団や不審ふしんな人物を見つけたら、手を出さず、近くにいる光の化身たちに報告してくれ」


「お任せください! 白銀殿」


 タッタッタッタッ




 さて、素人の俺じゃ、どうせ考えても何も思いつかないからな。国を守るため、のぞき見でもして、人間の国の動きでも確認するかな。


 コツコツ、ガチャ、ドサ! ファサ……


 ふぅむ、ベッドに横になったのはいいが、王都のどの辺りをイメージするかな……てか、王都行った事ないからなぁ。


 ムダに寝るのはいやだな。たしか前に、魔王の部下を倒した時は、部下を殺された魔王がどうしてるのか気になってたら、魔王の居る場所が見えたんだよな……


 けど魔王のいた場所は、勇者カイザーが死んだ時に、魔王の居場所は見てたから、まったく知らない場所じゃなかった。


 今回は、行った事も見た事ない王都をどうやって見るか……お!


 そういえば、フェンリル調査隊のジャンヌが、無事王都に到着してれば、ジャンヌや王都の状況も確認できるんじゃないか! 王都じゃなくジャンヌをイメージすれば簡単だ! あんな美人ならイメージもしやすいからな。


 さて、うまく、願望夢がんぼうむができるかな……グゥゥゥ。

次は、来週、金曜日予定です。


ブルードラゴンが話す事に、ルージュ領主たちが、驚くのを書いてなかったので136話に追加しました。

ドラゴンが話すのは、ギルドから話を聞いた事にはなってるので、そこまで変更はありません。



更新遅いのに、評価、ブックマークありがとうございます。

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