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第134話 隊長は、優秀だから隊長とはかぎらない!!

「私は、畑を荒らすドラゴンを退治した後も、あれはドラゴンじゃありませんよって言ったのに、あねさんは「村人がドラゴンつってんだから、ドラゴンなんだよ! ちぃせぇこと気にすんな」って」


「ふむふむ」


「確かに、そのおかげで仕事は増えましたが。今の惨状さんじょうも、ドラゴンを退治したと嘘を広めてしまった、罰なんでしょうか。エクリアさん」


「そうですね。ウソはよくありません。私も嘘を言ってしまい。かみから、よく逃げていたものです」


「おに! そんなすごい者と、やりあっているのですね。エクリアさん」


「いえ、まぁそれほどでもありますかね」





「ぐぅぅ、うぅぅんん??」


「あねさん!」「おや、お目覚めですか」


「ふん、ようやく目を覚ましたか。これで話ができるな」




「ふぁぁ、なんかやけにさわがしいな。それにしても話すドラゴンなんて、変な夢見ちまったぜ。そんなドラゴンいるわけねぇのによ……」


【へんなドラゴンとは、我の事か、こむすめ】



「は? でけぇドラゴン……ゆめじゃねぇのかよ!!」


「あねさん、話を聞くんですから、落ち着いて下さい」


「あぁ、そうだったな。それより、何かされなかったか」


「はい、大丈夫でした。みなさん普通に話せる優しい方達でしたよ」


「そうか。えぇと 大変待たせてしまい申し訳ない」


「かまいませんよ。わたしも仮面をつけたまま、初対面しょたいめんの者と会っているのですから。失礼なのは、お互い様という事にしておきましょう」


「そう言ってもらえるとたすかる」


「それに貴方達は、どうやら巻き込まれたようですからね」




「あぁ、そうだ。てめぇが、ケンカを売ったせいで、私達が国同士の戦いに巻き込まれたんだよ!」


「なにやら、勘違いをしているようですね」


「あん? かんちがいだと?」


「我らは確かに国ですが。ネズミ族の話を聞く限り、君達を雇ったのは、領主ですから。国同士の争いではありません」


「んなもん! たいして! ちがわねぇだろうが!! わたしたちを時間稼ぎに使うような奴だぞ!!」



「確かにそうですが。今回依頼されたのは、君がドラゴンを退治したと、嘘をついたのが元々の原因でもあるのだろう」


「ぐっ! だからって、こんなやべぇ依頼がくるなんて、誰がわかんだよ!」


「まぁ、目先の欲におぼれる。気持ちもわからんではないが。先ずは自己紹介をしようではないか」


「あ、あぁそうだな。私は、討伐ギルド、ドラゴンの牙のリーダー、リュウネだ。それで、あんたは」


「我は、女狼族の国王、白銀と言う。これからよろしく頼むよ。リュウネ殿」


「へっ! 侵略者と、よろしくなんてしたくねぇが。負け戦だったんだから、仕方ねぇか。それで負けてた私達に、話ってのはなんなんだ。国王様」




 この状況で、ずいぶん強気なヤンキーだが。クチビルは、プルプルと震えてるし、強がってるだけか。


 まぁ、理由はどうあれ、こちらは侵略者の親玉だからな。怖がらない方が不自然か。


「コホン! 別に取って食うわけではない。我々にも手違いがあってね。別に侵略したかったわけではないのだ」


「この状況で何言ってやがんだ」



「まぁまぁ、これを見て落ち着きたまえ」


「あぁ? これってなんだ? なっ! それは!!」


 キラキラ。


「ブルードラゴンのウロコだ。聞けば高く売れるらしいじゃないか」


「たかいつぅか。ここまで、デカくて無傷のドラゴンのウロコなんて、誰も手に入れた事ないから、値段なんてつけようが」


「ならば、問題ないな。ドラゴンの牙、リュウネ殿」


「ぇ、ははい!」


「リュウネ殿の依頼主に伝えて欲しい。女狼族の国王、白銀は、交渉をのぞんでいると」


「え、つたえるだけか」


「あぁ、それだけで、ブルードラゴンのウロコは君にあげよう」


「どうなるかなんて、しらねぇぞ」


「問題ない」



「はっ! どうせ負けてたんだ! 依頼主様に、けなされに帰ってやろうじゃねぇか! やろうども! 怪我人運んだら、治療してとっとと帰るぞ!」


「何言ってんですかあねさん! あねさんが寝てる間に、怪我人は治療してもらってみんな、元気になりましたし、帰る準備なんて、とっくに終わってますよ!!」


「は? なんのはなしだ!」


「すごかったよね。ピカって光ったら、傷治っちゃうしさ」


「ねぇ。ほら早くしないと置いてきますよ!」


「ちょっとまて! わたしは隊長だぞ!」


「はいはい、わかってますから、みんなで依頼主様に、見下されに帰りますよ。隊長」


「おい! 置いてくんじゃねぇよ!」


「それでは、みなさん、さようなら。あねさん! 待ってくださいよ! わたしも居るんですよ!」





「すまないな。ブルードラゴン、大事なウロコをもらってしまって」


【ふん、ウロコなぞ、自由にしてもらった事に比べれば安い物だ。気にする事ではない】


「そう言ってもらえると助かる。さて領主様をもてなす準備でもするか」

次は、来週、水曜日予定です。


更新遅いのに、ブックマーク、評価ありがとうございます。

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